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【中国輸入ビジネス初心者の方に】PSE、PSC、電波法技適認証をする前に、とりあえず覚えておくべき貿易・物流基礎知識

 2022/10/10 PSC PSE 中国ビジネス 中国輸入 事例 物流 電波法
この記事は約 13 分で読めます。 1,132 Views

こんにちは。管理人の堀です。

以前に、中国など海外工場での許認可認証を行う前にそもそもとして貿易・物流の基礎知識を学ぶべきであるとお伝えしました。

【中国輸入ビジネス初心者の方に】PSE、PSC、電波法技適認証をする前に、まずは海外との貿易・物流の基礎を学びましょう

 

中には、認証代行会社である当社がすべて物流手配もするものだと勘違いされる方もいらっしゃるのですが、海外から日本にモノが運ばれるプロセスは許認可認証とは全くの別物であります。また、その内容も多岐にわたっています。

もちろん、物流手配までご用命あればそちらの対応自体は可能です。

物流手配には実に多くの人間が介しており、またその業務内容も緻密を極めます。日本で机上のPC操作しかやったことのないような方からすると、まさに想像を絶する世界です。

こうした世界を知ると、海外から日本に正確にモノが輸送されるのは、当たり前じゃないのだとあらためて感じます。

事業者であればすべてとは言わずとも、海の向こうで一体何が行われているのか、最低限でも知っておく必要があるでしょう。知らなければ、トラブルがあった際などに自分では何の対応も取れませんし、不当に送料などの費用を要求されても何も言えません。

もちろん、工場側も海外への発送業務には慣れていて、間違いなくそして正当な価格で送ってくれはするでしょうが、その過程でどのような業務が発生しているのか把握しておきましょう。

今回は、フォワーダー大学さんの記事を引用・ご紹介する形でお届けさせていただきます。

 

フォワーダー大学さんのサイトはこちら

引用:フォワーダー大学

 

クーリエとフォワーダーの違い

クーリエ、フォワーダーという言葉自体は使用していませんが、お客様からもよくある質問。

結局、認証した製品は誰が運んでくれるんですか!?堀さんの会社で手配してくれますか?

 

もちろん、当社で知り合いの会社を通じて手配することもできますが、もう少し調べてみることをお勧めしています。

 

クーリエ

クーリエとは国際宅配会社(便)のことで、DHL、Fedex、UPSが世界3大クーリエ業者として知られています。自社で航空機を持ち、輸送、通関手配をして、配送先まで荷物を届けてくれます。

なお、中国系でいうと、SFエクスプレスというクーリエが個人的にはお勧めです。費用も比較的安く中国にサンプル発送する際には重宝しています。また、他にも安い宅配会社はいろいろありますので、その辺も情報として蓄えていくようにしましょう。

ちなみに、クーリエとよく混同されるのがEMS(国際郵便)です。クーリエは完全に民間企業が運営していますが、EMSは郵便事業を担う会社が運営をしています。日本でいえば、日本郵政です。

クーリエとEMSの共通点は宅配スピードが早いこと、違う点としてはクーリエの費用は比較的に高く、EMSは安いこと。しかし、上述したように世界各国の郵便事業会社が運営していて、輸送ルールも違うので荷物が途中で追跡できなくなる可能性もあります。

実際に、EMSで送った荷物が行方不明になったという例を何件か聞いたことがあります。それも頻繁ではないでしょうが、そういったリスクもあることを前提として、クーリエかEMSかを選択していきましょう。

クーリエに積載できる最大重量は45Kg程度までと言われていますが、このサイトをご覧になっている方が中国ビジネスでクーリエを使うとしたら、サンプルや小ロット品の発送などがメインになるでしょう。

 

フォワーダー

一方、フォワーダーとは、国際輸送業者のことを言います。「フォワーダー」という単語・職業にあまりピンと来ないかもしれませんが、自社で船や飛行機を持たず、依頼主の海外へ発送する貨物の輸送手配をする業者さんのことです。

物流手配のエージェント(代理店)のように考えるとわかりやすいかもしれません。

もちろん、手配を代行してもらうわけなのでそこには費用が発生します。しかし、上述したようなクーリエが運べる範囲である45Kg以上の荷物を送る際に、そもそも一般人はどこの物流会社に連絡すればよいのかわかりません。

仮に連絡が取れたとしても、一元のお客のそれほど多くない量の荷物を自分の思った条件のままにブッキングすることは到底不可能でしょう。

自社で航空機、輸送船を有するような規模の会社であれば別ですが、海外ビジネス(輸送)をするほとんどの会社は、こうしたフォワーダーの存在が不可欠なのです。

まずはそうした事実があることを理解していただければと思います。

 

フォワーダーとクーリエのについて詳しくはこちらをご覧ください。

引用:フォワーダー大学_クーリエとフォワーダーの違いについて

 

