PSE、電波法、PSCその他諸々許認可認証でのセカンドオピニオン選びは慎重に
こんにちは。管理人の堀です。
当社にご連絡いただくお客様の中に、
「PSE(電気用品安全法)に関して、日本で一番有名な電気用品の検査機関であるJET(一般財団法人 電気安全環境研究所)に問い合わせをしたんだけど、全く親身に対応してくれない、それどころか途中で連絡が来なくなった」「JETの態度が横柄で、絶対にあそことは仕事したくない」
などという方が少なくありません。
これは決して、JETをディスっているわけではなく、お客さんから寄せられた内容をそのまま書いています。当社としては、だからこそ当社に依頼・ご相談があるわけなので、ある意味で、JET様様であることは間違いありません。
JETとしても、正直、PSE認証のことをちゃんとわかっていない新規客に対して、イチから説明するのは大変でしょうし、公平中立の第三者機関であるべき立場からすると、一人の人間に対して細かくアドバイスできないのも事実です。
検査に慣れている大手・中堅メーカーをメインに相手していた方がJETも仕事がやりやすいのでしょう。初心者を丁寧に相手して客層を広げるというのがビジネスの世界では一般的ですが、行政法人という仕組み上それを望むべくはありません。
繰り返しになりますが、だからこそ、当社のように手厚くアドバイスをする・できる会社が求められるのです。
一方、当社は、PSEをはじめ認証に関する法解釈に絶対の自信がありますし、わからなければ経済産業省などの管轄省庁などに正確に確認できるノウハウもあります。しかし、その業務の為に何か特殊な資格などを有しているわけでもありません。
当社のアドバイスに対して100%近く同意しながら、たまたま連絡を取った電気用品安全法に詳しい行政書士の方などから、全然違う法解釈を告げられると不安になって当社に再度問い合わせしてくる方もいらっしゃいます。
お客さんの対応としては至極当然だと思うのですが、如何せん、許認可認証の分野に関して言うと、セカンドオピニオン的に入る法曹家の方々の法解釈が悉くズレていると感じることが多々あります。
今回は、そうした事例やご自身で各管轄省庁や各行政機関に問い合わせをする際にどういった点に気を付けるべきなのか、許認可認証に関するセカンドオピニオンの選び方のポイントなどをお伝えしたいと思います。
Contents
各管轄省庁や各行政機関への問い合わせ方
回答をしてくれる機関を探し当てる
まずそもそもとして、各管轄省庁や各行政機関は自分たちの領域のみの回答しかしてくれません。例えば、PSE(電気用品安全法)における銘板(ラベル)表示において「略称表示」というものがありますが、これは経済産業省の本省が管轄です。
銘板表示そのものは経済産業”局”でも取り扱っていて、いろいろ回答してくれるので、「略称表示」だってその一部なので回答はできるはずなのに、それになると途端に「本省に連絡してください」と一点張りになります。
引用:経済産業省_電気用品安全法_届出・手続きの流れ_表示 (赤枠は筆者)
こうした際に怒るのは無駄ですし、下手にクレーマー扱いされたら、今後別の件で連絡した際に質問しづらくなる可能性もあるので、その旨了解しどこに連絡すればよいか、出来れば連絡先も併せて聞いて速やかに電話を切るようにしましょう。
自身が調べたい・確認したい領域について、一回で回答先に行き着くことは稀で、何件かたらい回しにされるくらいが当たり前にくらいに思っていると腹も立ちません。私自身、先日、これまでに取り扱っていない分野について電話をしていたら、行政機関を5件くらいたらい回しにされました。
自分で答えを持って突っ込んで聞く
当社にちょくちょくいただく質問内容。
行政機関に対して質問してみたら、○○という回答があったのですがどうですか?
