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PSEマーク、電波法など、認証費用をうまく節約する方法、費用を出せる人・出せない人の共通項

PSC PSE コラム 中国ビジネス 認証の原理原則 資金調達 電波法
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こんにちは。管理人の堀です。

今回は認証を行うにあたって切っても切れない問題である、認証費用にスポットを当てて書いていきたいと思います。

「認証の原理原則」では、認証を実施・成功するためにはどのようにすればよいのか、そういった情報を毎回お伝えさせていただいていますが、認証を行うために必要なのは結局のところ、「お金(費用)」なわけです。

情報が少ない状態でも、仮にPSE認証が全部で2~3万円で終了するとなれば、恐らくほとんどの人がためらわず実施するわけで、どんなに情報を仕入れたとしても動かない・動けない理由は、資金が足りないからです。

先日、電波法認証をされたい方が当社に電話で相談をしてきた個人事業主の方が、認証費用の概算を伝えて、担当者・生産工場・当社でオンラインミーティングを行い、生産工場にはサンプルを用意させるなど工場と当社を動かしていた中で、最後の段階になり、「お金がないので認証はキャンセルしたいです。自分は吹けば飛ぶような個人事業主なので。」という事件がありました。

その際は自分勝手な方だと思ったのですが、実のところそうした方は一定数いるわけで、私が言うのも何ですが、傾向として捉えると、皆さん、ビジネスの組み立て方が下手だと感じています。

要は、モノ一個売れるか売れないかという視点で考えたら、認証という行為はどうしても割高になりますが、他方で認証をしたら絶対に売れる・儲かる・利益が残せるなどという仕組みが出来上がっていたら、決して認証費用は高くはありません。

私がこう書くと、認証をさせるためのポジショントークと思われると思いますが、認証は競合他社との参入障壁を築く絶好のビジネスチャンスであることも間違いありません。

どのようにビジネスを組み立てたら、小規模事業者でも認証費用を工面できるのか、当社事例であったり、認証費用を出せたお客様・出せなかった方の特徴などから、お伝えしていきたいと思います。

 

単発の単品販売で利益回収を考えている方は認証をしない・できない

前述した方もそうなのですが、これから単発の単品販売を検討している製品に認証が必要だとした場合、その費用は利益を圧迫する費用でしかないので、本当にその認証費用分をペイできるのか、算盤を叩くことになるのは理解できます。

そして間違いなく、その計算の答えは赤字という回答になるでしょう。

それはある意味で当たり前の答えであり、認証費用が初期ロットだけで回収できるのであれば、相当な利益率を有している製品でしょうが、残念ながら、いくら許認可製品の利益率が高いと言っても、なかなかそれは難しくあります。

やはり、2回3回のロットを回すくらいの資金力やそれくらいの需要があることを見込んでいることが重要です。

もちろん当社としては、そんなことを気にせずにどんどん認証をしていただいた方が有難くあるのですが、無理して資金拠出して一回きりの関係になるよりは、ある程度余裕がある事業者の方と長くお付き合いさせていただきたいというのも本音です。

 

プロジェクトが動いたら、という人は絶対に認証しない・できない

「プロジェクトが動いたら」

これも何回も言われたパターンなのですが、実のところ、今度時間あったらメシでも行こうよ、と同じくらいの断り文句であります。

先述の単品販売の件と同じで、イチから認証製品を扱う場合、その認証費用分をペイできるかどうか、誰も責任は取れないのでまず間違いなく動くことはないというのが、当社の経験上での見解です。

もちろん、その発言主が社長さんなどであれば話は変わってきますが、担当者レベルであれば動かないことの方が基本だと考えています。

ただ、ここで申し上げたいのは、担当者レベルの方が悪いという話ではなく、結局のところ、ビジネスの組み方を知らないので、認証費用の概算だけを聞いて、認証実施有無を決めてしまうのが原因だということです。

後述しますが、ここでビジネスの組み立て方などを知っていれば、また違う展開もあり得ると思っています。

もちろん、当社としては認証をしてほしいというのが本音ですし、認証に取り組むということは会社の事業レベルを引き上げることにつながると思っています。その一方で、認証費用だけを見て判断されるというのは、少し勿体ないと感じるのも率直な印象であります。

 