フォワーダーの仕事と自分に適したフォワーダーの探し方

前章で45Kg以上の貨物(商品)を海外から輸送する際は、ひとまずフォワーダーという物流手配のエージェントの存在が必要らしいと感じて頂けたと思います。

それなりの量の貨物を中国(海外)工場から送ってもらうとなると、単純に伝票1つ書けばよいモノでありません。

フォワーダー大学から引用すると、

・船会社・航空会社へのBooking
・トラック会社にトレーラーの手配
・通関業者に通関の手配
・梱包が必要な場合は梱包業者に連絡
・重量物の場合は重量屋さんに連絡
・貨物量が少ない場合は混載業者に連絡
・クロスボーダーが必要な場合は専門のトラック業者に連絡
・冷蔵貨物を保管する場合は冷蔵倉庫業者に連絡

 

などザッと言っても、こうした膨大な作業が発生するのです。間違えないようにしていただきたいですが、こういった業務は工場がやるものではなく、フォワーダーが行います。

 

そもそもフォワーダーは誰が手配する?

事業者の方が工場とのやりとりを買い付け代行会社に委託しているとしたら、まず商品自体がその代行会社に輸送されます。そこで検品や日本での販売するためのパッケージングがされていることを確認します。Amazon倉庫に直接納品されている方はこのケースが多いでしょう。

その上で、買い付け代行会社がフォワーダーに連絡して、物流の手配をしてもらうことになります。

一方で、工場と直接やり取りしている方は、ご自身で手配をされるか工場が従前から取引のあるフォワーダーに委託することになるでしょう。そして、海外取引に慣れている工場は自社で契約しているフォワーダーが存在していることが大半です。

いずれにしても、貿易初心者の方であれば相手方が指定するフォワーダーにお任せする形で十分かもしれませんが、前回の記事の「通関で止まってしまった方の事例」のように、フォーワーダーなどにも得意不得意があります。

【中国輸入ビジネス初心者の方に】PSE、PSC、電波法技適認証をする前に、まずは海外との貿易・物流の基礎を学びましょう

 

なお、フォワーダーの業務内容は多岐に渡っており、もしかしたら工場や買い付け代行会社が今使っているフォワーダーよりもっと早くて安くて確実なプランを提案してくれるフォワーダーが存在するかもしれません。

取引量・回数が増えてきた場合、自ら選んだフォワーダーを試してもらうという選択肢も出てくるかもしれません。しかし、今まで使っていたフォワーダーを変えるとなると先方からも反発があるかもしれませんが、それを理解させるのが事業を大きくするということでもあります。

今すぐじゃないにしても、そうしたフォワーダーを選べるし、そもそも自らが選択・決定するものであるということは頭の片隅に入れておいて頂ければと思います。

 

当社も許認可認証業界のフォワーダー(エージェント)

余談ですが、実のところ当社も許認可認証業界におけるフォワーダーなのです。PSE、PSC、電波法、JIS、食品衛生法などの許認可認証を行う際、当社はその製品の認証試験を行うのに一番適している検査機関を選ぶことができます。

初めて認証をする方が、どの検査機関を選んでよいのか皆目見当がつくわけがありません。お客様からすると、代行会社(当社)に言われた検査機関で試験を行うわけですが、実はそれだけですごいノウハウだったりするわけです。特に、複雑な機械になるとそもそもとしてどの検査機関に委託すればよいか、素人には絶対にわかりません。特にそれが中国などの海外になればなおのこと。

自身がやりたいことを実現してくれるサービスプロバイダーを紹介してくれる、そんな情報も掛け替えのない資産であることは認識してみると、世の中の見え方も変わってくるでしょう。

もちろん、当社はそれが仕事で当たり前なのでそれを偉ぶるわけではありませんが、こうした感覚を持っているとご自身のビジネスにもきっと活きてくる部分があると思います。

 

なお、(物流の)フォワーダーの選び方についての詳細はこちらをご覧ください。

引用:フォワーダー大学_フォワーダーの選び方について

 

国際物流の概要、製品が工場で生産されてから日本に到着するまで

フォワーダーの仕事をご紹介してきたので何となくでも国際物流の概要は把握できているかもしれませんが、自分的に事業者の方にとって一番のポイントであるのは、海上輸送(FCL)は「コンテナ」を使うということです。

「コンテナ」で検索すれば様々出てきますが、コンテナとは内部に物を納める為の容器のことであり、海上コンテナとは、海上輸送用の規格サイズが国際的に統一されているコンテナのこと。

国際規格化機構(ISO)により寸法、強度、外形などが規格化されています。コンテナは主にアルミニウムやスチールで作成されています。

20世紀初頭のコンテナの登場は、コンテナという規格化された箱を輸送に使用することで、物流業界にイノベーションが起き、今日のより安全かつ効率的な国際物流が可能になったと言われています。20世紀最大の発明の一つと言われています。

