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ついにAmazon出品する違法中国(海外)セラーへの対策開始!経済産業省がPSE(電気用品安全法)などの製品安全法改正を決定

 2024/10/14 PSC PSE 中国輸入 日本国内ビジネス 時事ネタ 経営の原理原則 認証の原理原則
この記事は約 9 分で読めます。 28 Views

こんにちは。管理人の堀です。

今回のお話は、PSEなどの認証の仕事に長く携わってきた自分としてはまさしくついに!という内容です。

当方が許認可認証の仕事を初めて、さらに自身でも電化製品(PSE)、レーザー製品(PSC)をAmazonなどのECで扱っていて、どれだけ違法の中国(海外)セラーに出くわしたことでしょうか。

なんにせよ相手は人数が多いですので、家電品などのカテゴリーに行ってみると、うじゃうじゃ出品がされているのですが、事業者(出品者)名を見ると、どれもこれも発音の仕方もよくわからない英語表示ばかり。つまるところ、中国の名称、地名です。

それでいて、違法と思しき商品を試しに購入してみると、やはりPSE、PSCなどのマークが表示されていない違法品だらけ。ECサイト上の1部分という局所的であるとは理解しつつも、日本の市場が海外セラーの違法品で駆逐されてしまうのではという懸念はずっと持っていました。

そもそもなぜそのような事態が発生するかというと、それを取り締まる法律の整備が追い付いていないというのが主たる理由だと考えています。もちろん、経済産業省なども取り締まりは強めていましたし、ECサイト各社には協力の要請を行っていたことも知っています。

しかし、取締りをする為の核とした法律がないと、なかなか厳しい取り締まりは難しい側面があるのか、そうして月日が流れる中で、とうとう今回の改正に至ったようです。

実際の法律施行は来年末のようですし、まだ整備段階なのか個人的には内容が不十分ではないかと感じていることも否めませんが、まずは第一歩の前進として前向きに考えていきたくあり、現段階での情報をお伝えしていきたいと思います。

 

そもそもECサイト側には違法者を取り締まる義務はない

このメディアでもお伝えしたことはあるかもしれませんが、PSE(電気用品安全法)、PSC(消費生活用製品安全法)などの製品安全法において、罰則を受けるのは販売者となります。

ここでいう「販売者」というのは、商品を実際に売っているメーカー(事業者)が該当し、店舗やECサイト(プラットフォーム)を提供している側は該当しません。

簡単に言うと、家電量販店Aで違法品Bが売られていたとしても、罰則対象になるのは販売メーカー(事業者)Cということになります。

良いか悪いかはおいておき、現状の法律ではそのようになっています。

ただ、家電量販店や百貨店、各種専門店などのいわゆるリアル流通業では、仕入れバイヤーが存在しており、通常その人たちが相応の法律的知識を有しているものなので、認証していない商品を卸そうとする事業者がいれば商談時点でハネてしまうことが大半です。

しかし、ECサイトになると、ネットの申請だけで出品が出来てしまったり、ECサイト側で認証に関する知識・経験がある人材は少ないですので、仮に違法であってもそのまま出品できてしまうこともあります。

特に、海外事業者など他国の法律などお構いなしでどんどん出品してくるようになると、なかなか防ぎようがないのも実情です。

電気用品安全法など製品安全法はいずれも法律制定が古く、海外事業者がECサイトで直接電化製品を販売するといういわばドラえもんのような未来世界が到来するとは、制定当時は夢想だにしていなかったでしょう。

いずれにしても、取り締まる法律がなく、経済産業省側は協力依頼をするという形で対応をしていました。

 

AmazonやMakuakeなどを中心にECサイト側も自浄対応を実施

一方、ECサイト側としても、(自分たち経由で)違法品を販売しても罰則がないとして、自分たちが幇助していることには変わりなく、また自分たちのECサイトが違法品ばかりになってしまったら、自分たちのコンプライアンス上良くないのは間違いありません。

あのサイト違法品ばかりだぜ!

