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PSE、PSC、電波法など許認可認証が進まないのは●●●のこと知らないことが原因!?

 2023/08/17 PSC PSE 認証の原理原則 電波法
この記事は約 8 分で読めます。 523 Views

こんにちは。管理人の堀です。

PSE(電気用品安全法)、PSC(消費生活用製品安全法)、電波法、その他いずれの許認可認証について、工場がなかなか協力してくれずに話が進んでいかない、という声が多くあります。

もう少し具体的に言うと、製品に関する技術資料をなかなか提供してもらえないという点も一つ挙げられます。

技術資料?

 

と、機械の設計開発・生産に携わったことがない方はイメージがしづらいかもしれませんが、機械製品を作るためには回路図、ブロック図、部品リスト、部品証明書、PCBレイアウトなどの資料が必ず存在します。なければ製品を作ることができません。

詳しくは後述しますが、許認可認証をするためにはこうした資料の提出を求められるのですが、生産工場はこうした資料を出したがりません。

それはあくまで工場の協力意思の問題です。

それにもかかわらず、資料が提出されないのは認証代行会社の責任だと揶揄されたこともしばしばありました。事前にも説明していますし、そういわれた際にも都度説明していますが、それはお門違いも良いところです。

今回は、何故技術資料提出の要求が難しいのか、という点とそれを打開するセオリーの方法についてお伝えしていきたいと思います。

 

許認可認証試験で提出を要求される主な資料

日本の認証試験を行うために、生産工場には、電気回路図、電気ブロック図、PCBレイアウト、使用している部品のリスト、各部品が認証取得している証明書、などの資料提供を行ってもらいます。

製品によって提出する資料は変わってきます。あくまで一般例です。

電気回路図(電気設計、内部構造を端的にまとめた図面)

 

電気ブロック図(製品の構成要素と、その繋がりを線で簡潔に図示したもの)

 

PCBレイアウト(プリント基板にパーツを配置するのをレイアウト)

 

これらに加えて、使用部品のリストや各部品の認証証明書などが必要になってきます。部品に関して言うと、生産工場が自ら製作したものやその辺の工場が作った亜流のものではなく、部品メーカーによる正規品であることが求められます。

実は、部品一つとっても大変に神経を尖らせて作られているものであり、そうしたものではないとPSEや電波法などの許認可認証に合格することはできません。

 

こうした情報は工場にとって命と同じ

その世界にいないとなかなかイメージしづらいですが、技術資料や部品の情報などはまさに工場にとって命と同然。何故かと言うと、その情報があれば、他の工場で同じものを生産することが物理的に可能だからです。

当然、そうなると工場側としては、こうした情報は機密資料として外部に出したくない、という意見が出てきます。

この辺の事情が理解ができていないと、

工場は資料を出したくないらしい、けしからん!

 

ということになってしまうのですが、それはあまりにも生産工場の実態を知らない浅慮な意見です。まずはそうした事情を知りましょう。

しかし一方、「出してくれない」では日本の認証試験は出来ませんので、工場と資料を取り扱う認証代行会社、検査機関などとある契約を結ぶ必要があります。

それが、NDANon-Disclosure Agreement 機密保持協定です。

当社では、その段取りを取らせてもらってお客様のサポートをいたします。

生産工場だけではなく、完成品を扱う事業会社同士であっても、案件を進める前に製品の情報が漏れないようにNDAを締結することはしばしばあります。

 

工場はなぜこうした資料を出したがらないのか

先述したように、技術資料が第三者に漏洩されるリスクがあるからです。そもそもとして、検査機関は第三者機関なんだから秘密を漏らすわけがないというのは日本人の発想です。

しかし、世界を相手にビジネスを行っている海外・中国工場としては、そのくらいの用心は必須です。特に、資料の提供は一担当者の一存では決められません。生産工場が技術資料の提供を躊躇っているという情報があれば、こちらからNDA締結を打診してみてください。

もちろん、NDA締結などしなくても普通に資料提供に応じてくれる工場も沢山ありますが、相手が大きな工場、新製品を開発している工場、親工場から資料をもらって作っている下請け工場などは、資料は出せない問題に直面することは少なくありません。

