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【認証Q&A⑭】PSEマーク(電気用品安全法)の経済産業省手続きのやり方について間違い事例をもとにお答えします

 2020/08/20 PSE Q&A コラム 中国ビジネス 事例 日本国内ビジネス 認証の原理原則
この記事は約 12 分で読めます。 769 Views

こんにちは。管理人の堀です。

認証の仕事をしていて地味に多い質問が、

PSEはどのように経済産業省に届出・申請をすればよいのでしょうか?

という内容です。

引用:経済産業省ウェブサイト「電気用品安全法_届出・手続の流れ」


何回も登場しているPSEフローですが、今回はこの中の「事業届出」の質問をまとめてお伝えしたいと思います。

なお、今回はあくまで質問への回答という形であり、PSE申請の流れをすべて網羅しているわけではないのでその辺はご注意ください。と言っても、今回の内容を読んでいただければ、大体の流れも掴めると思います。

本題に入る前に当社へPSE申請手続きの質問が多い背景をお伝えしておくと、事業者の方がPSE申請手続きが初めてであるということ、そしてもし書類不備などがあった場合にやぶ蛇的に経産省から目を付けられるのではないかという恐怖心があるようです。

また、中国工場が「PSE取得しているよ!」とアピールし、提示してきた証明書をそのまま経産省に提出したら、飛んで火にいる夏の虫、ということで何かあらぬ嫌疑をかけられることも懸念されているようです。

基本的に中国工場が自ら取得したPSE認証は、何かしらの不備があると思っておいた方が良いでしょう。

もう一つ言えば、経産省のページそのものが実践的ではなく定型的な書き方をしているので、少々わかりづらいのではないかと個人的に感じています。

なお、総務省の電波法は、事業者自らは同省に申請の必要がないので、そういった面からも経産省への申請というのは、認証初心者の方の立場からすると少々敷居が高いのかもしれません。

いずれにしろ気持ちの問題として、最初から経産省に連絡するのはハードルが高いと感じているのであればこのページで勉強していただき、ある程度予備知識を得てから、連絡・やりとりしていただければと思います。

 

PSE書類を提出するのは経済産業省でよいのですか?また、事業届出を出すタイミングは?

厳密に言うと、PSEそしてPSCなどの事業届出を提出するのは、経済産業(本省:霞が関)ではなく、各エリア管轄の経済産業になります。同局にはもちろんいろんな機能があると思いますが、我々から見たら経済産業省に関連する業務の書類申請・受付機関のようなイメージです。

これは管轄がエリア毎に分かれていて、例えば事業者が東京であれば関東経済産業局、大阪であれば近畿経済産業局、福岡であれば九州経済産業局が担当になります。

なので、PSE書類を提出する際は、最寄りの経済産業局にお問い合わせください。ネットで検索すればすぐに出てくると思います。

 


引用:経済産業省_届出・問合せ窓口

 

なお、当社は神奈川県の事業者ですので、これ以降の話は、関東経済産業局を利用していることを前提にお伝えさせていただきます。

なお、事業届出を提出するタイミングですが、先述の表では「基準適合確認」の前に出すことになっていますが、制度上はそうした方が良いのでしょうが、現実問題としてそれは物理的にかなり厳しいと感じています。理由は後述します。

経済産業のページには、

電気用品の製造事業、輸入事業を行う場合、事業開始の日から30日以内に必要事項を、管轄の経済産業局等に届け出なければなりません。
引用:経済産業省_電気用品安全法_届出・手続の流れ

と書かれています。

また一方、

事業開始の日とは、電気用品を具体的に製造(完成させる行為)した日や、輸入(本邦に移送された)日をいいますが、事業のための準備行為や、事業開始に係る社内等における何らかの意思決定日も含みます。
同引用

とあるので、なるべく早く提出しないといけない雰囲気でもありますが、先述したようにそれは物理的にかなり厳しいので、PSE認定証が発行された日付に合わせておくくらいがちょうど良いかもしれません。なお、これはあくまで当社の私見ですので、最終的には各社様でご判断いただければと思います。

なお、それでも一番やってはいけないのが、申請をしないで(忘れて)販売していることです。例えば、販売を始めてしまって60日ほど経ってから慌てて申請をしてしまっても、日付けは30日までしか遡れません。

下手をすると提出したその場で経産局の担当者から突っ込まれるかもしれませんし、販売を始めているという社会的記録と書類上の記録(日付け)に齟齬があれば、そのうちに経産省から問い合わせがあるかもしれません。

その辺は気を付けるようにしてください。

 

中国工場でPSE品を生産させる予定なのですが、その場合も輸入事業者届が必要ですか?

