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【注目】PSE、PSC、電波法技適の検査手順がわからない方に、とりあえずこれくらいを把握しておけば十分です② PSC編

 2020/03/04 PSC 認証の原理原則
この記事は約 9 分で読めます。 4,813 Views

こんにちは。管理人の堀です。

検査手順編シリーズとして、①PSE検査は、経済産業省のウェブサイトにあるフローを引用しながら書きました。

今回は②PSC(携帯用レーザー応用装置)の検査手順を書きます。

適当なフローが見つからなかったので、当社の経験に基づいたフローを作成しました。そちらに沿ってご説明いたします。

何故フローがないのか?これでは新規の申請候補者はどのように申請すればよいのかわからないと思います。

理由として、例外というかイレギュラー事項が多かったり、特にPSCでは対象品によってフローが大きく違ったりするので一つのフローでは誤解が生まれてしまう、などの理由ではないかと推測しています。

確かにその懸念もあるかもしれませんが、このページの目的は制度の説明ではなくどうやったら認証合格できるのか、その一点です。

今回は、比較的小売り事業者にも馴染みが多いだろう「携帯用レーザー応用装置」を例に、おおよその概論をお伝えします。

PSC検査フローのイメージを掴んでいただけたらと思います。

PSC認証の流れ

携帯用レーザー応用装置を例にまずはPSC(消費生活用製品安全法)の検査手順フローを作成しました。

製品によって、手順、細かい表現、対応する検査機関などが変わってくることもありますが、おおよその流れとしてご理解いただければと思います。

対象のレーザー品

レーザーが照射されているからと言って、必ずしもすべてがPSC対象ではありません。

対象品で顕著なのが、レーザーポインター、レーザー距離計、レーザー温度計などになります。ちなみに、レーザー距離計でもゴルフで使う距離計はPSC対象外です。

また、バーコードスキャナーなど業務用として利用されるものは対象外の可能性は高いです。経産省の判断にもよるので、不安がある際は直接確認されてみてください。当社では、バーコードスキャナーは対象外という判断を頂きました。

損害保険加入

経産省のページを引用すると、

「届出の際、事業者は、被害者一人当たり1千万円以上かつ年間3千万円以上を限度額としててん補する損害賠償責任保険契約の被保険者となる損害賠償の措置が必要です。(法第6条第4号)」

とあります。

PSCは危険品を扱いますので、万一、製品事故があった際にはユーザーに対して損害賠償できるよう、保険加入が義務づけられています。この点が同じ経産省管轄のPSEと異なる点です。

事業届出

ここもPSEと異なる点ですが、PSCは検査前に輸入・製造のどちらだとしても、管轄の経産局に申請を出す必要があります。この際に損害保険証券コピーの提出が求められます。

ここで要注意なのが、PSC申請の際に生産工場の所在地(住所・俯瞰図)も提示しないといけませんが、海外(主に中国)工場で初めて取引をするようなところは大体、別の住所を教えてきます。

衝撃な話ですがよくあることです。

経産局に提出された住所をもとに、検査機関は工場訪問・検査を行いますが、提出された住所と実際の住所が違う場合、それだけで検査不合格となる可能性が高いです。

その為にも、少なくとも一度は工場への事前訪問は行い、正確な現住所を確認した方が良いでしょう。もし、ウェブなどで確認した住所と、工場現地で確認した住所に相違が認められた差異は、経産局への書類修正の申請も行えます。

経産局へ書類した後、登録検査機関への検査依頼となります。書類作成は比較的平易ですが、自信がない方は行政書士などの専門家に作成依頼するのもよろしいのではないでしょうか。

基準適合確認

PSEと同じく、平たく言うと、検査機関に対して行うサンプル検査です。

検査機関に対しては、サンプル提出とともに仕様書や製品回路図などの技術資料を提出する必要があります。

フローだけ眺めているとそのようなことは書かれていませんので、事前にその事は理解したうえで、検査に応じてくれる工場との書類交渉は必要になってきます。

必要書類は製品ごとに変わってきますが、当社では専門スタッフが中国語・英語で工場に対して説明を行いますので、安心して業務を任せられます。

また、PSEと違うのは、PSC(特別特定製品)の検査を行えるのは、経産省に指定された日本の登録検査機関のみです。

携帯用レーザー応用装置でいえば、(一財)日本品質保証機構(JQA)(株)UL Japanのみになります。

特別特定製品以外の特定製品については、一般的には日本の検査機関を使うのが主流ですが、中国の検査機関を使うことも可能な場合があります。

なお、特別特定製品と特別特定製品以外の特定製品についてまとめられている経産省のページを引用しておきますのでご参考ください。

引用:消費生活用製品安全法の概要

適合性検査

こちらもPSEと同じく、PSCの適合性検査とは生産工場検査を意味します。

特別特定製品でも特別特性製品以外の特定製品においても生産工場検査は必要となります。

やはり大変なのは、生産工場が海外にあった場合に、日本の検査機関の検査員をそこまで派遣しないといけないことです。当然、出張費用は事業者が負担することになります。

なお、携帯用レーザー応用装置に関して言うと、経済産業省に指定された登録検査機関は(一財)日本品質保証機構(JQA)と(株)UL Japanのみですので、基本的には検査員の海外派遣を視野に入れておいた方がよろしいかと思います。