認証を行う事業者の方は、認証はビジネスの通過点と考えている

これは当たり前の話かもしれませんが、認証合格をゴールと考えている事業者の方は存在せず、上手くいっている事業者の方はあくまで認証は通過点だと考えています。

もう少し具体的に言いますと、認証を問題なく行える方は認証が終了した後に順調に販売できるルートをすでに確保していたり、実際に自社で使う予定があったりする一方、上手く進められない方は、ちょっと認証してみようかなと考え、見積りの金額だけを聞いてやっぱりすぐに計画をやめてしまうのがほとんどです。

率直なところ、当社もお問い合わせあった方のご相談内容・現在の状況などをお伺いして、実際に認証を始めるつもりがあるかどうかは大体わかります。

決して、認証をするということが一番偉いというわけではなく、別に認証品以外にも扱える商材は数多くあるので、どれを選択するかはその方次第であるということはわかっています。

ただ、認証というものはどうしても費用がかかるものなので、ある程度回収できる見込みが立っていなければ、最初からやらないという選択肢はあると思います。また、もちろん実際に認証にいくらかかるのかわからないと判断もつかないでしょうから、見積もりを教えて欲しいというのは間違っていません。

しかし、認証の見積りは算出自体が少々難しかったりするので、概算だけでも聞ければ御の字かと思います。また、大した計画もない状態で見積りだけ教えて欲しい、という姿勢で臨むと、代行業者にも見透かされて明確な返事がもらえなかったりする可能性もあります。

認証は相応の費用が発生するモノだという前提で、それが回収できそうかどうかの算段を立てたうえで話をすると、かなり突っ込んだ話が出来るのではないでしょうか。そうしたものもビジネスセンスの一つであると考えます。

 

勝算がない限りは売れている認証商品を真似て認証しようと考えない

認証が必要な製品はまず以て単価が高いです。また、認証をするためには生産工場に必ず協力をしてもらわないとできなくあり、工場としてもかなり面倒な作業がつきまとうので、小ロットの客は相手にしたくありません。少なくとも、100個300個500個単位のロットを要求してきます。

また、電気用品などになると特に初期ロットでは不良品も多くなり、かなりのロスを強いられることになるでしょう。

要は、売れ筋の認証が必要な商品を見つけて、単純に認証を済ませてちゃっちゃと売るというのは意外に難しいものなのです。認証費用を含めて大金を払った後でも、実際に売れるようにするための販売調整もかなり必要です。

そういったものを既にクリアしている・その算段がある、販売・利用ルートを有しているということがなければ、新規で認証商品を扱うのは難しいかもしれません。

単純にAmazonで売れているから自分でもやってみたいというのは、実はハードルが高い選択肢でもあるのです。

もちろん当社としては、数多くの方に認証をしていただきたいと考えているので、そうした算段があろうとなかろうとご依頼があれば嬉しいのですが、一方で、そうした算段が無い方からご依頼あったことは一度もありませんで、お互いの時間の為にも、まずはその点から詰めて考えられることをお勧めいたします。

 

【マル秘テクニック】認証費用は自分で捻出せずに、人から出してもらう

「人から出してもらう」という言い方をすると少し物々しい響きがありますが、要は、政策金融公庫などの金融機関から融資を引き出したり、政府補助金の対象となったりすることを言っています。

基本的に、認証をするので・したのでお金を貸してください(融資)、お金を援助してください(補助金)という理屈は通りません。特に、補助金は単品商売の為には下りないものだと考えておいてください。

ただ一方で、認証が必要なその製品を使って新しい事業を行う、というストーリーが描けるようになると、金融機関や補助金管轄機関の見え方が変わってくることも確かです。あらかじめ申し上げておくと、必ず通るかはわかりません。あくまで確率が向上するかもしれない、という話です。

今回の全体のまとめですが、タイトルにある「認証費用をうまく節約する方法、費用を出せる人・出せない人の共通項」というのは、ご自身のビジネスのストーリーが描けているかどうか、ということです。

売れ筋の認証製品をちょっと見かけて始めてみよう、というのは失敗パターンであり、単品販売以外にどのように事業を組めるのか、など複眼的にストーリーを考えてみるようにしてください。

当社では、認証代行以外にもそのようなご質問にも応じていますので、まずはそうした点からでもお問い合わせいただければと思います。

 

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