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Anker、AUKEYがFMトランスミッターで電波法(技適)違反!? 事件の経緯とその背景、トランスミッターの製品概要について解説

 2021/02/13 PSC PSE コラム 時事ネタ 認証の原理原則 電波法
この記事は約 9 分で読めます。 172 Views

こんにちは。管理人の堀です。

以前、2020年6月に問題となった楽天モバイルの電波法違反について言及した記事を書きました。

楽天モバイル電波法(技適)違反!? 事件の経緯と今後予測できる3つの電波行政

 

今回は、今年2月に、電波法の管轄省庁・総務省の「無線設備試買テスト」によって公表されたAnker、AUKEYのFMトランスミッターの電波法違反事件について触れたいと思います。

 

電波法違反の事件経緯

かなり多くのネットニュースで事件が取り沙汰されていますが、比較的わかりやすい内容になっていた2つの記事を引用させていただきます。

 

総務省は、発射する電波が電波法に定める著しく微弱の基準内にあるとして販売されている無線設備を購入して電波の強さの測定を行う取り組み(無線設備試買テスト)を実施しているが、その最新版「令和2年度掲載分(第1次)」の結果を発表した。
テストの結果、アンカージャパンの車載用FMトランスミッター「Anker Roav FM Transmitter F0」、AUKEY internationalの車載用FMトランスミッター「BT-C4」は、微弱の基準の許容値を著しく超えることが明らかな無線設備と判断している。

 

Anker Roav FM Transmitter F0

 

AUKEY BT-C4

 

引用:IT media news_総務省、Anker、AUKEYのFMトランスミッターを電波法違反認定

 

 

アンカー・ジャパンは、電波法の定める基準値よりも高い電波強度が確認されたFMトランスミッターを自主回収し、購入代金を返金する。

同社は、自主回収する製品はいずれも人体に影響を及ぼしたり、他の機器を破壊したりする危険性はないものの、他の無線局との混信や電波障害が発生しないように定められた基準値を上回る製品は、電波法によって利用が禁止されているため、既に購入済みであっても利用を中止し、特設窓口への連絡を呼びかけている。

 

対象となるFMトランスミッターは以下の4製品。

以下略

引用:ケータイ Wacth_Anker、電波法違反のFMトランスミッター4製品を自主回収

 

AnkerやAukeyといえば、中国系のガジェットメーカーで日本でもAmazonを中心に手広く展開をしていました。名前を聞いたことがある方も多いかも知れません。

事件の内容を単純に言うと、AnkerやAukeyが販売しているFMトランスミッターが発する電波内容が、日本の電波法基準外にあったということです。

それが総務省の行っている試買テストの対象となり、摘発(注意勧告)ということになりました。この試買テストというものは、市場に出回っている認証対象商品が本当に認証の基準を満たしているか、管轄省庁によってチェックされることを指します。

経済産業省でも管轄している、PSE、PSCなどの対象製品の試買テストは毎年行われています。試買テストについては、当オウンドメディアに記事を書いているので、そちらもご参考にしてください。

PSE、PSC、計量法、電波法技適などの認証後が気になる方に、自主検査などの5つのコツを伝授!

 

それなりの企業でもちゃんと認証が出来ていない現実

前回書いた楽天モバイルのように、それなりの規模を有する企業でさえも認証をきちんと行っていないという現実があります。逆にそれほどの規模でない立場の人間から言うと、そんなこともあるんだ!というのが率直な印象です。

しかし、実際の世の中ではよくある話で、だからこそ国のチェック機能があるわけです。また、小規模事業であっても決してお目こぼしがあるわけでもないので、やはりちゃんとやるべき認証は済ませておかなければなりません。

「電波法」なんて関係事業者でなければ、ほとんど気付かない話だと思いますが、それでも誰も見ていないようで、しっかり見ている人間はいるんだと認識しておきましょう。

 

おそらくは第三者からのタレコミでは無いだろうか

と言いつつ、じゃあ誰が見ているんだということになりますが、恐らくですが、競合他社などによる通告という説はあるのではないかと考えています。

総務省にしても経済産業省にしても、無数いる販売事業者の中から、怪しい事業者をピンポイントで探り当てるのはかなり厳しいのではないかと個人的に感じています。

一方で、この人たちもお役人ですので、「試買テスト(=調査)しました!何事もありませんでした!」という報告はしづらくあり、何かしら問題があってくれないと困るという現実もあるのです。要はお土産ですね。

