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電気を用いる浄水器はPSEではなくJISが必要!?そして食品衛生法検査も必須です

JIS PSE 認証の原理原則 食品衛生法
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こんにちは。管理人の堀です。

以前にウォーターサーバーや浄水器の食品衛生法試験について書きました。

自分でやるのが常識!?簡単!?実は以外に侮れない食品衛生法試験のリアルな事例をお伝えします

 

ウォーターサーバーや浄水器の食品衛生法試験をして輸入販売する事業者の方はごく少数でしょうが、今回は、電気を用いる(電源コンセントを利用するACタイプ)浄水器※はPSEではなくJIS(日本産業規格)の試験が必要であるという角度からお伝えをしたいと考えています。
※今回登場する「浄水器」は、PSEに関連する内容は「電気を用いる浄水器」を前提とし、JISに関連する内容は「すべての浄水器」を前提とし、食品衛生法に関連する内容は「電気を用いるなど複雑な構造の浄水器」を前提としています。

こういうイメージ

 

また、食品衛生法試験について誤解をしている輸入通関会社(乙仲)さんも一定数いらっしゃると感じているので、その点についてもあらためて説明したいと思います。

 

浄水器はPSE対象ではない!?

当社のご説明として、一般的に電源コンセントを差し込む電気用品のほとんどはPSE対象になるとお伝えしています。

それは話を単純化する為であり、100%正しい表現ではないことは理解しています。ただ、例外から説明すると話が複雑になるため、敢えてわかりやすいお伝えしているのです。

PSE(電気用品安全法)を管轄する経済産業省は、電気用品の機能によって、区分をつくりそれぞれの電気用品がいずれかに対象になるポジティブリストを作成しています。

それが「電気用品区分」と呼ばれるもので、菱形PSE(特定電気用品)は116品目、丸形PSE(特定電気用品以外)は341品目、存在しています。

例えば、今回の例の一つとして登場している「ウォーターサーバー」ですが、「ウォーターサーバー」という電気用品区分はありません。

ウォーターサーバーであれば、通常一定の冷たい温度で貯水しているでしょうから「電気冷水器」、またモノによっては水を温めてお湯として排水する機能がある場合は「電気湯沸器」という区分付けをされて、それぞれ必要な試験を行うことになります。

一方、「浄水器」という電気用品区分もありません。また、水道と機械を直付けして利用する際、特段の冷水機能も温水機能もなければPSEのいずれの電気用品区分にも該当しないことになります。

そうなると、浄水器はPSEの対象にならなくなるのです。こういうケースはほぼなく、無理やりにでもどこかの電気用品区分に当てはめることがほとんどなのですが、実際に浄水器はPSEの対象となっていません。

電気を使う製品であっても危険がないと判断されているのか、単に経産省の漏れなのかはわかりません。しかし、これはあくまで浄水機能のみの浄水器の話なので、いろいろ機能があるようでしたら、その都度確認が必要になることは記憶しておいてください。

 

浄水器はJIS試験が強制適用される!?

浄水器はPSE対象外!?食品衛生法試験があるとしても、試験が一つ減ってラッキーと思っていると大変危険です。

PSE対象外の代わりではないですが、浄水器はJIS試験がある意味で強制適用されます。

日本には、「家庭用品品質表示法」というものがあります。

「家庭用品品質表示法」
消費者が日常使用する家庭用品を対象に、商品の品質について事業者が表示すべき事項や表示方法を定めており、これにより消費者が商品の購入をする際に適切な情報提供を受けることができるように制定された法律です。
引用:消費者庁ホームページ

 

消費者(ユーザー)保護の観点から、その商品名や効果効能などを製品にキチンと表示しなければならないという法律です。中には、単純に表示だけすれば良いものもありますし、それぞれの法律で試験した内容を表示すればよいという場合もあります。

同法の中には、浄水器も含まれており、浄水器が表示しなければならない機能などについては、JISに定められた検査基準をクリアしていないと訴求出来ないとなっています。

簡単に言うと、浄水機能がないのに浄水器を名乗ってはいけないということです。

今回の記事では浄水器の機能定義については割愛しますが、興味のある方は下記リンクから当該ページにアクセスしてみください。

引用:消費者庁ホームページ_浄水器

 

正直、必要なJIS試験もそれなりの費用が発生しますので、どうしても試験はしたくないということになれば、「浄水器」という呼称を一切無くせばよいと考えるかもしれませんが、そうすると、そもそも何の製品なのかわからなくなってしまいます。

水道の周りに設置するボックス?

いずれにしても、水道から管を直結させる機能がある時点で浄水器として見なされるので、家庭用品品質表示法に基づいてJIS試験が必要となってきます。

余談ですが、上記に「浄水器はJIS試験がある意味で強制適用されます。」と書きました。ここで言う「ある意味」とは、JIS自体は強制試験ではないということです。但し、家庭用品品質表示法において、JIS試験が絶対必要ということ。

製品認証の世界にいない人からすれば、どっちも同じだろうと思うでしょうし、私自身もほぼそう思いますが、法律の観点から言うと少しニュアンスが違うことになります。

 

浄水器の食品衛生法試験は難易度が高い!

