輸入ビジネスで新規事業に取り組みたい方へ、中国展示会・見本市の攻略7つのテクニック
こんにちは。管理人の堀です。
前回記事で輸入ビジネス初心者の方がまずは行ってみるべき中国の展示会・見本市を3つ挙げました。
理由はそれぞれ取扱品目が多く、これから何かやってみたいと思っている方にはちょうど良いからです。
今回は、実際に展示会・見本市に言った際、
現場ではどのような交渉をするのか?日本に戻った後のやり取りはどうするのか?などのテクニックをお伝えします。
私が初めて中国の展示会に行ったのは、2015年10月の広州展示会でした。
最初の頃は、見るものすべてが珍しくて、会場を回りながら興奮してしまい、交渉ノウハウもなかったので、なかなかまともに交渉することができませんでした。
それでも、会場で見つけた中国人担当者にOEM発注することができ、その後のビジネスにつながっていきました。
また、あるメーカーには日本の代理店として営業許可をもらうこともできました。
その後も、広州展示会は幾度となく行きましたし、義鳥(イーウー)、深圳電気街にも行き、そこで様々な交渉ノウハウを身に付けてきました。ここに書いていませんが、他の展示会にも参加しています。
複数の展示会・見本市を見て回る中で、うまく交渉するために必要なことは基本的にどの展示会でも同じことだと気付きました。
一方、実のところ展示会・見本市会場で数年前から最近まで、現地で日本人の姿はあまり見かけません。
しかし、昨今のコロナウィルス問題で、本業だけでは立ち行かない、その本業の利益率を確保する、などの理由で中国ビジネスに参入する中小企業・個人は、これからどんどん増えていくだろうと考えています。
もちろん、しばらくは中国渡航も制限されるので、いつ実際に乗り込めるようになるのかはわかりません。
ただ、そうなった際に初めてイチからノウハウを学んでいてはどんどん周回遅れになってしまうので、今のうちから展示会・見本市での交渉術を学んでいきましょう。
Contents
【テクニック1】複数店舗を回る
面白いことに全く同じ商品を複数の店舗で扱っていることはザラにあります。そして、値段もバラバラであることが多いです。
例えば、同じ商品でも、Aでは50元、Bでは70元、Cでは40元という感じです。
値段が違う理由として、例えば、該当商品をメイン商材として作っている店や、他の商材のサブで取り扱っている店、取引している製造工場のレベルによって値段が違うなどいろいろあります。
また、微妙にデザインや機能が違うこともあります。
ちなみに、義鳥で、それまで7.5元で購入していた商品を5.5元で売っている店を発見したことがあり、大喜びで仕入れ先を切り替えたら、新しい仕入れ先は不良品だらけという経験があります。
お恥ずかしい話、ちゃんと確認しないでAmazon倉庫に納品していてお客様からの返品の嵐。一時、商品の販売が差し止められたことがありました。当時はお客様をはじめ、関係の皆様にはご迷惑をおかけしました。
安い分、作りが粗くあり、店としては不良じゃないと主張していましたが、結局以前の7.5元のお店に仕入れを戻しました。
他方で複数のお店を探し回り一番良いお店を見つけたことは何度もあります。
同じ商品を複数のお店で扱っているということを知らない人は多く、アテンドしてくれる通訳さんに言われるがままに1つの店舗だけ見て、購入をどうしようか決めてしまいます。
しまいには、値下げ交渉を始める人もいますが、時間の無駄です。
漫画の読み過ぎなのか、未だに海外店舗はぼったくるというイメージを持っている人も少なからずいらっしゃいますが、路面店でもない限り、正規の店では基本的にそんなことしません。
まだまだ中国を下に見ている人も多いかもしれませんが、あまり無理な値段交渉をしていると逆にバカにされてしまいますし、日本人として恥ずかしいですよね。
値段を下げたかったら、何店も回って一番良い条件のお店を探すこと。これも経営努力の一つです。決して、値下げ交渉することが経営努力ではないということを覚えておきましょう。
【テクニック2】サンプルを持って行く、サンプルを買う・もらう
義鳥などでは、既製品の購入だけではなくOEM生産に応じてくれることも良くあります。ブースの担当者と交渉すると、その場で工場に電話してくれて、条件などを確認してくれます。