 

といううわさが広まれば、ビジネスとしてもよろしくないわけで、ECサイト各社でもかなりの自浄作用が行われていました。その点などについては下記の記事なども参考にしてください。

クラウドファンディングのプラットフォーム企業様と、PSE、PSC、電波法(技適)など許認可代行事業で提携します

現在急増中!?AmazonのPSE出品規制の対応方法虎の巻

 

消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律の概要

そうした背景がある中での法改正なのですが、大まかな概要は経産省資料などから引用したいと思います。

引用:経済産業省資料_消費生活用製品安全法等の一部を 改正する法律の概要

 

簡単に要約すると、本ページで上述してきたように、製品安全4法(読者の皆さんの関係が深いのはPSE(電気用品安全法)、PSC(消費生活用製品安全法))において、海外事業者がPDF(デジタルプラットフォーム、要するに他社運営でのECサイト)でダイレクトに販売している状況があります。

同法に該当する製品においては、法律に則った製品試験を行い、その安全性を確認した後、製品にPSマークとともに(輸入)事業者名を表示して販売する必要があるが、それが実施されていない状況が横行している現状があります。

それに対して、「国内管理人」なるものを設置して、どの海外事業者が販売を行っているかを管理させられるように法改正を行うという内容です。

さらに、このように法制度化することで、ECサイト側としても、違法かどうか判別しづらい海外事業者に対しても注意勧告、および出品削除などがしやすい体制を築いているのではないかと個人的には思料しています。

まだ骨子案の段階らしいので、この後どのように肉付けされていくのかわからず、今後の展開を待つしかありませんが、長年の懸案がようやく一歩前進したのだという印象を受けています。

 

個人的な見解

一方、これまで様々な違反事例を見てきている立場から言うと、海外事業者に対して、一部の日本法人が手を貸しているのか、ペーパーカンパニーのような会社(日本法人)が輸入事業者として届出をしている事例も多数あり、正直もう少し踏み込む必要があるのではないかと感じています。

実際に事業届けをしているかは不明ですが、商品には日本法人名で輸入事業者名が記載されているケースを散見してきました。

そうした現状がある中で、

<国内管理人の要件(案)>
・日本国内に住所を有すること
・日本語での意思疎通が容易にできること
・関係法令の規定を遵守するものであること
・消安法の規定により主務大臣が行う処分の通知等を受領する権限を付与されていることのほか、必要な事項を定めた契約関係にあることなど

 

というのは現段階では抜け穴だらけのような印象を受けてしまいます。もう少し具体的な案が固まるのを待ちたいと思います。

ここは本当に個人的な意見ですが、これは政府や経産省の方針が大きく出るところだと思います。

仮に、正直、日本の税制にもほとんど貢献しないであろう海外セラーを追い出してしまいたいと考えるのであれば、海外セラーのDPFは出品禁止という措置にしたり、もしくは税金をしっかりとれる体制を築くことも一つの案であるとは思います。

海外セラーに寛容になるのはよいのですが、エンドユーザーに特に危害が及ぶようなこともない一般品であればよいとしても、簡単に言えばその危険性がある商品については、それなりに厳しくしておかないと迷惑を被るのはユーザーです。

そうした意味も含めて、結局どのようになるのか経産省の具体的な案を待ちたくあります。

 

ライバルが減るのは事実ですが、その分自社の努力もさらに求められる

上記の見解のように、正直、本当にすぐに海外違法業者の数が減るのかまだわからない部分も多いですが、いずれにしても、経産省が法律を改正してそこに乗り込んで来ようとする動きがあるということは把握しておいた方が良いと思います。

その際に、

やったー!ライバルが減る!

 

という考えは間違えではありませんが、それはちゃんとPSEやPSCなどの製品安全法を順守して、製品テスト、事業届などをキチンと履行している事業者のみが言える話です。

下記ページでも書いたような違法品業者・F氏のような人間の場合でも、他社が違法品で取締りにあったとしても、自社でも違法品販売をしていたのであれば同じ穴の狢(むじな)となってしまいます。

経済産業省のPSE違反に対する取り調べはかなり厳格なので甘く見ないほうが良いですよ、無知は罪です

 

またそもそもとして、経済産業省が取り締まりを強めているわけなので、(違法)ライバルが減ればその分、自分がさらに目立つわけなので、そこでちゃんと認証が出来ていないということになれば、罰則を受ける可能性も高まるのは自明の理となります。

海外電気用品の輸入でPSE違反している人はご注意!今後経済産業省の取り締まりが強化されます

 

なんにしても法律が存在する分野であるのであれば、そこはきちんとクリアするのがビジネスの鉄則であるという、最後はポジショントークのような締め方になってしまいましたが、やはりそれは原理原則のお話しだとご理解ください。

PSEなどの製品安全法の商品を扱うかどうかは、それなりの法律も含めてさまざまな知識が必要ですので、その点はこのメディアでも学んでいただければと思います。

製品安全法の改正について情報があれば続報をお伝えしていきます。

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  • 経済産業省のPSE違反に対する取り調べはかなり厳格なので甘く見ないほうが良いですよ、無知は罪です

  • 世の中違法だらけなので、自社で電気サウナバスのPSE認証を行いました!

  • ACアダプター(直流電源装置)のPSE手続きを甘く見ていると大変なことになりますよ

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