【認証Q&A④】PSE、PSC、電波法技適など中国工場って信用できる?の巻
こんにちは。管理人の堀です。
中国セラーによる日本Amazonへの販売が増えるのに比例して、PSE、PSC、電波法などの認証を正しく行っていない中国セラーも増加の一途を辿っています。
経済産業省や総務省なども取り締まりを強める一方で、Amazonや楽天などの販売モール(以下EC)にも規制を強める働きかけを行っています。
ここで豆知識としてお伝えすると、現行法の中では、PSEやPSCなどの対象となる製品を違法に販売した際、罰則があるのはあくまで販売事業者です。
ECやリアル家電量販店など、専門用語で言うと、「軒先を提供している」側は基本的に罰則対象になりません。
なので、ECなどで違法品が野放しになっていても法的には問題がないのです。ただ、そのようなECでは当然一般消費者の信用度も下がるので、取り締まりは「努力義務」という形が現在の最適解となっています。
事実、最近ではEC側も取り締まりを段々と強めています。
なお、リアル店舗にはそもそも中国事業者などは参入できません。ある程度社会的信用度のあるメーカー(販売事業者)が集まっており、店舗側も厳重に確認しているので、基本的に違法品はあり得ないでしょう。
そうした日本側の背景を踏まえてなのか、中国側でも特に「PSE」について意識するようになってきているとは感じております。
ただ、意識をするだけで、実際に日本の法律に則った正式な手続きを行えていないことがほとんどです。
中には、偽のPSE証明書を提示してくる中国工場も多く、それに関するお客様からの問い合わせも増えています。
PSE、PSC、電波法など、認証の正しい知識がないと工場側に対しても適切な指示が行えず、最終的に被害を受けるのはご自身やお客様であったりします。
また、海の向こうにある中国工場は、EC側から販売を差し止められることはあるかもしれませんが、日本の法律で罰せられることはありません。
もちろん、中国工場と敵対関係になるのではなく、ご自身でも法律を熟知したうえで、適切な関係を築いていっていただければと思います。
それでは、ご質問にお答えしていきます。
Contents
取引予定の中国工場からPSEは取得していると聞いたのですが、信じてしまって大丈夫ですか?
100%とは言えませんが、ほとんどが嘘だと思った方が良いでしょう。
もしくは、工場自体は本当に取得していると認識しているかもしれませんが、基本的には正確に取得できていないのが現実です。
最近、お客様からこうしたご質問は大変多くなっています。
当社の回答としては、まずは、工場に対して検査(PSE)証明書と検査レポートの提出を要求してください、とお伝えします。
「商品を買ってくれたら見せるよ」と言ってくる工場はまず間違いなく、偽物PSEです。
これまでの経験上、「逆に見せられないなら買わないよ」と伝えると、仕方なくデータを送ってきましたが、結果は全滅でした。
この背景として。
現在、世界各国の製品が中国工場で作られており、同時に各国の検査内容に対応した検査機関が数多く存在しています。
その中で、日本のPSEなどは良くも悪くも日本のみの法律ですので、その検査内容をしっかり把握している検査機関は実のところそれほど多くはありません。
それでも仕事欲しさに日本のPSE証明書もどきを発行してしまう検査機関は少なからずあり、日本の事業者はそうしたものの真贋を判断する必要があるのです。
ただ、専門業者でもない限り、本物のPSE証明書を見たことがある事業者の方の方が少ないと思いますし、「これがPSE証明書だ」と言われて出されたら、疑う方が難しいかもしれません。
しかし、もし工場の言葉を信じてそのまま取引を続けても、経済産業省への書類申請で通りませんし、万一、書類申請をスルーしてしまって国内販売をすると、とても大ごとになります。
当社では、証明書の真贋等を確認するノウハウを有していますので、そのような場面に遭遇されてしまったら、お問い合わせください。
工場からCE認証をしているから大丈夫と言われましたが、本当に大丈夫なのでしょうか?
これも一つ前のご質問と似ているのですが、よく聞かれることです。
CEマーク
CE認証とはEUの法律で定められた安全性能基準のことで、これを満たすと製品上にCEマークを表示することができます。
先ほども書いたように、中国は世界の工場となっていますので、当然、EU各国の製品を作っている生産工場が存在しています。
なので、中国工場の製品はEUのメーカーがCE認証をしたものも沢山あります。
それを日本人業者が見つけて、日本に輸入しようとする際に、工場は「この製品はCE認証をしているから品質が高い、日本でも通用する」とアピールします。
一方、日本の法律(PSEなど)を知らず、CEがあれば何でも大丈夫と思っている中国工場は多く、「CEあるから(日本でも)大丈夫だよ」と日本人に交渉してくるのです。
しかし、気を付けないといけないのは、CEはあくまでEUの認証であって、日本のPSEなどとは無関係です。
CE基準を満たしたどれだけ品質の高い製品であっても、PSEなどがない対象品を日本で販売したら違法となってしまいます。
品質を担保するためのPSE認証であれば、CEを満たしていればそれも事足りるだろうという意見も聞きますが、日本には日本の基準があるというのが正確な回答です。
ただ、それは逆も然りで、あまりないパターンですが、例えば、PSEを取得しているからと言って、それがそのままEUで売れるかと言えば、やはりそんなことはありません。
各国・各地域の規制というのはある意味で関税のようなものであり、他国の製品の障壁になっているという認識が分かりやすいかもしれません。
以前に購入してそのままになっている製品の認証をしたい。昔のモノでも認証できますか?