その際に大事なのは、作ってもらう商品のイメージとなるサンプルを持参しておくことです。OEM生産に応じてくれるとなっても肝心のサンプルが無ければ、日本に戻ってまた送って、となるので大変な時間ロスとなってしまいます。
一回の出張で何件もサンプル交渉を予定していると、1個だけではなく複数種類のサンプルを持って行くことになり荷物も重くなりますが、そこは頑張って運びましょう。
また、できればサンプルは2個必要で、一つは工場用、もう一つはサプライヤー用です。
サプライヤーにも渡しておくと、メーカーが作ったものがイメージ通りにできているか中国で簡単にでもチェックしてくれます。
それが無いと、サプライヤーも確認できないので、出来上がりがそのまま日本に来て、そこからイチから調べているとまた時間が掛かってしまいます。
サンプル代が高くついてしまいますが、そこはビジネスだと思って投資しておくことをお勧めします。
一方、OEM生産ではなく、店で扱っている商品をサンプルとして1~2個商品が譲ってもらいたいが、店がそれに応じてくれないという話はよく聞きます。
義鳥・深圳の見本市であれば、正規の金額より少し多めに支払えば大体譲ってくれます。また、前項でも書いたように同じような店を何件か回ってみるか、もしくは、メーカー本社の名刺をもらって、日本に戻ってから本社に問い合わせてみるなどのやり方があります。
広州の展示会でも、その場では譲ってくれないこともありますが、例えば、展示会が終わるタイミングに譲ってくれたり、とりあえず名刺をもらって帰国後に交渉してみるなどのやり方は沢山あります。
一度、サンプル要求を断られたからと言って、諦めずにいろいろ試してみましょう。
義鳥のブースで持参したサンプルと既製品を並べている図
【テクニック3】名刺は中国語と英語で作る
当たり前の話ですが、現地では日本語は通じません。一緒に中国に出掛けた人の中には、普段使っている日本語の名刺を持ってくる人がいるので驚いてしまいます。
最悪、メールアドレスさえわかればなんとかなりますが、自分自身で置き換えてみて、日本国内で外国人と名刺交換する場合、相手が母国語の名刺を出して来たら「なんだこいつ、舐めてんのか!?」と思いますよね。
展示会などでは基本的にこちらがお客なので、向こうもそれで怪訝な顔をすることはないでしょうが、中国視察専用の中国語・英語名刺を作っておけば、受け取った側とも良好にコミュニケーションできるようになりますよ。
また、事務所住所(荷物の送り先住所)を載せておくと、いざサンプルを送ってもらうとなった時に便利です。
名刺に載せておくべきポイントは以下です。
・会社名(屋号)
・肩書
・名前
・住所
・wechat ID
・(必要に応じて)skype ID
【テクニック4】wechatを使いこなす
wechatをご存じない方に説明すると、一言で言うと中国版LINEです。
中国国内では、GAFAなどアメリカ系のITサービスや、日本のITサービスなど、海外の多くのITサービスの利用が国家統制下にあります。つまり利用制限されています。
特殊のITサービスを利用しない限り、中国ではGoogleやAmazon、そして日本のLINEなどは使えないのです。
その代わり、ユーザー間のコミュニケーションツールとしてはwechatという名前の、いわば日本版LINEが多くの中国人に普及しています。
このwechatの優れた点として、翻訳機能が付いていることで、例えば私が、「こんにちは」と日本語で中国人に送ったメッセージに対して、その中国人が翻訳機能を使うと、「你好(ニイハオ)」と翻訳して表示されます。
これがあれば、展示会場などで担当者とwechatの交換をして、メッセージでやり取りすることが可能です。
もちろん、通訳の方が傍にいれば頼ればよいのですが、自分一人で少し動きたい時などは便利です。
しかし、wechatは日本人でも利用することができますが、最近、利用者数が増えすぎているためか、新規登録をするためには、既にwechatに登録して、wechatPAYにも登録している人の承認作業が必要です。
そのやり方を書き始めると長くなるので割愛しますが、とりあえず、wechatおよびwechatPAYに登録している人を探してみてください。
【テクニック5】帰国後のメールはgoogle翻訳で十分
通訳さんもいる中で一通り商談を終えて、日本に戻ってからいざ中国人担当者で交渉をしようとした際に悩むのは、何語でメールすればよいのか?
