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電波法認証で権利一部譲渡という方法でお安く型式追加した事例紹介

 2020/11/03 中国ビジネス 事例 認証の原理原則 電波法
この記事は約 7 分で読めます。 59 Views

こんにちは。管理人の堀です。

総務省ホームページの電波法に関する「基準認証制度についてよくある質問(FAQ)」コーナーに、下記内容が記載されています。

 

質問48
工事設計認証を受けていますが、部品の納入業者の都合上、工事設計書の「送信機の型式又は名称」を変更する予定です。登録証明機関で工事設計認証を受け直す必要がありますか?

 

回答48
工事設計認証を受けた時に提出した「工事設計書」の記載事項について、その一部にでも変更が生じるような設計変更は、異なるタイプとして、登録証明機関で認証を取り直して頂くことになります。「送信機の型式又は名称」の欄の事項は、無線設備の特性を大きく左右する事項として記載を求めており、その変更の場合は工事設計認証を受け直す必要があります。

なお、登録証明機関は、既に技術基準適合証明等を受けた工事設計等に関して、軽微な変更を行った工事設計に基づく特定無線設備についての工事設計認証に関しては、その審査の一部を省略することができます。送信機の特性に大きな変更がないと確認できるのであれば、登録証明機関の審査は簡易なものになると期待されます。

 

総務省ホームページ:基準認証制度についてよくある質問(FAQ)_1.技術基準適合証明(技術基準適合認定)制度_(1)度一般について

 

かなり長い文章ですが、今回ご紹介する事例のポイントとしては太字部分です。

これって要は、電波法認証をした製品内部のモジュールや仕様が変わってない限り、軽微な筐体の変更、単純な型番変更などは各登録証明機関(検査機関)の判断によって、簡単な(書類)審査で済ませてよい、ということであると解釈もできます。

文章の最後の一文にある「登録証明機関の審査は簡易なものになると期待されます。」という言い方は本当にお役所的でイヤらしいなと感じますが、簡単に言えば、検査機関独自の判断に任せているということだとも読み取れます。

また、実際に当社ではそれに則って仕事をしています。

今回はその事例をご紹介させて頂きたいと思います。

 

当社事例:ご依頼の経緯(最初は通常通りの電波法認証依頼)

簡単にですがそもそもの経緯をご説明します。

最初は、当社のホームページからお問い合わせを頂きまして、自社で扱うことになる製品の無線リモコンが電波法認証の対象になるか、確認して欲しいということでした。

実はその業界の大手企業も同じ製品を扱っていることがわかり、その製品をネット検索していると取扱説明書に「当製品は電波法認証を行っています。」という記載があり、電波法番号も表示されていました。

元々、無線を利用するリモコンということで電波法認証は必要だと予想はついていましたが、決定的な根拠も見つかったのですぐに報告、依頼主様も電波法認証されることを決意されました。

ちなみに、今回の生産は中国工場であり、検査機関は中国、認証機関はアメリカです。その前提で話を進めていきます。

その後は通常通りの電波法認証の流れとなりましたが、本体はカラーバリエーション2種類があり、当然リモコンも2種類、そして型番は違うということで少々の追加費用を頂くことになりました。

また、その際は、2つのリモコンはあくまで色違いであった製品の中身は一緒であるという一筆も頂くことになりました。フォーマットはこちらで用意しております。

そうすることで検査機関は1つの型番だけを検査して、もう一つは書類手続きのみという処置を取ることができます。そして、その一筆があればもし検査をしていないもう一つの型番で何か不具合があれば、依頼主の責任であると検査機関も主張ができる、という仕組みです。

そうした流れの中、検査期間中はいろいろありましたが無事に電波法認証を終了することができました。

すると、依頼主様から新しいご相談が舞い込んできたのです。

 

当初依頼企業様からのご相談:OEM生産先で型式追加したい

「今回の無線リモコンをOEM生産先でも認証したいのですが、安くなりますか?」

最初に聞いた時は、正直あまりよく意味がわからず、新しい(中国)工場で同じモノを生産するのかと思い、「検査機関と確認しますがそのパターンでは基本的に安くならないと思います」と返答いたしました。

