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【認証Q&A⑨】電波法技適の対象範囲、認証有無の確認方法などについてお答えします

 2020/05/24 PSC PSE Q&A 事例 認証の原理原則 電波法
この記事は約 9 分で読めます。 4,029 Views

こんにちは。管理人の堀です。

当社へのご質問で多いのは、「○○」という特定の条件下において、認証(既に取得済みの場合は追加認証)が必要ですか?という内容です。

基本的にお客様は出来る限り認証にお金は支払いたくない、と思われるのは当然のことですし、当社ではインターネットで検索したらすぐに出てくるようなことを漠然とご質問には基本的にお答えしていません。

しかし、一方で、基本的に認証は行うつもりでいるが、ベースとなる認証以外に追加の認証が発生するかどうか知りたいというお客様は多くいらっしゃいます。

たしかに一つの認証は他社とも差別化をする意味で必要性を感じるが、追加で何個も何個も認証していたら、予算がなくなってしまうというのも切実な声だと思います。

そういったギリギリの法解釈の話はなかなかネット上でも見つかりません。インターネットの特性上、一回書いてしまうとずっとそれが残りますので、下手なことは書けないということもあるでしょうし、個別の問題だからあえて載せる必要はないと思っているのかもしれません。

ただ、一つの声があればその裏側には数多くの同意見を持つ人がいると思うので、このサイトでは当社事例と関係省庁のページを隈なく調べた知見を書いています。

電波法認証に関するQ&Aは総務省やTELEC(テレック)のページにも書いてありますが、当社ページにはお客様の直接の声を記載していますので、よりリアルな内容になっているかと思います。
総務省
TELEC

認証業務を行う上でご参考いただければと思うのですが、あくまで当社サイトは参考意見でしかなく、正確に言質を求めたい場合は、関係省庁に連絡するなどしてください。

当社の話は関係省庁に尋ねる際の話のきっかけにはなるかもしれませんが、認証有無を決定できるものではありませんし、最終的な責任は負いませんので、その点はあらかじめご認識ください。

対象機器(本体)は複数ありますが認証は一台のリモコンでOKですか?

これはよくあるご質問です。無線で操作する対象機器(本体)がカラーバリエーションなど複数ある場合でも、製品機能が同一であればそれを操作するリモコンの電波法認証は1回で済ませることができます。

但し、例えば、カラーバリエーションごとに型番も変更している際は、念の為、事前に検査機関などに相談しておいた方が良いでしょう。

通常であれば、同一機能であれば型番をまとめて登録してしまえば済む話ですが、検査機関によっては複数の認証を要求したり、型番登録料を別途要求してくるかもしれません。

そういう視点で、トータルコストを考えながら検査機関や代行会社を探してみていただければと思います。

 

工場から電波法認証していると言われたけど確認の方法がわかりません?

一番手っ取り早いのは工場から電波法認証の証明書を提供してもらうことです。

電波法はPSEなどと違い、例えばPSE特定電気用品の証明書副本を保管するなどの義務はなく、証明書自体を入手しなくても構いません。要は、該当製品が実際に電波法認証されているかどうかだけを確認しておけば良いのです。

工場にはPDFで証明書を見せてもらってください。

ただし、その証明書自体が本物であるかどうか、それに対して不安があるようでしたら、以前に紹介したことのある総務省の「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」というページで、電波法番号を入力してみてください。


参考:技術基準適合証明等を受けた機器の検索

番号の入れ方がわかりづらいですが、Rマーク以下の9桁の番号を

○○○-○○○○○○

という形式で入力してください。ハイフンを忘れないようご注意ください。ちなみに、最初の3桁は登録検査機関に割り振られた番号です。

総務省の下記のページで確認できます。なお、最初の3桁の番号が総務省ページで確認ができなかったり、総務省ページに記載された登録機関番号と提供された証明書に記載されている検査機関名に相違ある際は、証明書が偽物の可能性もあるのでその辺は注意してみてください。

国内検査機関の一部

海外検査機関の一部

引用:総務省_電波法利用ページ_制度の概要(登録証明機関一覧)

 

工場が所有していた古い証明書を提供されましたが、そのまま使えますか?

電波法認証(工事設計認証)の証明書であれば、基本的に電波法証明に期限はないのでそのまま使えます。

ただ、その証明書(の内容)と製品が一致しているかどうかは、上記の電波法機器検索で証明書とその検査レポートを確認してみてください。

PSCに関して、基本的に有効期限は3年ですので、その日付から遡って、今現在それが使えるかどうか確認してみてください。(厳密に言えば、PSCの輸入事業者は、届け出時の事業者のみが適応されますが、便宜上の回答としてご認識ください)

PSEの有効期限は5年ですので、同様に、その日付から遡って、現状でそれが使えるか確認されてみてください。また、PSEの検査基準などはアップデートされている場合があるので、まずは専門機関などに有料でも良いので確認を出した方が、後々のことを考えると無難かと思います。

当社でも、確認作業は行っており、なるべくスピーディーにご回答するので、よろしければお問い合わせ頂ければと思います。

 

任意認証はやる必要がありますか?