しかも工場のその判断は間違っていません。

こうした事情が背景にあることをしっかりと踏まえたうえで、判断するようにしていってください。

しかし、特に初めて利用する検査機関にNDAの打診をしても、けんもほろろにスルーされてしまうこともあるかもしれません。(自分たちは情報漏洩をしないという立場にある)検査機関も余計な契約を結びたがらないのが本当のところです。

そうした調整は依頼主側でしてください、と一蹴されてしまう可能性も否めません。

ただ、そうは言ってもNDAという通行手形のようなものがないと認証を進められないのであれば、交渉のプロである認証代行会社の利用も必須になってくるかもしれません。

 

検査機関は資料の漏洩はしないのが当たり前!だけどNDAは必須

製品に関するNDA締結というと、海外工場はうるさいなーと思うかもしれませんが、実際のところ、モノづくりをしている工場であれば万国共通の話であります。

例えば、当社で国内生産メーカーの方に対して、許認可認証をする際に部品サプライヤーの方から回路図を提供していただきたいと伝えると、国内サプライヤーの方から「NDAを締結してもらいたい」と要望がありました。

関係各社が良識に基づいてビジネスをしているのであれば、情報漏洩などあり得ないと思いがちですが(実際にそうですが)、やはり万一何かあった際の責任の所在や、杜撰な管理なく正しく情報を扱わせるためにも、何かしらの取り決めは必要であるというのは常識と言えます。

そう考えると、NDA締結を求めてこない工場は、確かにこちらの手間は省けますが、「この工場の情報管理体制は大丈夫なのか?」と感じてしまうこともあります。

 

NDAの書式は自由

ちなみに、NDAの標準フォーマットのようなものは特になく、普段事業者が使っているフォーマットで十分です。

あくまで何か問題が起きた際の念書のようなイメージです。

 

中国よりもアメリカの方が厳しい

コピー大国・中国といわれ、中国生産工場によるNDA要求も厳しいですが、アメリカなどはさらに厳しい場面が多くあります。

とくにアメリカでは最先端技術で製品を作っていることもあり、極力外部に資料を提供したがりません。中には、NDAを結んだのにもかかわらず結局、資料提供されず許認可認証が頓挫してしまったこともあります。

なので、当社からは、開発・生産がアメリカであれば、試験前にかなり念入りな交渉が必要であるとお伝えするようにしています。

 

実際に検査機関が資料漏洩しなかった当社事例

以前に、当社が自ら許認可認証を行い、販売していたワイヤレスプレゼンター(PSE)が第三者機関による流通後規制(試買テスト)の対象になったことを記事にしました。

PSE、PSC、計量法、電波法技適などの認証後が気になる方に、自主検査などの5つのコツを伝授!

そこにある「試買テストに関する体験談」の一節。

11月の中旬くらいに、記憶は曖昧ですが、経済産業省より試買テスト事業を委託された一般財団法人 製品安全協会の担当者の方から電話を頂きました。

 

貴社のプレゼンターが試買テストの対象となったのでご協力いただきたい、とのことでした。

 

どのように協力するものなのか確認したところ、製品購入は自分たちでするので技術資料を提供してほしいとのことでした。

 

技術資料は中国工場に保管されているものであり、工場にとっては機密文書なので工場が応じてくれるかわからない旨、返答すると、その内容で一度、経産省に確認してほしいとのことだったので、聞いてみると、

 

提出ができない場合はそれで問題ないし、それによる不利益は発生しないということでした。

 

最終的に技術資料の提出は叶いませんでしたが、製品の購入はされたようでした。

 

実は、委託された行政機関は、当社がPSC試験をしたJQA(一般財団法人 日本品質保証機構)に対して資料提供を求めたそうなのですが、JQAに断られたようです。それで、当社にも資料要求をしてきましたが、当社も断った形になります。

要するに、検査機関は第三者機関として立場を守りますし、余計なもめ事に巻き込まれたくないので、そうした資料提供(情報漏洩)にはかなり厳格に対応いたします。

もちろん、所定の手続きをすれば、本当に検査をしているかどうかの回答はしてくれるようです。中には、ちゃんと検査をしていないのに、ラベルだけ偽造する悪徳業者もいますので、その辺は要注意です。

いろいろ書きましたが、とりあえず許認可認証を進めるためにはNDAがかなり重要な存在であるということを覚えておいてください。

 

 

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