そもそもポイントとして、PSEの届出は、輸入事業者届と製造事業者届に分かれます。

海外で生産をする以上は、すべて輸入事業者届が必要になります。また、日本国内で製造する場合は、製造事業者届が必要になります。

下記が対象の様式です。

事業届出書の様式(Word形式:24KB)

 

記載例

製造事業(PDF形式:176KB)

輸入事業(PDF形式:232KB)

引用:経済産業省_電気用品安全法_届出・手続の流れ_事業届出_様式他

ここで気を付けないといけないのは、既に海外工場が生産しているものをPSE認証した場合、日本の事業者がPSEのために海外工場で作らせた場合、どちらにおいても輸入事業者届が必要だということです。

認証は生産工場に付与されますのでPSE認定された生産工場の対象商品を輸入するということになり、輸入事業者としてPSEの資金を自社で供出している場合、工場が勝手に他者に販売しないようにするマネジメントも必要になってきます。

なお、この話は別テーマになりますので、興味ある方は直接お問い合わせください。

一方、製造事業者届というものも、販売者ではなく日本国内の生産工場が提出するものです。この場合、販売者がPSE資金供出するパターンも多く、PSEの生産事業者名には工場を記しますが、「販売事業者」として別途名前を表示する場合も多くあります。

日本国内の日本事業者同士で揉めるようなことはあまりないと思いますが、それでも生産工場が勝手に他社に向けて販売しないように、資金供出した販売事業者との事前の話し合いは必要でしょう。

 

届出をする際は、所定の様式とPSE証明書のコピーで大丈夫ですか?

先述した、

事業届出を提出するタイミングですが、先述の表では「基準適合確認」の前に出すことになっていますが、制度上はそうした方が良いのでしょうが、現実問題としておそらくそれは物理的にかなり厳しいです。

の理由説明にもなるのですが、PSEの事業者届出をする際は、申請様式(提出書類)と合わせて必ず型式区分というものを提出しなければなりません。

電気用品区分

 

型式区分表(一部抜粋)

引用:電気用品安全法施行規則_別表第一 電気用品の区分(第2条関係)/別表第二 型式の区分(第4条関係)

電気用品区分というのは該当の電気用品の分類ですが、それは少し調べれば何とかわかりますが、型式区分については電気用品の素人が理解するにはかなり難しくあります。

そもそも商品ごとに製品構造は違うので、認証を行った上でしっかりと確認しないと技術に精通した人間であっても、型式区分は作れません。

つまり認証が終わってからでないと型式区分がないので、事業届出は出来ないということになります。

昔ながらの観点で言えば、日本のメーカー・工場が型式区分をしっかり決めたうえで製造に入っていたので冒頭のPSEフローのようになっているのかもしれません。

しかし、現在では海外工場で生産したり、最近の日本でもあまりPSEを熟知していない工場で生産を行う場合は、最終的にPSEの辻褄を合わせることも多くなり、最初から型式区分を把握するのが難しくなってきています。

それでも最終的には型式区分がわかるので問題はないと思いますが、酷いのは中国などの海外検査機関を利用した場合、型式区分を作らずに認定証だけ発行してきたりすることが大半です。

お客さんから相談あった際、これでどうやって申請するのだろう?を首を傾げたことは一度ではなく、その度に当社で型式区分の作成代行を行ったことが数多くありました。

繰り返しになりますが、届出は所定の様式、PSE認定書のコピー(場合によっては提出不要)と型式区分です。この型式区分を入手できるのが、PSE検査終了後でないと難しいので、経産局へのPSE申請は検査終了後で十分間に合うと思います。

 

あまりこういう申請に慣れていないのですが、とりあえずダウンロードした書式を提出してしまってよいですか?

基本的に問題ありませんが、2点ほど気を付けるようにしてください。

初めて提出するのは「様式第1(第3条関係)」の「事業者届」

輸入事業者であろうと製造事業者であろうと、初めての電気用品区分であれば「様式第1(第3条関係)」の「事業者届」を提出することになります。

間違えやすく気を付けないといけないのは、「様式第6(第6条関係)」の「事業届出事項変更届出書」などを提出しないことです。

様式第6は、例えば、すでに提出済みの電気用品区分で新たに別の製品を扱う場合などに、「追加」として提出することになります。

様式番号については、書面の左上に記載されています。

馴染みのないA4の書類で何が書かれているか理解しづらいですが、受け取る側(経産局)は様式番号を見て、申請者が何をしたいのか判断します。

以前に、初めて申請するお客様が間違えて、様式1ではなく様式6で提出して、経産局側も「初めての申請だと言っているのに、既に申請したことがあるのだろうか?」と判断できず、またお客様もパニックになってしまい話が平行線に陥りました。

