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今年は認証を行ってみたいと思っている方へ、PSEマーク、PSC、電波法など、2021年の認証ビジネスの動向を認証代行会社の視点で勝手に予測

 2021/01/01 PSC PSE コラム 中国ビジネス 事例 認証の原理原則 電波法
この記事は約 9 分で読めます。 1,766 Views

こんにちは。管理人の堀です。

前回は2020年の認証ビジネスの状況を認証代行会社の視点で振り返りましたが、今回はこれまた同じ視点で、2021年の認証ビジネスの動向を個人的に予測したいと思います。

PSEマーク、PSC、電波法など、今年一年の認証ビジネスの状況を認証代行会社の視点で振り返る

ただ、個人的な見解と言いつつも、実際に認証を進めているお客様、既に終了されているお客様、現在お問い合わせ頂いているお客様、また業界関係者の方などの生の声を聞いた中での話なので、それなりにリアルな話になるのではとも感じています。

自身が考える来年の傾向を一言で表すと、「認証の民主化1年目」です。

「認証の民主化」は当社ホームページの会社案内でも表現していることですが、これまで「(日本の)許認可認証」はかなり閉ざされた世界であり、本当に一部の大手企業・中堅企業のものであり、認証を請け負う検査機関もそうした関係性のものとで成り立っていました。

しかし、今後はビジネスの発展の為に許認可認証をしたいと考える事業者の裾野・数がともに増加していく中で、受け皿となる検査機関(検査する側)においても事業者へのわかりやすい説明が求められていく、ということです。

その一方で、当社では検査機関側はそうした状況に対応しきれていないとも感じており、手前味噌なのですが、当社のような認証代行会社の存在が益々必要とされてくるのではないかと考えています。

検査機関が十分に動けない理由として、もちろん組織の慣習・体制などもあるのですが、根本的には関連省庁の法制度に問題があります。簡単に言うと、検査機関が自由に行動できないような法律になってしまっているのです。

今後そうした法律はどのようになるかわかりませんが、現時点ではそのように出来上がってしまっているので、それに対してあまり言及しても仕方なく、認証を行いたい事業者は自社の認証が有利に進められる情報を手にしていくことが一番の近道だと感じています。

 

(日本の)検査機関による顧客の取り合いが進み始める

要因は大きく3つあると思います。

今まで固定客だった大手企業からの案件数が徐々に減少していく

東芝やシャープなどを代表するように、日本の大手家電メーカーの凋落が始まり、それに付随してこれまでの取扱い品目縮小などにより、徐々に国内の検査機関の利用も減ってきているという話も聞いたことがあります。

 

生産の多くは中国などの海外工場で行われている

また、大手企業も中小企業も、生産は中国工場で行っているということは大変多くあります。特に中小企業でも、中国工場で生産させるリソース(環境)を持つことが容易になり始め、日本で生産するということがどんどん非現実的な状況になり始めています。

つまり、(もちろん条件次第ではありますが)必ずしもPSE、電波法などの認証を日本の検査機関に委託せず、そのまま生産国に所在している検査機関を使えばよい、という機運は高まってくると思われます。

となると、中国・台湾などの検査機関を普通に利用できるということが、事業者として必要なノウハウになってくるであろうと当社では確信しています。

 

海外(中国)の検査機関のフットワークの良さで日本の検査機関が敬遠される!?

これは完全に当社実績のみでの推論となりますが、中国の検査機関のレベルもすごく上がってきていますし、例えば中国など海外生産したものはそのまま当該国内で検査した方が早く済む、という認識が生まれ始めています。

今までは中国などの海外検査機関とは、言語的な問題でやり取りができていなかっただけで、当社のように中国語などでやり取りができる代行会社が出てくると、また話が変わってきます。

また、PSE特定電気用品のように生産工場検査が必要な認証で、生産工場が中国となると日本の検査機関には海外出張をしてもらうことになりますが、現在、コロナウィルスによる海外渡航禁止で日本の検査機関は動くことができません。

そうした仕事はすべて中国のCQCなどに持っていかれることになるでしょうし、経済産業省はリモート検査も認めていますが、日本の検査機関はそれに対して及び腰です。一方で、CQCなどはキッチリと規定を守ったうえでやれば問題ないということで、リモート検査にも積極的に挑んでいます。

リモート検査の是非の問題はあると思いますが、やっぱりこうしたフットワークの良さは、認証を依頼する事業者にとって頼もしい存在になるでしょう。

上記をまとめると、どんどん日本の(国内にある)検査機関の活躍の場が失われていき、他方で顧客を取り合う状況が生まれてくるのではないかと考えています。

 

