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電気関連で中国輸出をしたい方にCCC認証、CQC試験、GB規格の概要と3つの基礎を伝授!

 2022/07/14 PSE 中国ビジネス 中国認証 認証の原理原則
この記事は約 11 分で読めます。 2,953 Views

こんにちは。管理人の堀です。


近年の急速な円安の影響を被っている輸入業者の方は多いと思います。当社も海外生産された製品のPSEPSC、電波法など各種認証を主に扱っていますので、円安のあおりを受けているというのが正直なところです。

一方、何事も物事には表裏2つの側面があるわけで、円安の影響を受ける事業者さんがいれば、その恩恵を受ける事業者さんもいるわけです。つまり、円安によって輸出産業が有利に働きます。

そうすると、日本で生産した電気用品を中国やヨーロッパ・アメリカなどで販売したい、もしくは中国産の電気用品をヨーロッパ・アメリカやそのまま中国で販売したいというニーズが生まれてきます。

実際に当社にもそうしたお問い合わせは増えています。

しかし、海外への輸出は本当に大変で、現地の法律に従い、現地の代理店・現地法人を介し、現地の認証を行って販売を進めていかなければなりません。一方でその分、そのハードルをクリアしてしまえば、ライバルが少なくかなり有利にビジネスが進められるのも事実です。

このサイトで全ての事項を網羅するのは不可能ですので、「認証の原理原則」の名前の通り、「現地の認証」に焦点を絞ってお伝えしていきたいと考えています。

今回は、中国の電気関連の認証であるCCC認証、CQC試験、GB規格試験を取り上げます。中国の認証制度の厳しさは、正直言って、日本の比でありません。特に、認証未取得に関する当局(政府)の監視が物凄く厳重です。

日本でのAmazonや楽天などのECサイトでPSEなどの認証未取得の違法品が跋扈するようなことありえませんし、特に中国人事業者が好き勝手に売れるようなことは絶対にありません。

余談ですが、こうした点は管轄省庁の経済産業省や総務省は見習ってもらいたいというのが個人的な意見です。いずれにしても、中国で電気製品を販売していくために必要な認証についてお伝えしていきたいと思います。

ただ、あくまでCCC認証、CQC試験、GB規格試験の各制度を熟知するためのお勉強というよりは、それぞれに対して実践ができるよう試験を行う上で大切なポイントを絞って書いているとご理解いただければ幸いです。

 

CCC(中国強制認証)とは?

中国の強制製品認証(China Compulsory Certification: 以下「CCC認証」)について、この認証を取得し、CCCマークを表示していない電気製品系は、中国国内での流通、海外からの輸入および、国内での販売・ビジネス活動はできないとされています。

基本的に、日本の電気用品安全法(PSE)と類似されますが、中国国内の法律としては、主な法的根拠は「中華⼈⺠共和国認証認可条例」、「強制製品認証管理規定」などが該当します。

国家安全保護、詐欺⾏為防⽌、⼈体の健康もしくは安全の保護、動植物の⽣命もしくは健康の保護、環境保護などを⽬的にしています。

 

主に該当する製品カテゴリーとしては、

ワイヤーおよびケーブル、保護または接続用の回路スイッチおよび電気機器、低圧電化製品、

小力モーター、電動工具、溶接機、家庭用および類似の設備、電子製品および安全付属品、灯器具、車両と安全付属品、農業機械製品、消防製品、セキュリティ製品、建材製品、子供用品、防爆電気、家庭用ガス器具

 

などがあります。ただこれらも不定期に更新されます。また、CCC認証は基本的に部品および一般消費者向け製品が対象となりますので、産業機械は対象外となることもあります。この辺もPSEと似ています。

大きくPSEと違う点は、輸入通関時です。正直、PSE対象品においてPSE表示をしていない・証明書がないという場合でも輸入通関されてしまいます。なので海外からの違法品も流入してしまう現実があります。

しかし、良くも悪くも中国はかなり厳格ですので、CCC対象品にCCCマークないとなると、通関時点で止められてしまいます。なので、CCC対象品を中国で販売したいとなると事前に認証試験・合格が必要となってきます。

 