冒頭にリンクを貼った記事内容を一部引用いたしますが、構造が複雑な機械の食品衛生法試験はかなり難易度が高くあります。

例えば、浄水器と内部構造が似ているウォーターサーバー。

 

 

機械上部にある水を貯めておくサーバー部分もそうですし、給水する際の蛇口部分も対象となってきます。

さらに言うと、機械内部でサーバーから蛇口まで水が通る部分も試験対象になってきます。加えて、機械内部に使われているネジなどの部品も対象になりますし、さまざまな種類の部品が使われているようであれば、試験対象部分も倍々的に増えてきます。

ハッキリ言って、これらの製品の試験見積もりを出すのも一苦労ですし、むしろ見積もりが出てくるのであれば、それはラッキーかもしれません。

ちなみに、こうした機械の食品衛生法試験を行う際には、下記のような爆発図(製品展開図)を求められます。

 

これは製品のどこに何の部品が使われているかという図解したもので、検査機関はこれを見ながら検査を進めていくことになります。

日本の食品衛生法を理解している日本メーカーであれば、こうした爆発図を最初から用意しているでしょうが、アリババなどで見つける中国などの海外工場では用意していないことが大半でしょう。

工場には試験のために、新しい資料を用意してもらわないといけません。

そうなると、試験をするためには、まずは工場に日本の食品衛生法を理解させることが必要であり、それにはやはりネイティブで日本の試験内容を説明できる代行実務者が必要になってきたりします。

 

食品衛生法試験を理解していない日本の輸入通関会社(乙仲)も存在する!?

結局、正しい試験が必要だと説明する当社のような存在は、ぼったくり会社だと非難される運命にあることは覚悟しています。

もしくは、もっと安く出来る抜け道があるだろうにそれを提示しない使えない会社だと揶揄されたこともありました。

当社が頂く手数料などは、検査費用の多寡は関係なくほぼ一律であり、費用を抑えられればその分お客様に喜んでいただけることはわかっているので出来る限りリーズナブルにご提案をさせて頂いています。

PSEや電波法などはそれをしやすくもあるのですが、食品衛生法だけは代替手段もほとんどなく本当に厳しいのです。そして、PSEなどは検査の証明書などが無くても輸入通関されますが、食品機器においては検査証明書がないと通関されません。

書類等が揃わなければ(輸入事業者負担で)全品破棄させられることになります。また、かなり厳格に製品資料などが求められます。だからこそ、いい加減な検査などは出来ず、法律に則ってちゃんとやるしかないのです。

検査をするとしても、その費用がいくらくらいになるのか、製品サンプルを提出して検査機関とがっぷりよつに確認をしないとその見積りも出てきません。良いか悪いはおいておきそういう世界なのです。

当社としては、有料でのお見積りを提案していますが、それでも渋る方が多いので、これまでの経験ベースで想定されるざっくりの費用をお伝えしていますが、自分で言うのも何ですが、これ自体もかなりミラクルな話なのです。

ボタン一つで見積りが出てきて当然という認識の方は、そもそもとして、こうした複雑な食品機器の輸入販売は検討すらしない方がよいでしょう。

こうした前提がある中で、とある方から、知り合いの通関会社に聞いてみたら、浄水器の食品衛生法試験の費用は8万円くらいだったと聞いて、逆に腰を抜かしそうになりました。

当社としては、親切心で桁が1つ、もしくは2つ違うことになるかもしれないと告げると、かなり憮然とされていましたが、あとはお好きなようにしてください、という感じです。

輸入通関会社としては、フライパンや瓶、コップなどと同じような感覚で考えているのでしょうが、製品内部の部品1個単位から試験対象になると知らないのでしょう。

その言葉を信じて、適当な試験をする会社に依頼し、もちろん検査機関から指摘があれば良いですが、変に話が進んでしまい、証明書が発行されてそれを以て輸入通関手続をする時に初めて、これじゃ間違っていると気付いても既に遅し。

全品廃棄になる可能性も十分にあります。

別に必ず当社を利用してくださいとは言いませんが、最低限このくらいの知識を食品衛生法試験にあたる必要がありますし、この検査の仕組みを生産工場に理解させなければならないのです。何故かというと、先述した爆発図のような資料だったり、必要なサンプルを揃えるには工場の協力は絶対不可欠だからです。

今回は、浄水器はPSEではなくJIS認証が必要だということをテーマにしていましたが、最終的には食品衛生法試験の厳しさに言及する部分がメインとなってしまいました。ただ、それだけ浄水器などの食品機器の試験は難易度が高いということをご理解いただければ幸いです。

最後にこのメディアで繰り返しお伝えしていることですが、浄水器における家庭用品品質表示法においても、食品衛生法においても、一番に優先されるのは消費者(ユーザー)の安全性です。

特に浄水器の両法での安全性担保に関する役割は大きいでしょう。そうしたことを踏まえて事業への取り組みを検討されてみていただければと思います。

 

 

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