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【認証事例】農業トレーラーに設置するトレーラーライトの電波法認証をサポート

 2021/08/04 中国ビジネス 事例 認証の原理原則 電波法
この記事は約 10 分で読めます。 1,419 Views

今回のお客様・株式会社アグリダイレクト様は、北海道十勝で農業用機械、トラクタータイヤ、機械・部品などの輸入・販売を行う農機具販売店様です。

トラクターやタイヤなどの農業用品の輸入販売を通して、日本の農業発展に尽力、「世界の農業」と「日本の農業」の架け橋となるべく、より良い製品の提供に日夜励んでいらっしゃいます。

今回の製品では、当初、生産元のヨーロッパ経由で日本の電波法認証(技適)を行おうとされていらっしゃいましたが、諸々の事情で諦めざるを得ず、今度は中国での生産工場を相手に認証を考えるものの、中国ビジネスに関するノウハウが無かったとのこと。

そうした際に、電波法認証✕中国の強みを持つ当社の存在を知り、ご連絡を頂くことになりました。

正直なところ、通常の電波法認証案件と考えていたので、それほど大きな問題無く進むかと思っていましたが、本当に色々なことがあった案件でした。

今回、当社にご依頼頂いた経緯や、認証中のエピソード、電波法認証に取り組まれた感想などを、株式会社アグリダイレクトの大島拓海様にお伺いしました。

アグリダイレクト様の本社屋

 

ご依頼主様

株式会社アグリダイレクト
農機、JCB営業部 大島拓海様

インタビュー:INSIGHT WORKS株式会社 堀

公式HP:http://www.agridirect.jp/

 

INSIGHT WOKRSに認証をご依頼頂いた経緯

ワイヤレストレーラーライトとは

堀:まずは、電波法認証を行ったトレーラーライトのご説明をお願いします。

大島様(以下、大島):はい。農業に関わりが少ない方はピンと来づらいかもしれませんが、一言で言うと、農業トレーラーに無線で設置する灯火類(バックライト)のことです。

堀:私も、今回のご依頼で初めて知りました。この製品を活用するに当たって、法改正などがあったのでしょうか?

大島:2019年4月、国の規制緩和があり、農業トラクターに作業機をつけての公道走行が認められました。また、同年12月から農業トレーラーも規制緩和の対象になり公道走行が認められました。

大島:しかし、公道走行をするには保安基準を満たす必要があり反射器、灯火類を装着しなければなりません。従来の灯火機は有線がほとんどで、「取り付けに電装屋を呼ぶ」、「配線を外的要因で傷つかないように取り回しをする」、「1台ずつ取り付けるなど」など、時間もコストもかかってしまっていました。

大島:そうした中、ワイヤレストレーラーライトは工事などの煩わしいことなく、入手したその日から使用できます。また、配線が無い為使用中に断線して使えなくなることもありませんし、マグネットで脱着をするので機械が変わっても簡単に取り替え可能で、コストパフォーマンスに非常に優れた商品です。

大島:近年、トラクターなどの事故も増えており、安全面に気を配るお客様に対して非常に重宝されるだろうと考え、この製品の導入を決定しました。

堀:大変画期的な製品ですね。それを海外で見つけられたのですか?

大島:コロナ前のドイツ農業機械展示会「アグリテクニカ」でイギリスメーカーが出品しているのを見つけました。「これだ!」と思い、商談を行い、サンプルを入手して、さあ、いよいよ日本で販売だと思っていたら、実は、日本で販売する為には電波法認証が必要だということを知ったのです。

トレーラーライト

 

INSIGHT WORKSでないと電波法認証が行えなかった

堀:当社へは、貴社の元スタッフでコンサル会社を経営されているAさんからご連絡を頂きました。大変英語が堪能な方でした。

大島:Aさんは時折、当社の海外ビジネスのサポートを頂いています。貴社にご依頼した経緯を話せば長くなるので、かいつまんでお伝えします。

大島:製品のメーカーはイギリスにありますが、生産工場は中国にあります。まずは、イギリスメーカーに日本の電波法を取得したいと、当時付き合いのあった認証代行会社を経由して依頼しました。