しかし、よくよく話を聞いていると、そうではなく依頼主の関係日本国内メーカーがモジュールや仕様など製品中身は全く一緒で、筐体だけ変更させて新しい製品本体・リモコンを新型番で生産するということ。

ちなみに、生産工場は同じ中国工場ということで、そのメーカーさんはデザインのみを担当しているということでした。

それならば、冒頭に書いた総務省の見解の通り、イチから電波法認証するよりもかなり安い費用の書類手続きだけで済ませることが出来ると回答いたしました。

そうすると、依頼主様からはメーカー担当さんをご紹介頂くこととなりました。

 

サンプルは3Dプリンターで作成!?OEM生産先からの連絡

早速、メーカー担当さんに電話をして状況を確認。

「では、まずは新しい型番サンプルを中国工場から取り寄せてください」と伝えると、

「えっ!?何故ですか?サンプルの筐体自体は当社が3Dプリンターで作りました。製品の中身は依然と全く同じです。工場から取り寄せないとダメですか?」と逆に質問を頂いてしまいました。

もちろん、3Dプリンターでサンプルを作ること自体は全く問題ありません。話を聞いていると、日本国内で3Dプリンターを活用してサンプル筐体を作り、量産は中国工場で金型を作って行うとのこと。

その量産前のサンプルの状態で電波法認証をしてしまいということでした。

こちらとしてもなかなか驚かせてもらいました。ある程度生産工場と意思疎通が出来ているのであればそうした生産体制を組めるのだと発見がありました。

繰り返しになりますが、書類手続きの為に検査機関に提出する製品サンプルは、必ずしも金型から起こした量産品ではなく、3Dプリンターを活用した1品モノでも問題ありません。

すべての状況が把握できましたので、すぐに検査機関から見積りをもらい、それをメーカーさんに確認して、案件をスタートさせました。費用的には、通常電波法認証するよりも半分程で収めることができました。

 

検査機関・認証機関との調整、必要書類フォーマットの作成

書類手続きの為に必要な資料としては、製品サンプル1台、大元の電波法認証権利者(今回で言えば依頼主様)が新しく認証したい方(今回で言えばメーカー)に対して自分の権利を使うことを許諾する文書、新しい製品の取扱説明書などです。

製品サンプルは当然ですが、権利利用許諾文書については検査機関・認証機関もフォーマットなどは有していません。正直、それほど依頼数が多いものではないのでしょう。また、海外でこのような行為をする為には英文文章である必要があります。

当社では、総務省に認可された指定登録検査機関(認証機関)が認めるレベルの文書フォーマットを用意できまして、それに大元の権利者の署名・捺印をもらうことで申請が可能となります。

申請後には、新しい型番の製品がどのように使われるのか実際の取扱説明書(日本語)を用意していただき、それを認証機関に提出。対象製品が一般流通されるものであるかを確認した後、新しい型番での認定証が発行されます。

この際の取説書について、元々の製品の版があれば、製品写真や発売元名を差し替えるだけで済みますが、もし元々の版がないのであれば作成に少し手間取ってしまうかもしれません。

 

 

実質1ヶ月未満で手続き終了、OEM先メーカーも無事に電波法ホルダーに!

今回の手続きに掛かった期間はおよそ1ヶ月程度ですが、正味期間はその半分程度でした。というのも、メーカーさんが元々の権利者の方に署名・捺印を依頼して、書類が戻ってくるのに2週間ほど掛かったり、説明書を用意してもらったりと、日本国内のやり取りの方に時間が掛かっていました。

実際の手続き自体はそれほど時間が掛かりませんし、必要書類のフォーマットも迅速に用意することは可能です。

今回の案件でOEM先メーカーさんも無事に電波法ホルダーになることができ、メーカーさんのみならず元々の依頼主の方からも大変感謝を頂きました。

このようなケースは稀かと思いますが、例えば、他社に委譲することのではなく自社内で新しい筐体・型番で電波法手続きをしたい、ということも可能です。

ただ、すべてのご要望にお応え出来るかどうかは、製品などケースバイケースになります。
初回ご相談は無料でございますので、まずは是非お気軽にお声掛け頂ければと思います。

 

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