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PSEマーク取得失敗!?認証が上手くいかない・しくじる理由と背景を徹底解説

 2020/08/12 PSE 中国ビジネス 事例 認証の原理原則
この記事は約 10 分で読めます。 299 Views

こんにちは。管理人の堀です。

このサイトではどうやったらPSE、電波法、PSCなどの認証が上手くいくのか、という視点でお伝えをしていますが、たまには認証が上手くいっていない(現在進行形)の方の例も取り上げてみたいと思います。

最初に申し上げておきますが、これは決して当社の認証技術不足による話ではなく、依頼主様と中国生産工場の話し合い不足が原因だということをお断りしておきます。

なんと言っても認証依頼があって1年近くが経ちますが、認証そのものが始まっていないのです。当社としてはいつでも認証を始められる準備が整っているのですが、簡単なサンプル確認をするだけにとどまり、何もできていない状態です。

話だけを聞くと事業者は何やってんの?という気持ちにもなるかもしれませんが、初めて認証をされる企業様、特に個人の方には同じように当てはまる部分が多々あると思いますので、是非そういったところは他山の石としてしっかりと学ばれてください。

前回記事でも書きましたが、認証に失敗した!という方ほど、認証を進める段取りなどを理解されていませんので、他社が難航している事例をもとに自社が有利に進められるための計画を立てて頂ければと思います。

中国輸入、アリババ仕入。中国でPSE、電波法など認証成功のためのマル秘交渉術

そしてその中で、認証代行会社である当社が行ったコンサルティングや、依頼主の方に提示しているソリューションプランについても参考になさってみてください。

 

しくじり①:アリババで見つけた工場の「PSE認証済み」という言葉に騙されてしまった

事業主のAさんは、個人レベルで中国輸入などを行っており約1年ほどのキャリアをお持ちでした。少しずつ輸入ビジネスに慣れてくる一方で、台頭する中国事業者の勢いに押され、なかなか成果に結びつかない毎日を送っていました。

その中で認証製品であれば中国事業者も参入できず、日本事業者とも差別化できると思い、当社へご依頼を頂くことになりました。

具体的な商品名は伏せますが、小型でハンディタイプのPSE製品です。この商品であればAさんも馴染みが深く、また卸売りができそうな相手も知っているので、一大ビジネスチャンスになると考え、意を決して認証に挑まれることになりました。

そして中国国内の販売代行会社を通してアリババに出店しているメーカーに連絡を取りました。

PSE認証に協力して欲しい、

そういうと工場は、うちはPSE認証をしているよ、という返事。

PSEの手間が省けると思い大喜びのAさんですが、工場から提出された証明書を見てみると、

内容に不備だらけ…

 

さらにAさんからその連絡を受けた際に、私はちょうど証明書記載されている工場住所がある深圳にいたので、その住所に行ってみると、、、


全く違う物件。。。さらに言うと、証明書に記載するのは「生産工場の住所」ですので、販売店の住所が書いてあっても何の意味もありません。

中国ではこうした住所偽造が横行しており、日本人事業者が中国工場に認証依頼をする際は、一度二度ほど直接工場を視察することも珍しくありません。

ただ、Aさんは個人レベルでやっていらっしゃるのでそこまでするは難しいかもしれませんが、中国工場の「認証している」アピールは疑ってかかるくらいの方が良かったと言えます。

端的に一言いうと、この証明書は偽物でした。単にPSEという文字が表示がされているだけの模倣証明書です。

 

しくじり②:気落ちして第二弾の行動が遅く、全体のスケジュールが遅延してしまう

Aさんに深圳での状況を伝えると、工場に支払ってしまって代金を回収するために、Aさんはまさにてんやわんやです。もちろん、焦るのは仕方ないことですし、こうしたトラブルは初めだったのでどうやって対応してよいかわからない状態でした。

ちなみに、当社からのアドバイスとして以下のように工場に伝えてもらいました。

「自分は、PSE認証をしているという条件で貴社の商品の前金を支払ったが、専門会社に確認したところ、PSE認証されていないことが分かったので返金して欲しい」。

そうすると工場側も自分たちの非を認めて返金に応じてくれました。実際、まだ材料の調達などは行っていなかったようで、資金は手つかずだったので問題なく示談となりました。

こういうアドバイスができる時点で、当社は既に単なる認証代行会社に留まらず、中国ビジネスのコンサルティング会社であると自画自賛したことをよく覚えております笑。

話を戻して、とりあえず資金は取り戻したAさんでしたが、PSE認証への野望を捨てられずどうしても認証したいとのこと。

ということなので、私が深圳滞在中に華強北電気街で見つけた当該製品の販売店の名刺をAさんに渡し、その販売店と交渉をしてみるよう勧めました。その販売店は、それなりの工場を持っているようだったので、望みがあると感じていました。

しかし、一度目で失敗して気落ちしていたのと本業(メイン業務)が忙しかったこともあり、確認作業が少しずつ遅れることになってしまいました。

そうすると、そのまま中国春節に突入し、そして世界を震撼させたコロナウィルスの感染拡大が始まり、暦的には春節が明けた時期においても工場との連絡が取れなくなってしまいました。