大島:しかし、イギリスメーカーは日本の電波法を全く理解しておらず、中国工場にたらい回しされて、中国工場に連絡してみたら、今度は、サンプルで用いるソフトウェアや技術資料は本社の了承がないと提供できない、という堂々巡り。

大島:このままでは埒があかないと思い、メーカーを替えてみたり、代行会社を替えてみたりしましたが、結局同じような結果の繰り返し。そこで、Aさんの知人がインターネットで見つけたINSIGHT WORKSさんに声掛けさせてもらいました。

堀:Aさんからご連絡頂いて感じたのは、「認証代行会社が何もしていない(だろう)」ということでした。代行会社の仕事の定義は、会社によってまちまちですが、少なくとも当社であれば、最低限の交渉は工場(メーカー)と行います。

堀:もちろん、それでも魔法使いではないので、突然ある日、すべての資料が揃っているということはありませんが、工場側に必要な資料を説明し、提出を促すようにはします。アグリダイレクトさんが最初に委託した代行会社は、メーカーが出してきたモノを確認する、資料要求は依頼主の責任、というスタンスである印象でした。ハッキリしたことはわかりませんが。

大島:私も今となってはどうなのか本当のところはわかりません。ただ、また新しく見つけた中国工場に、日本の電波法認証について中国語で説明・代行が出来るということで、INSIGHT WORKSさんに依頼をすることにしました。

 

最初は順調と思われた認証に暗雲が立ちこめる

堀:認証に協力してもらう為に、工場に商品代金などの前払いなどを済ませて、認証がスタートしました。最初は工場も技術資料の提供などにも快く協力してくれる雰囲気でした。

大島:正直、やっと電波法認証ができる!と嬉しい気持ちで一杯でした。ところが、急に技術資料は提供できないと一点張り。頭の中が真っ白に。。。

堀:私も、Aさんからお話を聞いて、かなり驚きました。しかし、いきなり説得モードになっても工場との良好な関係は築けませんので、少し様子を見ることに。しかし、いつまで経っても「出来ない」の一点張りで、前金をもらっているのにさすがにそれはひどいと思い、工場、Aさん、当社でSkypeのオンラインミーティングを開き、工場側の意見を聞くことしました。


オンラインミーティング風景(左上が工場セールスマネージャー、右上がAさん、中央が代行実務者)

 

堀:工場側にあらためて確認してみると、「資料は出せない」、「組み立て工場なので(ソフトウェア入り)テスト用サンプルは出せない」など、課題は山積みでした。

堀:これでよく、最初に説明を聞いて日本の電波法認証を引き受ける、といってモノだと感じました。

大島:根本的に理解していなかったのだと思います。

堀:そうした状況を踏まえて、代行実務者から、技術資料を外部に出せないのであれば検査機関とのNDA締結をサポートすると説明し、ソフトウェア入りのサンプルの設定方法の説明についても、中国語でかなり念入りに行いました。

堀:こういったことが出来るのが当社の強みの一つです。しかし、長くなるのでこの後のことは割愛しますが、工場も電波法認証に向けて動き出してくれたのは事実ですが、まさにそれは亀の歩みという感じでした。

大島:待てど暮らせど進捗が無く、一体どうなるのだろうという不安でいっぱいでした。

 

そしてある日突然、認証終了の報せが訪れる

大島:先ほど、堀さんが魔法使いの話をしていましたが、本当にそのような経験でした。いつまでも決着が見えない工場の対応に憤る日々が続いていましたが、ある日突然、工場から、