法律的観点から言うと確かに必須ではありません。

例えば、電磁波に関するVCCI、トップランナー制度に関する省エネ法(経済産業省管轄)、一般財団法人 製品安全協会のSGマークは様々な製品に付されています、また一般社団法人 自転車協会のBAA(自転車安全基準)というものもあります。

認証代行をやっている立場の人間からこのようなことを言うのも変なのですが、いわゆる協会モノの認証に関しては、確かに消費者保護を謳ったもので一見重要のように感じますが、その取得はポジショントークのようにも感じてしまいます。

本当に必要なものであれば経済産業省や総務省がPSE、PSC、計量法、電波法など、厚生労働省が医療機器、食品衛生法など、強制認証として取得を義務付けるわけなので、そうではない任意認証が絶対に必要かと言われると、当社としては首を傾げるところもあります。

但し、認証をするかどうかは事業者の都合であり、実際にそれらの商品を購入するかはあくまで消費者の判断に委ねられます。仮に同じような商品が並んでいる中で、認証しているものとそうでないものが並んでいれば、少しでも詳しい消費者であれば認証をしているものを選ぶのは当然の成り行きでしょう。

認証していない分安いとしても、それがどこまで安全性などを担保しているか、認証しないまでも何か実証できるものが無ければ、現実問題として競争優位性から脱落してしまいます。

そういう場合、小売り用なのか(使えさえすればよい)業務用なのか、用途でも変わってくると思います。

一方で、任意認証の対象になっているものを海外からそのままノーチェックで輸入するというのであれば、それはそれで事業としての姿勢を疑われても仕方ないと思います。

強制認証だからやらないといけない、任意認証だから別にやらなくても良い、確かにその通りですが、消費者保護という観点が大前提です。

強制認証はそもそも法律でやることが義務付けられていますが、任意認証についてもやらなく良いという一択ではなく、法律的には認証しなくても良いのだけど、本当にやらなくても良いか?製品の状態をしっかり吟味したうえで決定していっていただければと思います。

 

認証を依頼する際は工場ではなく販社の情報を伝えればよいですか?

結論を先に申し上げると、答えはNOです。必ず、生産工場と担当者の情報をお知らせください。それは、工場が中国であれば尚更です。

最近、他の認証代行会社(主に中国企業)に依頼していたのを当社に変更されるお客様が増えています。変更される理由を聞いてみると、「認証が進まないから」ということです。

その点を深掘りながら、当社のスキームで話を進めていこうとすると必ずある一点で躓きます。

それは、依頼主が生産工場を把握しておらず交渉を代行会社に丸投げしている、ということです。依頼主は、代行会社に任せておけばすべて進むと勘違いされているパターンが多くあります。

当社では、事前に必ず生産工場とその担当者の連絡先を明確にして頂きます。
それがない限り、当社では動きませんし、動けません。

工場としては、認証に協力するメリットとしては、その依頼主が認証を行ったらどれだけ買ってくれるか、それだけです。その為に認証に協力するのです。

その話が詰まっていない限り、代行会社からどれだけ認証協力を促しても工場は書類提出・サンプル提出などの協力してくれませんので、まさにのれんに腕押し状態です。

当社としてもそれは無駄な労力ですので、必ず最初に工場の情報を頂きます。実際に、認証が進んでいなかったお客様に情報提供を依頼すると、1週間くらい掛かることもざらなります。

つまり工場の把握していないということ如実にわかるわけで、それではうまくいくはずもありません。

認証がうまくいかないパターンとして、誰に何を頼むかが明確になっていないことが原因としてあげられるので、その点を見直してみてください。

「工場の担当者はこちらで確認しておくよ」という代行会社は頼もしく感じるかも知れませんが、本当に大丈夫なのか?という疑問の目は向けておいたほうが良いでしょう。

そして、認証が思うように進まないと感じた場合、まずは「工場の担当者でしっかりコミュニケーションが取れているのか?」と質問してみてください。

もし、その答えが曖昧であれば、しっかりと対策を取るように指示して、それでも現状が変わらないようであれば、その代行会社の変更も検討してみましょう。

話がずれていましたが、販社の情報だけで良いか?ということがNOの理由について、基本的に販社の人間は工場の情報を教えたがりません。なぜかというと、工場の情報を教えてしまうと、自分を抜かして工場とやり取りされてしまう、という危惧するからです。

しかし、その危惧は当然のことですので、そこは依頼主がしっかりと販社と条件交渉などを行う必要があります。

そうしないと工場の情報は得られませんし、販社の人間は、「工場の担当者には自分から話をしておく」と言ったりしますが、大体の場合、何も動かないということがパターンにはまります。

そうすると、認証代行会社としては何も出来ません。

なので、まずは依頼主がキッチリと工場を突き止める必要があります。もし、販社がいくら言っても動かないようであれば、同じ商品を売っている別の工場を探す必要も発生してきます。

そういった経緯などを経て、工場とその担当者を確認してからご連絡頂ければと思います。もちろん、当社ではそうしたご相談にも対応しておりますので、ご不明点などあればお知らせください。

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