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体重計の輸入販売を行いたい方は、ざっくりと計量法を勉強しましょう-後編

 2020/04/26 計量法 認証の原理原則
この記事は約 11 分で読めます。 144 Views

こんにちは。管理人の堀です。

前回の記事で計量法の歴史ついて簡単にご説明させていただきました。

今回は具体的にどのようにしたら計量法の認証ができるのかについて書いていきたいと思います。

前回記事でも触れましたが、このページをご覧になっている方が計量に関する製品の輸入・販売をするとしたら、主に家庭用特定計量器(一般用体重計、乳幼児用体重計、調理用はかり)になると思います。

その理由として、家庭用特定計量器は一般小売りができ、家電量販店などのリアル店舗から、それこそAmazonのようなECサイトでも販売が可能だからです。

それ以外の計量器は、例えば、体温や心拍数を計るものであれば医療機器に該当してくる可能性もありますし、業務用の計りなどはどこで売っているのかわからないものモノも多く、最初から販路を確保していないとビジネスにならないものも存在しています。

また、重さを量るものがすべて計量法に該当するかと言えばそうではなく、計量するキログラムの範囲やその対象によって、該当有無が決まってきます。

例えば、旅行用グッズとして良く見かけるラゲッジチェッカーですが、これは計量法に抵触する基準がないので、計量法対象外です。

引用:Amazon_AMIR ラゲッジチェッカー

今回は、一般小売りが可能な計量法対象製品である、家庭用特定計量器(一般用体重計、乳幼児用体重計、調理用はかり)を取り上げ、計量法認証について説明していきます。。

なお、直接、認証とは関係ありませんが、お役立ち情報として、計量法第九条の条文をご紹介しておきます。

第九条 第二条第一項第一号に掲げる物象の状態の量の計量に使用する計量器であって非法定計量単位による目盛又は表記を付したものは、販売し、又は販売の目的で陳列してはならない。第五条第二項の政令で定める計量単位による目盛又は表記を付した計量器であって、専ら同項の政令で定める特殊の計量に使用するものとして経済産業省令で定めるもの以外のものについても、同様とする。

これは、 例えば、「インチ」の目盛表示があるメジャーや、「ポンド」の目盛表示した計量器などの販売、又は販売の目的で陳列することの禁止です。違反した場合、50万円以下の罰金に処せられます。

この辺はPSE、PSCなどと罰則の仕組みが似ていますね。

細かく見ていくと例外事項もあるようなのですが、基本的に計量法を熟知していない方は、メートル、グラム以外の計量器は販売しないようにしましょう。

そんなものそもそも売っていないと思われるかもしれませんが、例えば中国ではポンド表示は禁止されていません。

中国から知らずにポンド表示された計量器を輸入し、そのまま販売していると、罰則対象となる可能性はあるので、気を付けましょう。

今回は、家庭用特定計量器の中でも、老若男女一番なじみの深い「一般用体重計」をベースにお話しさせていただきます。

家庭用特定計量器の基準とは

経済産業省のページをそのまま引用した方が理解しやすいと思います。

家庭用特定計量器とは、主として一般消費者の生活の用に供され、目量 注1)が10 mg以上かつ目盛標識の数 注2)が100以上の非自動はかり 注3)であって、次の条件を満たすものをいいます。

 

一般用体重計
ひょう量 注4)が20 kgを超え、200 kg以下の非自動はかりであって、専ら体重の計量に使用するもの

乳幼児用体重計
ひょう量が20 kg以下の非自動はかりであって、専ら乳幼児の体重を計量するもの

調理用はかり
ひょう量が3 kg以下の非自動はかりであって、専ら調理に際して食品の質量を計量するもの

 

注1)目量:計量器に表示される最小桁の数値。最小桁が0,1,2,3,4・・・9 gと表示される場合の目量は1 gとなります。
注2)目盛標識の数:ひょう量を目量で除して、算出した数値。
注3)非自動はかり:連続的に自動計量するのではなく、静止状態で計量するはかり。
注4)ひょう量:計ることができる最大の質量。

