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モジュールを変更して電波法認証する5つの基礎

 2020/04/28 事例 認証の原理原則 電波法
この記事は約 8 分で読めます。 123 Views

こんにちは。管理人の堀です。

今回の内容はかなり専門的になっており、率直なところ、その担当者でない限り、あまり参考にならないかもしれませんが、ご了承ください。

さて、電波法認証と一言でいってもどのような仕組みになっているのか、エンジニアの方など専門的に携わっている人でないとイメージが沸きづらいかもしれません。

例えば、wi-fiやBluetoothなど無線を発する製品には、無線チップとそれを実装させる周辺回路などが搭載されており、その電波内容が日本の電波法の基準に適合しているかを検査するわけです。

一方、無線チップやその周辺回路に加えて、通信に必要なソフトウェアも付属した、無線モジュールというものが存在します。

製品によっては、この無線モジュールを実装させているものも数多くあります。

しかし、もう少し細かく言うと、この無線モジュール自体が電波法認証可能であり、組み込んだ無線モジュールが認証取得していれば、最終製品での電波法認証(届出)が不要となる場合が多くあります。

そして、電子機器メーカーは認証済み無線モジュールを一般発売しており、無線チップなどを自前で調達する設計に比べてかなりの工程を削減できるので、認証済み無線モジュールを使って製品設計する例が増加しています。

なお、その場合、電波法ラベルはモジュールに直接表示されることになります。

なので、中には無線製品であるにもかかわらず、製品そのものに電波法ラベルがないものもありますが、製品を分解するなどしてみると、モジュールに表示されているのです。

製品開発をする人間からすると、そうしたモジュールを使えば、電波法認証が不要になるということで大変便利です。

もちろん、電波法認証をしていない無線モジュールも数多くあり、無線モジュールが必ずしも電波法認証しているわけではないということは認識しておいてください。

電波法認証有無は別として、無線チップを使うのか、無線モジュールを使うのか、それは製品サイズや機能、コストなど様々な角度から思案して設計者が決定していきます。

一方、その製品本体を使いたいが、電波法認証を訴求したモジュールが本当に認証をしているのか、また、製品本体を使いたいが様々な事情でモジュールだけは変更したい、などのご相談も増えています。

しかし、特に後者において、一般的に考えると、モジュールを変更するだけだから別に大した問題ないのではないか、と思われるかもしれませんが、機械の世界ではなかなかそうもいかないことは多くあります。

今回は当社事例を踏まえて、そうしたケースについて書いていきます。

なお、前提として、①既存では電波法認証したモジュールを使用していた→電波法認証していないモジュールに変更、②変更前、後の両方でモジュールは電波法認証していない、
という内容の記事になっています。

モジュールを変更したらそのまま終わりではない

この手のご相談は何件もあるのですが、かなり技術力のある会社さんや社長さん自らご連絡ある際は、ある程度、手間のかかる仕事であると理解されていることがわかります。

一方で、技術会社を名乗っていらっしゃる担当さんでも仕事の大きさを把握されていらっしゃらないと見受けられる場合があり、「(モジュールの)変更だけなので、電波法認証も簡単な追加検査で済みますよね?」というご連絡には、少々目を疑うことがあります。

基本的に同じことをやっているはずなのに、むしろ当社の認識が違うのではないかと不安になってしまうこともあるのですが、宣言する意味でも書いておきますと、モジュールを変更したら、そのまま終わりではありません。

モジュールを変更することによって、それまでのベースはあるにしても、イチから製品仕様を作り直す、つまり認証も新しく行う必要があるのです。

外見は全く一緒である一方、中身は一新されます。しかし、モジュールを変えても必ずしも性能が向上するわけではないので、バージョンアップとはニュアンスが違います。

正確に言うと、使っている部品を変えることによって、製品部品に関する権利関係が変わってくるという感じで、残念ですが、基本的にエンドユーザーには関係ない、制作側の問題です。

モジュールを変更した際に発生する作業

以前の記事でご紹介したこともある、当社で認証を手掛けたワイヤレスプレゼンターの回路図です。回路図のイメージとしてご参考ください。

ポイントは、回路図の中の1つの部品を変更すると、全部イチから設計し直さないといけないということです。1か所変えてそのまま製品が作動することはありません。

例外もありますが基本的に、製品仕様はその部品・パーツごとに作られるオリジナルです。

先述したように、このことを理解されているエンジニアさんは話が早いのですが、わかっていない方は、とりあえず検査機関に確認して欲しい・見積もりを出して欲しい、ということになってしまいます。

では、モジュールを変更して新規で電波法認証するためには、実際にどのような作業が発生するのでしょうか?