私のおすすめとしては、英語です。
英語なんてできない!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的に中学英語ができるくらいであれば問題ありません。
英文作成自体もGoogle翻訳を使えば十分に相手に伝わります。実際にお互いが片言の英語同士でも十分にコミュニケーションはできるもので、それでサンプル購入や製品購入などを行ったこともあります。
完璧な英語を目指す必要は全くありませんので、まずは連絡してみるという気持ちを大切にトライしてみてください。
【テクニック6】実際の購買はサプライヤーに依頼する
少量のサンプルくらいであればメーカー(工場)の担当者から直接送ってもらっても良いですが、大きな荷物になったり、Amazon倉庫などに直接納品してもらう必要があれば、サプライヤーに発送手配を代行してもらうようにしましょう。
理由は、工場はあくまで生産するのが仕事なので、生産したものを物流に載せて小売りの現場まで届けるというノウハウが圧倒的に不足しています。
もう少し端的に言うと、平気で高い航空便を使ったり、検品などしない、ということです。
サプライヤーは、安い航空便やスピードの早い船便など物流にも詳しいですが、工場担当者はDHLかFedexしか使いません。こんな高い便を使っていたら利益を圧迫するだけです。
また工場は検品ノウハウもないので、日本に届いてみたら不良品の山、ということにもなりかねないので、しっかりと中国国内で検品をしてくれるサプライヤーを絡ませるようにしましょう。
中国語でやり取りしてくれるので、片言の英語のやり取りだけでは気付かない部分も拾ってくれるので大変便利ですよ。
【テクニック7】何回も行く(観光も楽しむ)
とりあえず1回行ってみるのは大事ですが、出来たら複数回行くようにするのが大事だと思います。
結局、中国ビジネスがうまくいっている人は、何回も中国に行っています。うまくいっているから何回も行くのか、何回も行っているからうまくいくのか、どちらなのかはわかりませんが、やはりうまくいっている人は何回も行っています。
理由として、何回も行っていると関連する現地の人と仲良くなっていろんな情報が手に入るようになったり、あれだけ広いと思っていた展示会・見本市会場にも慣れてきて隈なく商品を探せるようになってくるのです。
そうした時に思いがけない商品に出会ったりします。
現在、当社の売れ筋商品の一つも、3回目に行った義鳥・福田市場の片隅にあるブースで発見しました。
この商品は取扱いをしてから4年も経ちますが、まだまだ売れ続けていて、当時の渡航費用の何十倍も利益をもたらしてくれています。
インターネットが発達していますので、必ずしも現地に行くのは効率的ではないということも理解できますが、繰り返しになりますが、不思議なことにうまくいっている人は時間を作って何回も中国に行っています。
成功は移動距離に比例すると言われていますが、まさにそういう感じですね。
ただ、ビジネスの為だけに何回も行っていると飽きてくるのも事実ですので、例えば、現地の美味しいお店などを見つけておくと、次にまた来る気力にもつながりますので、そうしたことにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
諦めずにしつこく続けること
自分で書いていてあらためて思いますが、やはりビジネスをうまくいかせるにはしつこくやるしかないというのが実感です。
商品の値段を下げるために何件も店を回ったり、サンプル一個もらうためにいろいろ交渉したり、何度何度も海外出張したりと、サイドビジネスと言えどもやはり仕事なので厳しい側面も多々あります。
ちょっとうまくいかないと簡単に諦めてしまう人が多いのも事実ですが、それはうまくいかせる為のノウハウを知らないだけであって、ある程度やり方がわかっていれば比較的支障なく続けられるのではないかと考えています。
ここで書いてあることを参考に、じっくりと中国輸入に取り組んでみてください。
義鳥で美人通訳さんとの食事、こういうのもすごく楽しかったりします
ご飯が山盛り過ぎて思わず笑ってしまいます
展示会・見本市以外でも現地の暮らしを知ることはビジネスでも大変勉強になります
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