引用:経済産業省_家庭用特定計量器の規制(法第53条~56条)_家庭用特定計量器とは

前回記事でも書いたように、計量法は、誰が行っても同じ計測結果になることを約束したものです。

例えば、体重60㎏のAさんが、Bという体重計では60㎏と表示されるのに、Cという体重計では65㎏となる、とあってはいけないのです。

一方で、調理用はかりは3kg以下までと規定されていますが、例えば、20kgまで量れる主にキッチンで使われる計量器は計量法対象外の可能性があります。

というのも、家庭用の調理で20kgを量るようなケースはほとんどなく、調理で必要となる微細なひょう量の計測には、そもそも適さないからです。こうしたものは業務用(主に厨房など)で大体の重さを量る参考用として使われるケースが大半だからです。

これは自治体の計量検定所に直接聞いた見解です。

それ以外にどのような計量器があるのか

水道、ガス、電気の使用量や、ガソリンスタンドでの給油量、食料品の計量、健康管理のための体温計、血圧計などがありますが、

例えばわかりやすいところで言うと、郵便局などで手紙の重さを量る計量器、また、精肉店で肉のグラム数を量る計量器などには検定が必要です。

理由は、重さによって料金が発生する計量器に不備があれば、使用する事業者が不正を行う可能性あるということです。

ただ、そうした計量器の測定は小売りの世界には出てこないので、このページでは詳細は割愛します。

認証手続きについて

経済産業省では、1.家庭用特定計量器を輸入する場合、2.家庭用特定計量器の販売のみを行う場合、3.家庭用特定計量器を製造する場合の3つのパターンを例示していますが、まず2.はあり得ないでしょう。

正直言って、それをやるメリットはありません。また、3.は国内で製造するパターンですが、このページをご覧になっている方は、国内で製造はしないでしょう。採算が合いません。

そうすると、1.となるのですが、1.は輸入した場合のみとなるので、もう少し詳しく書くと、1.と3.の合わせ技になります。
参考:経済産業省_家庭用特定計量器の規制(法第53条~56条)_家庭用特定計量器の規制の概要

輸入から販売までの簡単な流れは以下の通りです。

家庭用特定計量器を輸入し、販売するときは、技術基準(JIS B7613:2015)注1)に適合するようにしなければならず、販売するときまでに技術基準に適合していることを示す表示(いわゆる丸正マーク注2)をしなければなりません。

 

注1)家庭用特定計量器の技術基準は平成28年12月31日までは、JIS B7613:2008への適合が認められています。
注2)丸正マーク:下記表示のことであり、直径8㎜以上かつ製品の見えやすい箇所に表示することが必要です。

引用:経済産業省_家庭用特定計量器を輸入する場合_輸入事業者の皆様へ

「~~販売するときは、技術基準(JIS B7613:2015)に適合するようにしなければならず、~~」とは、つまり認証検査をしなければならないという意味です。

また、後述しますが、一般用体重計などには通称:丸正マークを表示しないといけません。

丸正マーク

この辺はPSE、PSCなどと一緒です。

さらに、中国(海外)工場で生産することになりますので、
計量器を生産する際の注意点として、

家庭用特定計量器を製造する場合は、あらかじめ、主たる工場又は事業場の所在地を管轄する都道府県を経由して経済産業大臣に届出を行うことが必要です。詳細は、所在地を管轄する都道府県へお問い合わせください。所在地の管轄する都道府県の連絡先は、計量検定所等一覧(都道府県)で確認できます。
引用:経済産業省_家庭用特定計量器を製造する場合_製造の届出について