コロナウィルス自体は100年に一回の天災かもしれませんが、モノの考え方として、特に海外では1か月後2か月後、、、その先が今と同じ状態が続くかわかりません。

焦る必要もありませんし、ましてや相手を無理にせかす必要もありませんが、やるべきことは確実にこなしていかないと、思わぬところで話が頓挫してしまう可能性があるという、まさに生きた事例だと思います。

 

しくじり③:予期せず大量ロットの注文要求に大慌て

コロナウィルスもようやく収まりを見せ、再度工場と連絡が取れるようになりました。前回工程より、5か月以上は経っていたでしょう。

それでも工場と連絡が取れ、認証に協力してくれる約束を取り付け、当社にあらためて認証代行の依頼を頂きました。

早速、当社から工場に認証に必要となるサンプルや技術資料について連絡したところ、なぜか急に連絡がストップ。工場からの音信が不通になりました。工場から返事がないのでこちらとしてもどうしようもなかったので、Aさんから工場に連絡してもらうと。

認証協力するためには3000個購入して!とのこと。

3000個という数にAさんはパニックになってしまい、工場が暗に認証への非協力を示しているのではないかとなどまさに疑心暗鬼状態。

しかし、当社からすると3000個は確かに多いですが、そのくらいのロットを要求されるのは自然だと感じていました。

要は、PSE検査はJET認定のPSE認証電源コード(市販)を使用する必要があり、基本的にサプライヤーはバラ売りはしていないので、相応数のロットを求められることはおかしくありません。

工場が当社に連絡しなくなったのも、電源コードを3000個発注するということに自らも少しリスクを感じて、本当にこの案件を受けてよいモノか、担当者は悩んでしまっていたそうです。

そこで、当社の提案としては、

電源コードは3000個買っても良いしその分の費用は払うけど、商品は1000個発注にしてほしい、

などと交渉してみることでした。

自分にさほど資金がない=(現状)自分は小ロットでしかビジネスができないというフレームが出来上がってしまうと、いざ大ロットを言われた時に慌ててしまうことも有ります。

もちろん、誰だって小ロットで堅実にビジネスを進めたいと思うのは当然のことですが、工場側にも工場なりの理由があるので、その折り合いをどのように付けるかが交渉となります。

ここに対して慌てていたらビジネスは進まなくなってしまうのです。

 

しくじり④:まさかの工場が認証ボイコット!

Aさんは、何とか交渉をして続けて、電源コンセント1000個、本体も1000個購入するという約束で認証協力を取り付けたと思いました。

そこで、再度、当社から工場に連絡をしたら、PSE認証に必要な仕様書、回路図、部品リストを提供できない、なので認証協力はできません、という回答があり。

突然の連絡にAさんは意気消沈という感じですが、頑張って他の工場に連絡してみても回答は同じ。

中国の製造業に詳しい当社顧問とも確認して考えられる原因として、以下が挙げられます。

1.元々、どの中国工場でもこの製品をPSE認定できるほどの生産能力を持つ工場はない。

2.理由として、比較的簡単に組み立てられるので、どこの工場も技術資料などは持ち合わせていない。つまり、書類の提出は出来ない。

3.さらに、組み立ては工場ではなく家庭の内職でやっている可能性が高い。なので、2.と同じく、書類の提出ができない。

 

生産工場としては、PSE認証に協力するというのは電源コンセントを揃えるくらいで十分かと思っていたようで、実は技術資料までも必要だったのは寝耳に水という感じだったようです。

しかし、それでいて生産している商品には「PSE」と表示されたシールが貼ってあるので、同情の余地もないですし、いずれ経済産業省には厳しく取り締まっていただきたい所存です。

他人の国の法律を軽んじる輩にはそれなりの処罰が必要だと個人的には感じています。

いずれにしろ、PSE認証の可能性が八方ふさがりになってしまったAさん。本人自ら、もう認証は出来ない、しかしこれだけ認証ができないということは他の事業者も同じ状況のはずなのでどうにかして認証してビジネスチャンスを掴みたい、とあきらめきれない様子。

そこで次に当社が提案したのは。

 

日本工場で生産し、日本でPSE試験を行う

実は、当社は日本の生産工場とも付き合いがあり、特許や意匠などの問題がない限りは、中国で生産された商品を少々アレンジして日本国内で作らせることも可能です。

そういったビジネスの工程も有しているので、それをAさんに提案いたしました。

Aさんからするともっと早く言ってほしかったということですが、基本的には当社は認証代行会社ですし、お客様が指定した工場で認証するのが通常です。それがどうしてもダメな時に、代替案として提案させていただいたわけです。

次回の記事では、この案件がその後実際にどのように進んだかお伝えさせていただきます。

 

 

最後に今回のテーマに戻り、認証失敗というか認証ができなかった理由や背景をおさらいいたします。

一言で言うと、情報不足、行動力不足、そして判断力不足といえます。もちろん、中国ビジネスを始めて1年くらいということなのでこれから覚えていってもらえればよいのですし、Aさんも今回の流れでかなり勉強になったと思います。

ただ、こういったものは漫然と身に付くものではなく、常に新しい分野で挑戦しているからこそわかってくるものでもあります。

最後に少しだけ当社の宣伝をさせていただくと、当社は認証代行会社なので認証代行自体は当たり前の仕事として、お客様の中国ビジネスの様々な不足を補い、提案をさせて頂いております。

認証をしたいんだけど、そもそもどういうった段取りで進めてよいかわからない、などという方は是非一度当社にお問い合わせください。

 

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