私も以前、行政機関であるJETROで働いていたので、何となくそういう空気感もわかるつもりです。もちろん、確かなことではなく個人的な憶測ですが。

取り締まる方も何となく怪しいところの当たりは付けているもので、いろいろな情報網は有しているのでしょう。結局のところ、ちゃんと認証を行っていれば全く問題ない話ではありますが、自分自身でグレーもしくはブラックであるという認識があれば、早急に認証を行うか、そもそもその製品を扱うことを止める、という決断をした方が良いと思われます。

ちなみに、今回の総務省の電波機器試買テストの結果ページです。ご参考ください。
総務省_電波法利用ページ_無線設備試買テストの結果について

 

正直実害は少ないが、ブランドイメージはかなりマイナス

このオウンドメディアでは何回かお伝えしていますが、電波法違反は販売業者ではなく使用するユーザーに罰則が科される法律ですので、今回もAnkerやAukeyを処罰する法律は存在しないのです。

製品回収にしても義務ではなく、事業者の自主的な行動という位置付けになるでしょう。正直なところ、回収に反応するユーザーがどれくらいいるかもわかりません。

ちなみに、以前当社でも競合事業者のワイヤレスプレゼンター(PSC対象品)を試し買いしました。その一か月後くらいに経済産業省の指導があったようで、事業者から製品回収の連絡をもらったことがありました。決して、当社が通告したわけではありません笑。

その際は、購入して間もなくだったので回収の呼びかけに反応しましたが、今回のAnkerのように発売してから数年も経っているようであれば、初期の頃のユーザーは恐らく回収に反応しないでしょう。買ったことすら忘れているかもしれません。

要するに、回収費用などの実害はそれほど大きくないと推測されます。

しかし、一方で、そういった製品を販売していたということで、ウェブニュースはずっとネット上に残りますので、違法業者の謂れはなかなか消えないでしょう。先日書いたノベルティの電波法違反の会社の記事もずっと残っています。

ノベルティグッズの会社様、企業のノベルティ担当者様、御社の販促品はPSE・PSC・電波法などの認証はキチンと行っていますか?

 

それが大手企業であれば何とか乗り切れるかもしれませんが、中小規模の企業であれば、そうした悪名はコンプライアンス的にかなりの痛手なることは容易に想像できます。また、大手のように規模で悪名を凌駕できず、いつまでも悪名を引きずる可能性もあります。

以前に電波法認証したお客様でも、コンプライアンスに厳しい業界なので電波法違反などをしたら生き残っていくことはできない、という方もいらっしゃいました。

金銭的なのか、信用問題なのか、いずれにしろ相応の負担を強いられることは間違いないでしょう。

一方で、経産省管轄のPSE、PSCは販売事業者に対して、罰金・懲役などを科すことでき、違反した場合の要求はもっと厳しい可能性がありますので、その点は予め認識しておきましょう。

 

ちなみに、そもそもFMトランスミッターとは?最近話題のガジェットのひとつ

最後になりますが、FMトランスミッターとは何なのか、簡単におさらいしておきます。

 

FMトランスミッターは、iPhoneなど接続した機器(スマホ)の音楽を車内のFMラジオで流すことができるオーディオ用アクセサリーです。これまで、車内で音楽を流すとなると、CDなどを用意する必要がありましたが、スマホがあればすべて足りてしまいます。

車内での余計なスペースが省力出来るわけです。

また、家庭内のテレビ用Bluetoothトランスミッターもあり、テレビの音をワイヤレスのイヤホンで楽しめるツールとなっています。

こちらも現在大変人気のようで、特に、ご年配の方と同居されている方などは、お年寄りがテレビの音を気にされることも多く、こうしたトランスミッターが重宝されているというニュースも出ています。

どちらのパターンでも、コロナウィルスの影響が色濃くある現状の中で、車内・家庭内をより快適に過ごすツールとして、益々必要性が高まってくること予想されます。

いずれにしても、これらは間違いなく電波法認証が必要ですので、製品を今後販売されたい方、現在販売しているけどこの記事を見て不安になった方などは、まずはお気軽にご相談いただければと思います。

 

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