製品内容によって異なることもありますので、あくまで一例としてご参考ください。

①モジュール変更そのものの作業
②アンテナ(空間の電波(電磁波)を放射し変換するための装置)の変更
③PCB(基盤)パターン図の作成
④回路図の作成
⑤BOM(部品)表の作成
⑥作動(実装)させるための各段階における製品調整

ざっと挙げてもこのくらいの作業が発生します。

専門外の人間からすると目が眩むような作業ですが、そもそも無線製品を生産するにはこのくらい作業や資料が必要ですし、しっかりとした技術者が行えば、比較的に簡単な話であります。

しかし、組み立てだけをやっているような会社では少し難しく、やはりイチから企画・設計できないと、作業そのものが難しいかもしれません。

なお、新規でも電波法認証済みのモジュールを使用すれば、電波法認証は不要となりますが、実装させるための動作テストは必要です。

また、以前の機能をそのまま踏襲できる新規モジュールを探すことは時間もかかりますし、さらにそれが電波法認証までしているとなると、探すこと自体大変な手間(人的コスト)となります。

であれば、機能面を満たすモジュールを探して、電波法認証は製品そのもので行うという選択肢は全然ありです。

現在の製品と新しいモジュールを検査機関に持ち込めば、そのまま検査してくれる?

当然そのまま検査はしてくれませんが、一応書いておくと、上記の書類を用意する一方で、モジュールを変更して実装させ、動作テストをしたうえで検査機関に申し込む必要があります。

いずれも欠けると、検査すらしてもらえません。

そもそもなぜモジュールだけを変更するのか?

ここはビジネス的に気になる部分です。いろいろと情報を集めた事例ですが、ご参考ください。

①モジュールメーカーが該当モジュールの生産を中止してしまった

仮にAという無線商品があった場合、製品メーカーは自社で全ての部品を製造し、組み立てまですべて自社のみでやっているわけではありません。

もちろん、自社でも部品を生産するかもしれませんが、必要な部品は専門メーカーのモノを使うのが一般的です。

特に、モジュールのような専門的な部品は専門メーカーが存在しますし、電波法認証を済ませていることも多くあります。また、日本だけではなく世界中に部品メーカーはありますので、製品メーカーは製品により適したモジュールを自由に選ぶことができるのです。

その一方で、部品メーカーが突然そのモジュールの生産を中止する、ということ話は良くあります。

製品メーカーも超大量に発注していれば継続生産の交渉が出来るかもしれませんが、小口であれば、部品メーカーも、その会社の為だけに特別にモジュールを作るメリットはないので完全に生産中止するのは妥当な判断です。

製品メーカーとしては、まだ生産を続けたいが、既存のモジュールが手に入らなくなるので、新しいモジュールを使う必要があるというわけです。

②製品すべてを自社製品(部品)で統一したい

例えば、大手企業さんなどが海外で販売されている商品のパテントを買い上げて、自社製品として販売する際に、使っている内部部品も自社製品で統一したいというケースがあります。

技術資料などはすべて揃うので、あとはモジュールを中心にその大手企業さんが希望する部品に変更して、資料自体も必要な部分は変更する。

その変更作業を自社内で行うこともありますし、当社のような代行会社にご依頼いただくこともあります。

ちなみにですが、当社ではモジュールに変更に伴う、先述した一連の作業ついて請け負うことは可能です。

 

他にも理由はありますが、代表的な内容は上記2点と思われます。

検査をする場合の検査機関の選び方

以前に認証した検査機関であれば、追加認証として引き受けてくれるだろうから、同じところで認証したいというお客様がいらっしゃるのですが、モジュールを変えた時点で、基本的には新規認証と判断されるケースがほとんどです。

もちろん、以前の認証機関がベストということであればそこでも問題ありませんが、探してみればより良い条件のところもあるので、そこは柔軟に取り組まれるとよろしいのではないかと思います。

当社では、工場の生産地などを加味して、最適な検査機関を選択することが可能です。

モジュール(製品内部)は変更できるという知識の利点

今回、こうしたかなり専門的なことを書いたのも、知識として、モジュールを変えてあらたに電波法認証ができるということを知っておいていただければ、何かの際にビジネスアイデアになると思ったからです。

例えば、「モジュールを変更する理由」で書いたように、製品販売は続けるつもりなのに既存モジュールだけが使えなくなってしまう、新規導入する際にどうしてもモジュールを変更したい、などという事情が発生することもあるかもしれません。

その時になってどうすればよいか慌てず、単純にモジュールを変更して必要な作業を行えばよい、ということを知っていると、今後のビジネスがよりスムーズになると思います。

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