最終的に当社が確認したら、様式違いであったことが判明して、無事に話が収まったということがありました。

ダウンロードする際は様式番号をしっかり確認するようにしましょう。

 

書類の作成は行政書士以外の人に頼んではいけない

先掲したように書類自体は基本的に平易で、経産省もご丁寧に書き方例も用意してくれているので、少し冷静になって記入すれば問題ありません。

ただ、それでも自分でやるのは難しいと考える人もいらっしゃると思うので、忠告させていただくと、こうした公的書類の作成は自分(自社)でやる以外に、他者に依頼する際は行政書士以外に依頼してはいけません。

それはいわゆる代書(行政書士法違反)となってしまう可能性があるからです。

当社もこれまで一度たりとも代書は行っていません。様式フォーマットがある場所を教えてあげたりはしますが、後は見本を見て自分で作成してください、という放置プレイです笑。

しかし、何度も言いますが、ごく簡単な書類ですので、よほどのことがない限りは自分(自社)でやるようにしましょう。

 

個人事業主で届出をすると、製品に表示をする事業者名は本名でないといけないと言われましたが、これは何としてでも避けたいのですが救済案はありませんか?

経済産業省のページには以下のように記されています。

事業者の正式名称(個人事業者の場合は氏名)を表示します。ただし、承認を受けた略称、又は届出を行った登録商標であれば、正式名称でなくても表示できます。

つまり、個人(事業主)でPSE申請をすると、屋号ではなく自分の氏名(本名)を製品に表示しなくてはなりません。これは同じ経産省管轄のPSCでも同様です。

私の場合で言えば、「堀雄太」と製品に表示することになるので、個人的にはこれは末代までの恥と考えて笑、これがきっかけで個人事業主は卒業して、法人設立をして、製品には「INSIGHT WORKS株式会社」と表示するように致しました。

当社の話は置いておき、基本的には個人事業主で申請するのは避けた方が無難かと個人的には感じていますが、ただ上記引用にある「承認を受けた略称、又は届出を行った登録商標であれば、正式名称でなくても表示できます。」という方法があるのも事実です。

これはもちろん法人にも当てはまりますが、例えば、略称であれば「INSIGHT WORKS株式会社」を「INSIGHT WORKS」と出来たり、「山田太郎」を「山田」と出来たりします。

ただ、会社名であれば略称は良いですが、氏名で名字だけ、名前だけ、というのは個人が特定されないかもしれませんが、あまり気持ちの良いモノでもないというのが正直な印象です。

ちなみに、略称の届け自体は、経産局ではなく霞が関の経産省に届ける必要があります。その後、経産局に届け出ることになります。

登録商標に関しては、事業者名のところに商標を表示できるので個人事業主でも有効ですが、そもそも商標出願に最低でも半年以上はかかります。そして、商標出願は審査で落ちる可能性も高いので、ハードルもかなり高いです。

それを待っていたらPSE申請がどんどん遅くなるだけなので、最初から商標を持っている以外はやめたおいた方が無難かもしれません。

なお、こちらも出願が終わった商標の届け出は、霞が関の経産省になります。

個人的な見解としては、PSE申請をしたいのであれば法人なりした方が良いという結論です。

 

いきなり申請して間違えているといろいろと面倒なので、何か良い方法はありませんか?

まず申請方法として、電子申請、管轄の経済産業局に直接持参、同じく経産局に郵便、という3通りがあります。

普段から官公庁に書類提出などを行っていない事業者の方は、電子申請はあり得ないと思いますのでそちらは割愛します。

持参と郵便で考えます。

いずれにしても、必要になるのは様式2通(同じもの)、認定証と型式区分のコピー(1通ずつ)です。

認定証については、型式区分に生産工場名・住所などが一緒に記載されているパターンであれば省略することができます。ただ、別に隠すものでもないので、基本的に認定証と型式区分はセットだと考えておきましょう。

様式は1通を経産局が押印して保管、もう1通は押印されたものを事業者が保管します。

そして、ご質問への回答としては、管轄の経済産業局に連絡を取り、メールアドレスなどを聞いて、一度事前に添削してもらいましょう。

直接持参にしろ、郵送にしろ、いきなり提出すると大抵小さい部分が間違っていたりして、持参したものを一度持ち帰るにしろ、郵送が返ってくるのを待つにしろ、大幅な時間ロスになります。

必ず事前に添削してもらうようにしましょう。

 

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