海外の(認証が必要な)イノベーティブ製品を導入したスタートアップ企業が増える

以前に当社事例としてお伝えさせていただいた株式会社mobby ride様のように、海外のイノベーティブ製品を導入して、それを活用したサービスを行う企業は増えてくると思います。

日本での実用化に向けた動きが進む電動キックボードのPSE、電波法認証を2年連続で対応

古くからタイムマシーン経営という言葉あるように、日本で考えたビジネスを展開するのではなく、海外で流行ったものをそのまま日本に導入するという経営の方法がありますが、まさに製品を軸にしたタイムマシーン経営が今後も増えていくことでしょう。

ただ、製品は最新のテクノロジーを結集させたものになりますので、メーカー(生産工場)はその技術流出に対しては神経をとがらせることになり、技術資料の提出を求められる認証という行為にはかなり慎重に臨むことになるでしょう。

当社では、技術資料を扱う(海外の)検査機関とメーカーのNDA(秘密保持契約)締結の仲介も出来ますので、技術流出の問題にも対応することが可能です。

 

海外勢による日本市場攻略のための日本の許認可認証需要が高まる

これは当社の経験値による話ですが、現在、中国や韓国、台湾などの会社の日本語ができる担当者から、日本のPSEを取りたい、JISを取りたい、電波法を取りたいという依頼が大変増えています。

当社の立場から言うと、取引相手先国が日本企業であろうと海外企業であろうと、同じ費用を負担してくださるのであれば、同じお客様であります。

そもそも許認可認証というのは、各国が自国内企業を保護するという意味もあり、一部の日本の許認可においても日本法人でしか申請できないという状況だったのですが、最近では、そうした海外企業に名義貸しをするなどの日本企業も増えてきています。

もちろん、それでちゃんと試験をしたものが流通するのであれば、国内ユーザーの安全性が担保されるわけなので、それ以上文句が出る話はありません。

生産性が低いなどいろいろ言われている日本でありますが、それでもまだまだGDP世界3位を誇る超大国であり、その市場を狙う海外企業も数多くいるのです。

日本企業もいつまでも日本市場は自分たちだけで独占できる市場であると思わない方が良いかもしれません。

 

こういうご時世だからこそ認証製品を扱うことで事業拡大を狙う中小企業が増加

これは前回に、今年の振り返りでも書きましたが、そっくりそのまま来年の傾向にも当てはまると考えています。

コロナウィルスの影響は以前まだ大きく残っており、中小・中堅企業などは今までのビジネスモデルだけでは生き残れない状態が色濃くなり、新しいビジネスモデルを模索する必要に迫られています。

また、一方で現在まだサラリーマンなどの方においても、企業での雇用継続が難しいパターンが多くなってきている中で、副業で物販などを始める人も、今後更に増えていくことになるでしょう。

そうした際に、参入障壁が低い商品を扱っていたらいつまでも他者と差別化できないということで、基本的に許認可認証等の商品を扱うことを早々に検討する方もいらっしゃるかもしれません。

他方で、現在、それなりに販売実績がある事業者の方でも、ライバルが増える市場の中で、一歩ステージを上げるためにも許認可認証に積極的に取り組む事業者が増えてくることでしょう。

 

認証の仕組みや進行状況を説明できる・連絡する認証代行会社の存在が重要になる

最後は当社のポジショントーク的な内容ですが、これまで述べたように認証する・したい企業は増加し、認証の受け皿となる検査機関もそれを望んでいます。

しかし、現段階において絶望的な状況が一つあります。

それは、検査機関は事業者に対して検査手順・内容などを事細かに説明できないということです。

良いか悪いかは別として、公平性を期すために検査機関は検査内容や必要書類などの説明を十分に行ってはいけないことになっているのです。先ほども書いたように、現在の法律ではそのように定まっているのです。

さらに、現状では、各認証において必要な手続き、必要な技術資料などについてまとまっているウェブサイト、またはそれを説明できる会社などの存在がとても少ない状態です。

なので、当社のように自社の事例などとともにしっかりと認証の最初から最後まで行えるノウハウがある代行会社の存在が必要になってきていると感じています。

以上が、今年の認証ビジネスの予測であり、そうした状況下において、当社では少しでもお客様のお役立てできるよう、より一層の精進に努めたいと考えている次第です。

まずは不明点等ございましたら、お気軽にお問い合わせいただければと思います。

 

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