検査手順

では、どうやって試験を進めていけばよいのか、簡単に示しておきます。基本的な流れはPSEと一緒です。

・(中国の)検査機関に認証申請
・サンプル、製品資料の提出
・製品検査
・工場への立ち入り検査
・合格
・ラベルなどを表示して輸出販売
・毎年の工場検査

 

一番問題なのは「工場への立ち入り検査」かもしれません。これ自体は、PSEの立ち入り検査と同様で、製品の検品などを行うための生産設備などを有しているかどうかを、検査員による確認業務になります。

例えば、中国国内の工場を利用する場合、中国工場も自国の法律ですので要領を得ている・得やすい状況というのは容易に想像できます。しかし、日本で生産している場合、日本工場で中国基準の設備を用意しなければなりません。

正直言って、初めて挑む事業者の方は絶対にわからない世界でしょう。これが日本国内から中国に電気製品を輸出する参入障壁の一つです。また、中国で販売を続けるためには、毎年の工場検査受け入れが義務付けられています。

基本的に、日本国内で日本語可能な中国検査の出先機関がありますので、言語的には問題ないと思いますが、受け入れ準備と検査時を含めた毎年の工場検査があるということは認識しておいていただければと思います。

ちなみに、当社では、検査費用とは別となってしまいますが、受け入れの為の工場現地での事前指導や立ち合い対応なども行っています。

 

CQC試験とは?

一言で言うと、CCC対象外だった電気製品の任意試験となります。上述したようにCCCでは対象品がいろいろと網羅されていますが、それでも各カテゴリーの中も含めて、対象外になる場合もあります。

また、一般家庭で使われない(使われることが少ない)ということで対象外なることもあります。

ただ、こうした時でも、「対象じゃなかった!ラッキー!」と考えるの早計です。CCC対象じゃないのは確かだとしても、何の表示もされていない電気製品に対して、中国の税関はかなり疑いの目を向けます。矛盾しているようですが、それが現実です。

中国税関は荷揚げ場所により審査の厳しさが異なり、運や担当者による判断で大きく左右されます。中国は国土が広いこともあり、その傾向が強いように感じることもあります。


また、市場流通をさせている際も、販売店や当局から不信感を頂かれることがあるのも事実です。

そうした際、中国国内での評価を高く競争力が得られ、税関が通りやすくするというメリットもある、CQC試験という無駄なリスクを減らすという方法もあることを覚えておいてください。CQC試験を合格した製品には、CQCのロゴを表示できます。

ちなみに、試験の流れはCCC認証と同様です。

 

GB規格とは?

CCC認証は強制ということであれば必ずやらないといけませんが、CQCは任意試験。やらないことのリスクはわかるが、資金や環境など様々なリソースを用意しないといけないというのは、またある意味でリスクということも理解できます。

これから事業を始めるわけなので、出来ることならばハードルを下げたいというのも本音だと思います。

繰り返しますが、いずれにしてもCCC対象製品は強制なのでやらなければなりません。その対象外である製品であれば、GB規格試験という方法もあります。要は安全テストようなものです。

中国の技術基準に基づいて試験をしていることを証明するレポートが発行されます。その後も製品に何かのロゴを表示することは出来ませんが、説明書などに はGB規格試験を受けていることは記載できますし、税関などで止められることがあっても、レポート提出をして製品の安全性を主張することができます。

GB規格試験の流れは、

・(中国の)検査機関に認証申請
・サンプル、製品資料の提出
・製品検査

 

のみとなり、工場検査などはありません。

製品がCCC対象外の場合で、まずはライトに中国に輸出したいということであれば、こちらの方法を取るということもできます。是非ご記憶に留めておいていただければと思います。

 

複数ある認証代行会社から自社にあった会社を選ぶポイント

これまでCCCCQCGBの各制度について簡単にご説明してきましたが、以下はそれらを進めるための3つの基礎をお伝えしたいと思います。

実のところ、中国など海外向けの認証(の代行)サービスを取り扱っている会社は多くあります。特に日本国内向けのPSEや電波法など扱う会社より多いくらいかもしれません。

今回で言えば、CCCCQCGB規格一体どこに委託すればよいのやら?と悩まれるかもしれませんが、一つの事実としては、大体の会社は試験は中国の検査機関に委託しているということです。

例えば、日本の大手検査組織・一般社団法人 日本電気安全環境研究所(JET)も提携の中国検査機関に委託して、何か特別なことがない限り、国内で自分たちで検査をしていないと聞きました。

