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最近増えている国内OEMのPSE検査における5つのポイント

 2021/07/24 EMC(EMI・EMS) OEM PSE 認証の原理原則
この記事は約 8 分で読めます。 126 Views

こんにちは。管理人の堀です。

昨年に国内OEMの進め方の記事を書きました。

日本国内工場でOEMして、PSEマークなど認証製品をメイドインジャパンにする5つの考え方

中国で作られたものをそのまま日本でOEMをして、Made in Japanとして売り出しましょうという内容で、その為のポイント・懸念などを列挙しています。

今回は、中国産製品を模したわけではなく会社オリジナル製品を設計・開発したのでPSE検査をしてほしい、というご依頼が増えており、そうした際に感じた注意点やPSEをうまく進めるためのポイントなどをお伝えさせていただければと考えています。

なお今回は、工場検査が伴わない特定電気用品以外(丸形PSE)を主に取り上げて書いていきます。

ちなみに、申し上げておくと、今回言う「工場」とはすべて電気用品に関する「工場」のことで、それ以外のアパレルや食品の「工場」のことは指していませんので、その点は予めご了承ください。

日本の工場・技術者が必ずしも日本のPSEを理解しているわけではない

確かに日本の工場も多いのだが、、、

まず最初に書いておきたかったのですが、前回記事ではほとんどの生産を中国に依存して日本に生産工場が残っているのだろうか、という点に対して、正直なところ、日本工場というのもまだまだ沢山あるのだなと感じています。

というのも単純に、日本工場で生産したものをPSE検査したいというお問い合わせが多いからです。

しかし、そうした際に気になるのが、日本の工場だからと言って日本のPSEを理解しているわけではない、ということです。

 

資料が全く揃えられない工場

小型のデザイン照明器具を作っていらっしゃる会社様からご相談がありました。

現在は試作・小規模段階であるが、拡販していくために安全性を担保したいのでPSE検査をしたいとのこと。しかし、個人レベルで組み立てているようなので、仕様書や回路図などの技術資料がまともにない状態。

作ってくれませんか?と聞かれましたが、作れないことはないですが、一社様にそれほど時間を割けないので、自社で出来ないのであればコンサル会社などに依頼することをお勧めしました。

また、使っている電源コードがPSE認定品かわからないということなので、サプライヤーに確認するように伝えると、上手く話ができるかわからないとモジモジしていたので、、、当方が代わりに確認することに。

聞いてみると、PSE取らないと営業できないので当然検査しているという返答。おまけとして、そのサプライヤーは完成品にしたPSE検査に関する問い合わせが多いので、今度そうした話あれば繋ぎます、と言っていただけました笑。

正直、この照明器具の会社様は、資料揃えをどうするかもうしばらく検討されるそうです。

 

EMI不合格

開発・設計はある程度進み、これから試作機を作る段階にいらっしゃる方からご相談がありました。

PSEの制度や試験の進め方などをオンラインミーティングし、日本国内ではなく中国での試験を提案しました。すると、開発が出来たら連絡しますとのこと。

それから1~2か月ほど経ち、本当に連絡をいただきまして試験をスタートすることにしました。

案の定と言っては失礼ですが、やはりEMI試験が不合格となってしまいました。
EMI試験についてはこちらの記事をご覧ください。

中国・海外工場生産の電気用品PSE認証で失敗する一番の理由はEMC試験!?

EMIとは簡単に言うと、電気用品が発する電磁波の量のことであり、それがPSEで定められた一定基準を超えてしまうとNGとなってしまいます。

案の定と言ったのは、EMI測定は設備が高く普通の工場に設置されていませんし、専門機関に依頼すると高くなります。また、機械設計に慣れていないとなかなかうまくコントロールが出来なくもあります。

日本の国内工場でも日本のEMIをあまり理解していないということがよくわかります。

ただ、国内の専門機関でEMI試験の結果を待っているといつまで経っても、先に進まないのも事実ですので、中国の検査機関でまずは確認してしまい、OKであればそれでよいですし、NGであれば(有料ですが)検査機関が対策を考えてくれるので、そういった意味でもコスパが良いと言えます。