「長いこと待たせていてすみませんでした。認証が終了しました。」

というメールが来たのです。

堀:これには私もびっくりしました。工場には催促するたびに、「今やっています」という回答の連続であり、必要なことは全部伝えていたので、それ以上言うと、逆効果になると思い、検査機関の担当者に進捗あれば知らせてください、と伝えていました。

堀:すると、その担当者がいつの間にか退職しており、、、最終の情報が当社にも入ってこない状態でした。慌てて検査機関に確認してみると、確かに認証は終了したとのこと。

堀:Aさんにも電話でお伝えすると、歓喜の声を頂きまして、こちらも大変嬉しくなりました。

大島:時間が掛かったことは事実ですが、あのオンラインミーティングで、工場に軌道修正を掛けて頂き、ここまで辿り着くことが出来ました。

 

INSIGHT WORKSの良かった点

どうにか解決しようとする実行力

大島:先ほど申し上げたように、当社のみで認証をしようとした際は、メーカーからさじを投げられたり代行会社との専門的なやり取りが上手くいきませんでした。結果、時間をかけたのにも関わらず、成果がゼロの状態。

大島:他の代行会社もいろいろ仕事の進め方はあると思うのですが、御社は、通常の認証代行業務とは別に、生産工場とのオンラインミーティングを提案してくれるなど、何とか認証を成功させようとする意気込みを感じました。

堀:当社は、認証に関してやれることはやるというスタンスですので、それは当然のことかなと思っています。今回の工場も時間こそ掛かりましたが、そもそもミーティングの場に参加してくれるということは、本人たちもやる気はあったのだと思います。ただ、サンプル制作などを実行するためのノウハウがなかっただけなのかなと。

大島:今後は、工場とも長い付き合いが出来そうな気がしています。

 

ネットワークを駆使した代替案の提案

大島:実は、今回工場では埒があかないと判断し、堀さんのご紹介で、中国の別工場を紹介してもらったことがありました。認証実務の方とは別に、中国現地に日本人サプライヤーの方がいらっしゃり、その方を通して別工場との取引寸前の状態。

堀:その矢先に、認証終了の連絡でしたね。

大島:いろいろ段取りしてくださったサプライヤーの方には申し訳ないですが、まさに間一髪です。

大島:ただ、INSIGHT WORKSさんの中国ビジネスに関するネットワークはよくわかりましたので、今後、中国関連のビジネスをする際は、是非お声掛けさせていただきたいと考えています。

 

一つ一つの会社に寄り添ってくれるビジネススタイル

大島:認証を進めている間に、北海道に在住している当社ですが千葉県・幕張メッセの展示会に出展することがあり、その際、堀さんと代行実務者の方がいらっしゃってくれました。認証が長引いている経緯のご説明とともに、リアルでご挨拶がしたいということで。

堀:自分で申し上げるのも恐縮ですが、当社では多種多様なお客様がいらっしゃいますが、時間の関係上、そのほとんどがオンラインミーティングや電話だけの連絡となってしまいます。ですので、お客様とお会いできる機会がありましたら、出来る限り直接お話しさせていただきたいと考えています。

堀:認証は費用が高いものですし、特に、少し難易度が高い案件については直接ご説明差し上げる方が、結果としてお互いに納得のある仕事ができるのかなと思います。

大島:実際に展示会までご足労いただいたのもありがたかったですし、電話などでお話しさせていただいていても、INSIGHT WORKSさんの対応には安心できる部分が多かったです。

展示会での様子

 

認証を終えてから

堀:認証終了後のビジネスについていかがでしょうか?

大島:難易度の高い認証だった分、この市場では当社が先行できると考えています。あとはやるだけです。

堀:認証に時間が掛かってしまったことは事実でありますが、それでもこうしてインタビューにお付き合いいただけたということは、当社のサービスを評価していただいていると理解しております。是非今後ともお付き合いさせて頂ければと思います。

堀:今回はありがとうございました。貴社ビジネスのますますのご発展を祈念しております。

 

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