もう一つの大手検査組織・一般財団法人 日本品質保証機構(JQA)でも、基本的に中国検査機関へ委託しているという話があります。

別にそれ自体は悪いことでもなんでもなく、中国の試験ですので中国の検査機関に任せた方がむしろ確かだとも思います。

ただ、そこで問題なのがコントロール(工程管理)がしづらいということです。例を挙げて言うと、あるサイトではCQC試験はおよそ6か月要すると書いてありましたが、当社の技術者に確認すると、(製品に問題なければ)2か月もあれば十分に終わる、とのこと。

この事象から読み取れることは、委託したらそのまんまで後は中国検査機関に投げっぱなし。言語の問題もあるでしょうし、基本的に外部なので、特に口出しもしません。そうすると、相手も自分たちのペースで進めるのでどんどん遅くなっていきます。

一方、当社では、世界各国の製品認証試験に精通し、日本語も堪能な中国人技術者がコーディネートしますので、中国検査機関の人間と良好にコミュニケーションして、適切な進行管理を行います。

また、当方と密に連絡を取り合っていますので、依頼主の方に確認して欲しいことなどあれば迅速に報告できる体制を取っています。他の検査機関・代行会社では、このようなスピード重視のスキームにはなっていないと思います。

と手前味噌的なお話になってしまいましたが、少なくとも当社では、CCCCQCGB規格に関して他社と同じように中国検査機関に委託することになりますが、

1.依頼主の方が自らあれこれ調べる必要がないようにわかりやすい説明を重視
2
.実績ある技術者が中国検査機関とネイティブにコミュニケーションを行い、先延ばしをさせない工程管理
3
.依頼主に確認事項などがあれば迅速に報告

 

というスピード体制を築いています。
依頼をされる方は、いろいろな検査機関・代行会社を探すことになるかと思いますが、上記のように、どういう人間が・どういった体制で検査を管理しているのか、尋ねてみると良いかもしれません。

明確にメリットを答えらえれるところであれば信頼できるかもしれませんが、「検査・検査代行してあげるんだから何でもいいだろう」的な回答があれば、そこは使わない方が良いかもしれません。

是非ご参考にされてみてください。

 

海外人材とのパートナーシップ関係構築

これは輸入(日本国内認証)に関しても同じことが言えるかもしれませんが、日本人が日本を含めた世界各国で電気用品を販売する際、必要な許認可認証を日本人だけで済ませられる時代は終焉を迎えているように、個人的には感じています。

昭和30年台、40年台などの古い時代においては、日本工場で作られた電気用品をそのまま日本国内で売るというのが一般的でした。つまり日本国内で全て完結していたわけです。

最近では、例えば、日本国内で電気用品を販売するとしても、それは中国からの輸入品であったりするわけで、検査は中国でやることもあります。むしろ日本国内で作らせることは難しいこともあり、一方で、海外生産品に日本の認証を取らせる方法を悩む方は増えています。

今回の話では、中国に輸出する際は、CCCCQCGB規格が必要になり、それをスピーディーに進めるためには、日本人だけの力ではどうにもならないことを上述した通りです。

そうした際、視野を広げて海外人材とのパートナーシップ関係を築いていくことが、これからのビジネスパーソンには必要なことではないでしょうか。それは単に言葉が話せるとはまた違った話だと感じています。

 

海外進出関連の補助金をチェックしよう

日本の各省庁や各自治体などは、日本の中小企業の海外進出を積極的に支援しています。その一つが補助金です。

最近では、中小企業庁による「JAPANブランド育成支援等事業費補助金」などが出ていますし、各都道府県・各地自体でも海外進出に関する補助金の公募は多くあります。

先日も、所属する自治体の海外進出補助金に採択され、中国GB規格試験を受けられることになったお客様も当社にはいらっしゃいます。

採択の要件をお聞きすると、手前味噌ながら、見積書の内容などもすごく具体的で担当者(当方)の説明も的を射ている、ということで審査も通りやすかったようです。

補助金に関しては時期や自治体によって内容が大きく違ってくるので、現段階で必ず取得できるものとは言えませんが、検討されてみる価値はあるのではないでしょうか。また、それに関するご相談についてもお気軽にお知らせ頂ければと思います。

 

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