をする必要があります。

また、諸々の計量法違反に対する罰則として、

・製造事業の届け出を行わなかった者:30万円以下の罰金
・改善命令に違反した者:50万円以下の罰金
・丸正マークを表示せず販売した者:50万円以下の罰金

がありますので、ご注意ください。

検査内容

先述した「JIS B7613:2015」で検索すれば、検査内容などが表示されます。

ただ、これを全部読み込んだとしても、さらにそれを検査機関にやらせないといけませんので、事業者が一から十まで理解するのはあまり意味がありません。

ここでは代表的な事項を少しだけご紹介します。

体重計などの計量器で一番大事なのは、どのような状況であっても正確に重さを表示することです。

一般用体重計では、規定されている最大200kgクラスの重りを数千回ベースで、ズドーン、ズドーンと計量します。

それを繰り返しても、正しい重さが表示されるかどうかを検査するのです。

ちなみに、デジタル表示の一般用体重計では、0kg~65kgまでの計量範囲の許容誤差は±200gまで、65kg以上の許容誤差は±300gまでとなっています。

これってかなりすごいことで、例えば、100kgで±300gと言えば、0.3%の誤差しかありません。

一度、中国の体重計メーカーの認証をした際に、誤差が2~3%ありましたので、どれだけ緩い基準で作っているのか、日本の計量法の正確さを知る良い機会でした。

検査費用

JIS B7613:2015で検査内容を見ていただければわかるのですが、その種類は大変多岐にわたり、またそれぞれに検査設備が必要となり、当社が知る限り、日本国内の検査機関では一か所だけでは対応がしきれません。

複数の検査機関をまたぐことになり、その費用も100万円はゆうに超えるでしょう。お疑いの方はお調べいただいても構いません。そのくらいに計量法認証はハードルが高くあるのです。

また費用以外においても、複数の検査機関をうまく使いこなす技術力がある会社は、ほとんど存在しないのではないでしょうか。

一方で、健康機器メーカーなどはどのように検査をしているかというと、聞いた情報から分析すると、自社で検査機関を抱えているそうで、そこに必要なノウハウや設備などを蓄積しているとのこと。

結局、健康機器メーカーが大手しかいない理由として、大手でないと検査ができないという状況があるのです。

しかし、当社では、中国で計量法認証に関するノウハウを有しており、実際に個人レベルのお客様の認証を行ったことがあります。その費用もかなりリーズナブルになっていますので、ご興味ある方はお問い合わせいただければと思います。

結局のところ、このページの内容もインターネットで集めてくれば、大体はまとめることもできるのですが、最終的にどのように検査機関に話を持って行けばよいかわからず、最終的に当社へのご相談となるケースがほとんどです。

丸正マークなどの表示について

家庭用特定計量器の表示は大変厳しく、本体には、輸入事業者名(販売事業者名)、製品名称と型式、製造番号、製造年、計量範囲及び目量、電池の種類および個数、窓口の連絡先(電話番号、メールアドレス、住所)、丸正マークの表示が必要です。

少し古いですが、事務所にある体重計の写真です。

電池の表示についてはまた別の所に記載されています。

こうした表示を包装箱や取扱説明書にも記載する必要があり、大変厳重な取り扱いになっています。

認証後の流れについて

こちらも経産省のページを引用します。

家庭用特定計量器の輸入を行った事業者は、前年度の輸入総数(種類、主な輸入国を含む)を翌年度の4月30日までに主たる事業場の所在地を管轄する都道府県知事宛てに報告しなければなりません。詳細は所在地を管轄する都道府県にお問い合わせ下さい。所在地の所管する都道府県の連絡先は、計量検定所等一覧(都道府県)で確認できます
引用:経済産業省_家庭用特定計量器を輸入する場合_輸入事業者の皆様へ

販売した後も報告が必要とはどれだけ厳しい法律なんだろうという感じですが、それだけガチガチな世界なのですが、その反面、正規の手続きを経てここに参入できれば大きなビジネスチャンスともいえるでしょう。

加えて、家庭用特定計量器についても、PSE、PSCなどと同じように、経済産業省による流通後検査(試買テスト)がありますので、正式な手続きを踏んでいない製品は、発見されて罰則を受ける可能性があります。

また、Amazonなどで中国事業者が体重計を売っているのを散見しますが、間違いなく違法でしょう。中国事業者がどうやっても計量法クリアできないでしょうから。

正直、計量法に参入される事業者の方は多くはないでしょうが、少なくとも計量法という国の制度は知っておいていただいていただきたいと思いましたし、気になる方は直接お問い合わせいただいても構いません。

今までは一部の事業者に独占されていた世界ですが、いずれそうした部分も参入業者が増えてくるのではないかと考えています。

計量の世界はこのページでは書ききれないくらいに奥深いですが、あくまで家庭用特定計量器の販売を行う事業者の方に向けて、認証に必要なための最低限の情報として書きました。

この内容が、家庭用特定計量器の認証を行う際の参考になれば幸いです。

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