しかし、時間もそれなりに掛かるので、その点は事前にしっかりとお客さんに説明しないと、無駄に時間だけが掛かっていると判断されかねません。

 

根本的な製品構造が出来ていない

新規ご依頼頂けるお客様からのご要望により、日本の事業社内にあるサンプルを中国人技術者と拝見しに行ったことがありました。

技術者が、電源の機械構造などを確認した後、今度は電源コードの状況などを確認すると、お客様に対して、

「これではPSEは合格できません」

と流暢な日本語で説明を始めました。

まさかの展開に落胆するお客様に対して、

「電源コードと機械本体の接続が貧弱なので、引っ張ったらすぐに切れてしまいそうです。そうするとユーザーは感電の恐れがあり、PSEの技術基準を満たしていないことになります。」

日本の技術者はそういった設計はさすがに理解していると思ったのですが、実のところそうでなく。結局のところ、全体の設計は修正しつつ、並行して機械内部のPSE試験から始めることとなりました。

日本人技術者が中国人技術者に、日本のPSEのアドバイスを受けている姿は、正直、シュールな印象が拭えませんでした。

ただ、製品のアイデア自体は大変素晴らしい製品ですので、今後は日本はやはりこうした発想・アイデアを重視してモノづくりの基盤を取っていくのが必要なのではないかと感じています。

話を国内OEMに戻します。

 

中国への発送費用は必要

日本の製品を中国で検査するということは当然、サンプルを日本から中国に送らないといけません。

当社のように長年中国ビジネスをやっていると、中国にモノを送るという行為は息をするのと同じくらいに簡単なことなのですが、慣れていない人からすると、かなり怖いことのように感じるそうです。

そうすると、大抵は「中国へのサンプル送付の代行もお願いします」と言われてしまいます。簡単と言えども面倒くさいことは事実なので、、、正直あまりやりたくないのですが、それは仕方ありません。

DHLやFedexのような高い会社は使いませんが、それでも海外発送なので当然ですが、それなりの費用は発生します。また、配送コスト以外に石油サーチャージなども請求されてしまいます。

数千円から数万円単位ですが、国内送料とは違う発送費用が掛かってしまうことは覚悟しておきましょう。

 

日本の検査機関はサンプル不備だと一発不合格

ここの部分はかなりかなり重要です。

当方もすべての日本の検査機関を使ったわけではないので、本当の正確なところはわからなくもありますが、基本的には日本の検査機関はサンプルに不備が発見された時点で試験終了となってしまいます。

それって当たり前のようですが、不合格ではない部分もあればそこだけでも進めておいてもらいたいところですが、そうもいきません。すると、サンプルを修正した時点からもう一度やり直しなのでどうしても時間が掛かってしまいます。

一方で、中国の検査機関で複数のサンプルを提出していれば、A部分は×だったけど、とりあえずB部分は進めておく、ということができる場合もあります。

国内OEMを始めたばかりでPSE試験に慣れていない場合であれば、中国検査機関を使って時間短縮するという手もあるかと思います。

 

自分が直接検査機関と話せないので少々不安が大きい!?

国内OEMによる中国検査機関利用のメリットばかりをお伝えしてきましたが、最大のデメリットというか、心理的ストレスになるのは、ご自身で直接検査機関の人間に質問などが出来ない点ではないでしょうか。

単純に言葉の壁もあると思いますし、さらに言うと、専門用語を中国でやり取りするというのは至難の業であると思います。

その点は当社にお任せ下さいというのがセールストークでもあるのですが、やはり不安になられる気持ちは強いと思います。当社としてもお客様の不安を和らげられるよう細かな報告を行っていますが、いずれにしてもご自身で管理できないということのストレスはあると思います。

 

社内に対策案を考えるリソースがあるか

PSE試験は必ずしも一回で合格するとは限りません。もちろんそういう場合もありますが、試験をして指摘箇所を何回か修正して、それで合格に辿り着くことも多くあります。

そうした際、最初に作るだけで精一杯で、対策を考えられる体制(リソース)がないとPSE試験の合格は難しいかもしれません。確かにやりようはいくらでもあるのですが、そうしたことも頭に入れて、国内OEMに取り組んでみてください。

PSEに関するご質問・ご相談にも対応させていただきます。

 

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