また、これもPSEと同じく、工場検査とは日本工場であろうと中国工場であろうと、PSC品を生産するにあたって、検査機関が工場の生産設備などを審査するものです。

工場が何回もPSC検査をしているところであれば問題ないでしょうが、仮に初めてPSC検査を受けるとなれば厳しい部分があるのも否めません。

またPSC検査を複数回受けている中国工場はあまり存在しないと思います。

せっかくサンプル検査が合格したのに、工場検査で不合格ということはありえます

当社では、日本工場・中国工場と問わず、工場検査前指導というサービスも行っています。必要に応じて工場現地指導も行っており、特に初めてPSE認証をされるお客様からは大変好評を博しているサービスとなっています。

また、実際の工場検査時の立会いも行っていまして、その場の立会いだけではなく、事前に準備すべき点、設備の手配などのサポートなども行っています。

なお、工場検査の様子については、「PSCの原理原則。レーザー、レーザー距離計、バイクのヘルメットなど、人体への影響や生命にかかわる製品が対象です」「5 【小話】当社で携帯用レーザー応用装置(レーザーポインター)検査をした苦労話」もご参照ください。

製造・輸入/自主検査

全ての認証試験が終わった後は、晴れて製造・輸入を行っていただければと思います。

なお自主検査については、以前に書いた「PSE、PSC、計量法、電波法技適などは認証が終わればすべて終了ではありません。認証後も自主検査などを求められ、関連省庁による試買テストもあります。」の記事の「PSE、PSC自主検査とは」をご覧になってみてください。

記事ではPSEについて書かれていますが、考え方はPSCも同じです。必要なレポートフォーマットは当社でも有しています。

表示/販売

これもPSEと同じくですが、ここに関して、お客様からのお問い合わせは多くあります。

詳しくは、PSE、PSC、電波法技適の検査手順、とりあえずこれくらいを把握しておけば十分です① PSE編」の記事の「1.7 表示」をご覧ください。

ただ言えるのは、やはり、自社で認証をすべてコントロールすることでしょう。

一方、PSCのラベル表示については、検査機関の基準適合確認(サンプル検査)時に、製品サンプルとともに、内容・文字の大きさ(視認性)などかなり厳しくチェックされます。

販売については会社様のご自由に販売されていただければと思いますが、必要に応じて、販売のチャネル開発などもご相談いただくことも可能です。

当社レーザーポインターの表示例

認証費用はいったいどのくらいかかるのか?

PSCは対象品が少なく比較的に見積りがハッキリしています。

以前に、赤色レーザーの検査を日本品質保証機構(JQA)に依頼した際、税込みで72万円ほどでした。しかし、サンプル試験が複数回失敗して、追加費用を10万円ほど支払った記憶があります。

この72万円の中には検査員の海外渡航費も含められています。

一方、緑色レーザーの検査はもう少し高く、JQAとULジャパンでも費用は違います。

なお、これは検査機関費用で当社などの外部機関に代行を依頼すれば、費用は更にかさみますが、コンサルタントによる工場現地指導は必ず必要と考えておいた方が良いでしょう。

以前のお客様に、サンプル検査だけは自力で9割ほど済ませた方がいらっしゃいましたが、工場検査の対策のために、設備品を揃えたり、中国工場の職員に対応を指示することが不可能なため、当社に工場検査対応だけ申し込みされた方いらっしゃいました。

その他のPSC品検査も調べれば比較的容易に費用が判明することもありますが、PSCは工場検査が必須のため、そのことも考えるとご自分だけで解決することは難しく、やはり代行費用というものも頭の中に入れておいた方が無難かと考えます。

何度も繰り返しになってしまいますが、工場検査はPSC品の生産設備体制が構築されているかをチェックするものであり、製品だけ出来上がっていれば良いものではありません。

しっかりとした対策を行わないで工場検査を迎えると。まず間違いなく失敗するでしょう。

そういうことを踏まえて、あらかじめ専門のプロと打ち合わせをしながら、検査を進める体制を取ることが、結局のところ、時間も費用も節約できるだろうと思います。

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当社の強み:どの製品でも認証対応が可能です

PSCの特徴は「生命に影響を及ぼす可能性のある危険製品」として、PSEのように「電気用品」というカテゴライズはなく、対象品数は少ないですが種類は多岐にわたっています。

特別特定用品でいえば、乳幼児用ベッド、携帯用レーザー応用装置、浴槽用温水循環器、ライター。

特別特定製品以外の特定製品でいえば、家庭用の圧力なべ及び圧力がま、乗車用ヘルメット、登山用ロープ、石油給湯機、石油ふろがま、石油ストーブ。

それぞれ検査機関や検査方法などは違いますが、必要な書類を揃えて、工場に必要な設備を整えさせて、技術適合したサンプルを作らせるという認証の行為自体は同じです。

今回は、携帯用レーザー応用装置を例に検査フローを作成しましたが、他の製品に関しても、認証ノウハウや検査機関のネットワークなどを有しておりますので、ご用命などありましたらお気軽にご相談ください。

お客様は制度の説明ではなく合格できるかを知りたい

PSEの説明と重複しますが、あえて繰り返しお伝えしますと、お客様の知りたいことはPSC制度の説明ではなく、あくまでどうやったらPSC合格できるのかということだと思います。

このページも専門家から見たら、重箱の隅をほじくるように異論・反論があるかもしれませんが、少なくとも当社は「合格の為に最低限必要な情報」ということで、当社およびお客様の経験をもとに書かせていただいております。

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