明らかにそれはおかしいと思って、代わりにあらためてそこに確認してみると、実は△△という答え。当社想定通り。こういうことがあります。
その回答にお客さんは驚くのですが、結局は聞き方の問題。行政機関の人のマインドなのか組織のルールなのかよくわかりませんが、もちろん、全員ではないと思いますが、基本的に聞かれたことに答えるスタンスが行政機関流。
なので聞き方を間違えると答えも変なものに。その分野の専門家なら質問の仕方がわかっているので、行政機関の人もすらすら答えてくれますが、素人が質問すると会話にならず、一向に進みません。決して、分かっていない人をコンサルするようなことはないのです。
ひとつの事象についても例外規定や補足事項なども沢山あったりするので、質問内容をまとめておくのと、会話の最中に出てきた疑問はその場で何度も念押しして聞くことが重要です。
良くも悪くても行政機関の回答方法はそのようなものであると事前に認識してガチで臨みましょう。ちょっと教えてください的に質問しても、自分が欲しい正しい認識での回答に辿り着かない可能性は高いです。
しかし、それも難しそうであると判断されたなら、当社のような代行会社(専門家)に早めに相談してみてください。いずれにしても、間違ったまま進んで後から大変、ということにならないようにしましょう。
許認可認証の法解釈は法曹家より実務家の方が当てになる
またいつものポジショントークのようになりますが、上述した許認可認証における法解釈については、現場での実践経験が豊富な当社のような専門家に相談するようにしましょう。ハッキリ言って、条文をなぞっているだけの法曹家は役に立ちません。
先日の案件ですが、電気用品のPSE許認可認証を差し上げたお客様が、管轄省庁の経済産業省や、商品出品先のAmazonとの確認調整に困難されており、認証後にも追加アドバイスをしていました。
特にAmazonからはPSEの法解釈上の問題で出品拒否に遭い、大変困っていらっしゃるところに、経済産業省に確認して正しい法解釈の案文を作成差し上げたところ、お客様がその内容をそのままコピペでAmazonに回答して何事もなく通過、無事出品完了!
お客様からは泣きながら感謝頂いたのですが、よくよくお話を聞いていると、セカンドオピニオンとして電気の法律に詳しいらしい法曹家を雇っていたらしいのですが、その方の言っていたことが全部的外れでビックリしました。
さらに、Amazonは通ったのに、さらに念の為、別の試験をしておいた方が良いという、これまた明後日の方向の提案があったとか。
もちろん、試験をすること自体は悪いことではないですが、それがやらないと販売そのものが出来ない強制認証(試験)なのか、製品の品質は担保する材料の一つになるがやってもやらなくても法的には問題ない任意認証なのか、そこをちゃんと説明する必要があります。
こと電気用品などのプロダクトの許認可認証に関する法律は、開発・認証技術者や現場担当向けの内容も多く、条文なぞっているだけだと解釈を間違うこともあります。
省庁のスタンスとして、法律の枠組みから逸脱していなければ問題ないという解釈が多く、当社はそれを理解してアドバイスしていますが、法曹家の方々は法律に当てはめようとしたり、管轄省庁に勝手に忖度するようなアドバイスをしてきます。
爪痕を残したいと考えているのか、いろいろ言うのは結構なのですが、的を得ていないとお客さんがかえって混乱してしまいます。悪気はないのでしょうが、ビジネスですから無知は罪であるという認識は持っておいていただきたいものです。
その方の話を聞いていたら、無駄な検査を一個増やすところだったわけで、それを防げただけでも良い仕事をしたかなと、自画自賛しています。
許認可認証に関するセカンドオピニオンの選び方
本当に何度もポジショントークで恐縮ですが、セカンドオピニオンを選ぶとしたら、当社のような独立系の代行会社(専門家)を雇うのが一番良いでしょう。そして、お客様―当社―管轄省庁・行政機関という3部体制スキームが進めやすいです。
要するに、お客様から頂く質問あれば、当社で回答したり、必要に応じて省庁などに質問して法律上の正式見解をもらうようにします。質問の代行も行います。
上述したように率直なところ、多少法律を知っていても現場経験が無さすぎる方はあまり役に立ちませんし、代行会社(専門家)であったとしても、例えば、管轄省庁・行政機関の御用機関であると、様々な見解が行政寄りになるので仕事を進めづらいということもあります。
これもディスっているわけではなく、実際に当社のお客様が仰っていたことです。
言うなれば、お客様は認証のことが本当によくわからない状態ですがそれでも進めていかなければならないわけで、それを一緒に進めていこうというマインド・スタンス・ノウハウを持っていることが、許認可認証のセカンドオピニオンとして必要だと考えています。
すぐにブレーキを踏もうとするのではなく、一緒に進めようとしている、そういった視点でセカンドオピニオン(代行会社)を選んでみてはいかがでしょうか?
INSIGHT WORKSホームページからメールでのお問い合わせ
認証ビジネスについて学びたいなら最新情報をキャッチ
無料メルマガ「認証の原理原則」に登録!
数々の認証を経験・成功させてきた堀雄太が認証ビジネスに軸にして、中国・日本における新規認証ビジネスの構築の仕方や、中国ビジネスなどを紹介しています。
初めて認証に取り組みたい方へのお役立ち情報や、自身で依頼主様の認証サポートを行いたい方に向けてセミナーや勉強会なども予定しておりそうした情報をいち早く告知させていただきます。
2020年8月21日(金)より毎週1回配信!