確証はありませんが、おそらく認証は可能だと思います。
必要なこととしては、仕様書などの製品情報の準備と、生産工場の現存有無の確認です。
まず以て、どのくらい前なのかにもよりますが、以前の製品の場合、生産工場が無くなっている場合があります。
また、認証をするにあたって製品に使われている部品などを変更しないといけない可能性があり、そちらの確認も必要です。
サンプルがあれば、認証前に製品検査をして、認証が無事に進められるかどうかを確認することも可能です。
但し、工場が既にない場合などは製品(サンプル)を別の工場に持って行き、同じものを量産する体制があるか確認します。認証とは別途費用が発生しますが、当社ではそうした手配も行っています。
また、同じ商品の新しいタイプがあるかもしれませんので、そちらをあらためて認証するという方法もあります。
PSEの特定電気用品(通称:菱形PSE)では生産工場検査が必要ですが、必ずしも日本の検査機関を派遣しないといけませんか?
製品ごとにケースバイケースですので、必ずしも一律ではありませんが、中国国内の検査機関を中国工場に派遣して検査をすることは可能です。
もちろん合法ですし、検査自体も問題なく進められます。
そうすれば、中国国内ですので移動交通費は相当安くなりますし、うまくいけば日帰り出張になるかもしれないので、宿泊代不要ということもあります。
当社では、中国各地の検査機関ネットワークがありますので、なるべくご指定の生産工場の近くの検査機関を利用するようにいたします。
比較的簡単に日程調整が出来るので、日本の検査員とのスケジュールがなかなか合わない、という事態を回避、なるべく短期間での段取りをするようにいたします。
また、何かしらの理由で日本の検査機関の人間を中国に派遣できない、入国禁止などの事態になっている場合でも、中国国内で完結できますので、基本的に遅滞なく認証が可能です。
当社では、こうした移動交通費・宿泊費用・移動時間など、認証とは直接関係ない非生産的なコストを削減するノウハウを有しています。
一部では、日本の検査機関が直接立ち入りを行うような重要な検査を中国の検査機関に委託して大丈夫なのか、というご質問もありますが、心配には及びません。
当社が指定する中国検査機関は大変厳格に検査を行いますし、検査内容は日本の法律で認められている国際的な指定認証機関が確認しますので、基本的に日本の認証機関と遜色はありません。
但し、PSCなど日本の検査機関による工場検査が義務付けられている検査については、日本の検査機関のみでしか行えませんので、その点はご留意ください。
最近では、住宅用蓄電池・産業用蓄電池が話題になっていますが、これらも認証は必要ですか?また、貴社で認証可能ですか?
まず最初に申し上げると、かなり大型な認証ですが、当社での対応は可能です。実績も有していますのでご安心してお問い合わせください。
住宅用蓄電池については、S認証という任意認証がありますが、それを実施できるのは日本の検査機関、JQA(一般財団法人日本品質保証機構)とJET(一般財団法人 電気安全環境研究所)のみです。
通称、S-JQA認証およびS-JET認証がそれにあたります。
両社ともに特色がありますが、当社ではそれぞれのポイントを抑えておりますので、ご依頼主の要望を踏まえながら検査機関を決定させていただきます。
S-JQA認証およびS-JET認証を実施していると政府補助金(SII:一般社団法人 環境共創イニシアチブ)の対象になる場合があります。
実際にお問い合わせいただきませんと、お伝え出来ませんが、特に、当社の差別化ポイントとして、認証期間を大幅に短縮するノウハウを有していることです。
また、蓄電池の内容(電池セルなど)によって、PSE認証なども必要になってきます。
率直なところ、住宅用蓄電池はお見積りを算出すること自体、大変なノウハウが必要になってきます。
見積もりには、仕様書などの製品情報が必須となります。しかし、工場は中国の電池工場を利用するお客様も多く、工場に製品情報を要求するだけでも一苦労です。
要は、日本の法律に則った難しい技術的な内容を、中国人に伝えること自体が大変なのです。
さらに、JQAとJETではいろいろ特色があるので、両社をうまく比較することが難しく、結局、最初に見積もり依頼をした方にそのまま依頼してしまう傾向があります。
もちろん、どちらの検査機関も大変素晴らしく、検査内容的には問題ないのですが、やはり相性であったり、細かい要望などはありますので、そうした点はしっかり比較したうえで臨みたいものです。
当社では、これまでの実績から、製品情報あれば大よその見積りが可能ですし、最終的にどちらの検査機関を選択すればより良いかのご提案も可能です。
また、工場との書類の確認も中国語(ネイティブ)で行えるので、コミュニケーションもよりスムーズでより正確です。
住宅用蓄電池は、政府(経済産業省)が推進するエネルギー政策の要の一つであり、今後、スマートハウスなどにどんどん導入されていくことでしょう。
新ビジネスに必要な認証をなるべくスマートに終えて、来るべき次代のビジネスに取り組んでいっていただければと思います。
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