そして現在の海上輸送をする際、主にFCL(海上輸送、コンテナ一本当たり輸送)とLCL(コンテナ混載輸送)、在来船輸送(コンテナを使わない)というものが一般的です。しかし、昨今では在来船輸送が著しく減少しているとのことです。

勉強の意味を込めて、買い付け代行会社や工場などに、使用しているフォワーダーはどのような輸送形態をとっているか確認してみるのも良いかもしれません。

ただ、このコンテナ自体が古いものであって荷物の損傷に原因になりやすかったり、LCLで混載した際に一緒になった荷物の影響を受けてこれまた損傷の可能性もゼロではありません。

実際に、以前のお客様で、中国から大型機械をサンプルとして1つ輸入した際に、日本に届いた時には損傷して液漏れを起こしていた時がありました。さらに聞いてみると、特に保険も掛けていなかったようで、日本で自費で修理を行ったようです。

別のお客様でも、大型機械の輸送に関するご相談があり、貿易保険の加入を勧めておきました。

そうした事態もありますので、自社の荷物がどのような形態で送られるのか、また保険加入の是非についてなど、事前に工場やフォワーダーと確認しておくのが良いでしょう。

 

その他、インボイスなど書類の書き方などの国際物流の概要についてはこちらをご覧になってください。

引用:フォワーダー大学_国際物流の流れ

 

20フィートコンテナと40フィートコンテナについて、混載輸送の考え方

正直なところ、認証をして数回の取引を繰り返し、1000個2000個単位での取引ができるくらいにならないと20フィートコンテナ、40フィートコンテナを使うことはないでしょう。

ほとんどが20フィートコンテナの一部を利用する混載輸送(LCL)を選ぶ方が大半かと思いますが、コンテナの基礎知識として覚えておいてください。

簡単に言うと、一般的に海上輸送をする際は、20フィートや40フィートのコンテナを使用します。

コンテナイメージ

 

ここで20フィートコンテナと40フィートコンテナの違いをフォワーダー大学から引用しておきます。

20フィートコンテナ
容積:幅 2.3m x 高さ: 2.3m x 長さ 6m
積載可能重量:約25ton

40フィートコンテナ
容積:幅 2.3m x 高さ: 2.3m x 長さ12m
積載可能重量:約25ton

これは覚えやすいように「ざっくりした数字」なのですが、積載可能重量は各国の道路交通法によって少し異なります。

 

幅と高さ、そして積載重量は両者同じ。長さのみが異なります。40フィートだから積載重量も倍ということありません。

そうすると、20フィートと40フィートのコンテナは何で使い分けるかというと、サイズが小さくても重いもの、サイズが大きくて軽いもの、などで考えていきます。

詳しくはフォワーダー大学の説明に譲りますが、大きい40フィートコンテナにすれば当然コンテナ費用は高くなるわけですが、当該貨物の費用以外にも様々な貿易実務の手数料が発生してきます。

また、20フィートコンテナの一部を使うLCLが一番安いように思われますが、上述したような様々な手数料の関係で必ずしもそうはならない場合もあるのです。

そうした計算をしてくれるのもフォワーダーの仕事であります。そうなると、買い付け代行会社や工場が指定するフォワーダーに丸投げをしていて本当に大丈夫なのか、と疑問に思うこともあるかもしれません。

先述したように、もちろん何の取引実績もなく、自身にも知識がない中でいきなり変更を要求しても嫌がられるだけですので、まずはどういった形態で送っているのかを確認してみるところから始めても良いかもしれません。それが第一歩です。

 

費用計算の考え方も詳しく紹介している20フィート40フィートコンテの選び方は、こちらをご覧ください。

引用:フォワーダー大学_20フィートコンテナと40フィートコンテナの選び方

 

貿易における各工程とその作業を覚えて、誰に何を依頼するのか把握する

ザッと駆け足ですが、海外(中国)から物を仕入れて日本に輸入・販売する際に、海の向こう側・海上でどのような業務が行われているのかお伝えさせていただきました。是非、フォワーダー大学の記事も併せて勉強して頂ければと思います。

以前の記事の繰り返しになりますが、一言でPSE、PSC、電波法などの許認可認証をして日本で販売すると言っても、そこには、認証代行会社、買い付け代行会社、フォーワーダー(物流代行会社)などが存在し、それぞれの役割があることを認識しておいてください。

もちろん、工場との(カタコト英語での)直取引ですべて工場が対応してくれればそれに越したことはありませんが、結局、そうした能力の高い工場は他の日本人事業者との付き合いもあるでしょうから、そうするとせっかく海外ビジネスをやっていても差別化につながらない可能性もあります。

工場はもちろん、様々なエージェントともどのように付き合っていくかというのが海外ビジネス成功の秘訣になると考えています。

 

 

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