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PSE、PSC、電波法技適など認証がうまくいかない方に、うまくいかない6つの共通点をお伝えします

 2020/03/21 PSC PSE 認証の原理原則 電波法
この記事は約 9 分で読めます。 2,709 Views

こんにちは。管理人の堀です。

これまでは、PSE、PSC、電波法などの各認証の対象商品や認証の制度説明・進め方について書いてきました。その際に、認証を進めるうえで大事なこととして少し書きましたが、そもそも認証が進められない・途中で躓いてしまう理由をハッキリ書いていませんでした。

当社としては、細かい部分は全部こちらで進めるので、基本的に丸投げしていただいて構わないというスタンスで認証に取り組んでおりますが、認証制度とは別に、どういうプロセスを経て認証を進めているのかご理解いただくのも大事かと思うようになりました。

認証がうまくいかない理由をすべて当社ではクリアできますし、だからこそビジネスをしているので、少々手前味噌的な話になってしまうかもしれませんが、あまり外に出ることもなく、話題にもなりにくい認証のリアルについてお伝えさせていただきます。

技術資料が用意できない

PSE、PSC、電波法、その他計量法、医療機器などいずれも、専門メーカーの技術担当者が認証を担当していたので、自分たちで技術資料を用意していましたし、中国などの生産工場に委託していても、日本の検査の為にどのような資料が必要なのか把握していました。

一方、現代では、インターネットなどの通信手段が格段に発達したことによって貿易が盛んになっています。また、これまで日本をはじめ世界各国の生産工場を担っていた中国工場の技術水準の向上が目覚ましく、似たような商品からイノベーティブな商品まで、さまざま商品を作れるようになってきています。

そうすると、生産コストの安かったり目新しい中国製品を、日本に導入しようとする商社的な日本企業がどんどん増えていくようになりました。そうすると、一つの問題点として、技術的なことを理解していない日本人ビジネスマンも増加しているということです。

このページをご覧いただいている方はそのような方が多いと思いますので、そちらの方を主体にして、話を進ませていただきます。

ビジネスに関する知識は豊富だけど、基本的な技術も理解できていない。決して、これは一方的に悪いことでもないのですが、事実としてそのような状態になっています。

そうすると何が起きるかというと、製品の回路図や仕様書などの技術資料、使用されている製品部品などが、全く意味不明になるということです。それによって生じるのは、認証が必要な製品を目の前にしても、工場に対してどのような資料を要求すればわからないということです。

工場も指示が無ければ資料は用意できません。なのでいきなりここで話がストップしてしまいます。また、工場から提出された書類も本当にそれが正しいのか、判断することも難しくあったりします。

なお、電波法認証に関して、ISO9001の認定証が必要となります。つまりISOに合格していないと電波法認証を合格することは実質不可能です。工場の生産体制を申請することになるのですが、その証明としてISOの書類を用いられることになっています。

現在の中国工場では、規模の大きいところは合格(受験)していることも多いですが、小規模事業者は対応していないことが多くあります。お客様の中には少しマニアックな製品の電波法申請を希望される方がいらっしゃるのですが、多くはこの時点で断念せざるを得ません。

当社では、認証とは別途費用となってしまいますが、この書類を作成することが可能です。ただ、その場合には工場の協力が不可欠です。こうしたことも理解しておかないと、認証はなかなか先に進まなくあります。

工場にどのようなサンプルを用意させる把握していない

どの認証であっても必ず検査機関に製品サンプルを提出する必要があります。まず大体間違えているのは、例えば、中国や海外で作られている製品をそのままサンプルとして提出してしまうことです。

ある程度経験がある方はそのようなことはしませんが、何も知らない方はここで躓きます。そもそも、中国と日本では、日本のPSE、PSCに該当する製品の規格が全然違うので、津中国仕様で作ったものをそのまま日本の検査機関に持ち込んだら、一発アウト!です。

例えば、PSEで言えば、使用される電源コンセントを日本の規格に合ったものに工場で変更してもらう必要があったりしますし、モバイルバッテリーなどではサンプルの電池を100個くらい用意してもらわないといけません。

また、電波法で言えば、通常の製品サンプルの他に検査用のサンプルを用意してもらわないといけなかったりします。

これから受けようとする認証の種類によって、用意するサンプルの形態も変わってくるのでこれを理解しないといけないのですが、こういう情報ってなかなか行き着かなかったりします。

メーカー(工場)に話が通っていない

中国メーカー(工場)に資料やサンプルを用意してもらうように担当者は伝えるのですが、これもなかなか伝わっていないことが多いです。

依頼人のお客様からすべて話は通してあるから後はよろしくと言われて、メーカーに連絡してみると、全く話が伝わっていないことも何度かありました。日本側としては言ったつもりでも、中国側は「何のこと?」という認識でいることも少なくありません。

一番大きなこととして、後述もしますが、やはり言語問題ですね。中国語ができる日本人は絶対数として少なく、英語でやり取りする人もいらっしゃいますが、中国国内メーカーですと、何だかんだで一番伝わりやすいのは中国語です。

中国語ができないのであれば、日本語のできる中国人を仲介する必要もありますが、今度はその中国人が技術的なことを理解していないと、メーカーとも話ができません。

単純なことのようで、実はメーカーに話を通すという行為はツテやリソースがないと、なかなか難しい行為でもあるのです。

メーカー(工場)の人間関係がわかっていない

これは当社の実例ですが、依頼主より中国メーカーに指示を出したのだが一向に動きがないので確認してほしい、という連絡がありました。依頼は、製品に表示されている内容を変更してしたいというもの。

当社の方から連絡してみると、その製品表示を変えるには他部署までまたがないといけないことであり、一担当者としてそういうことは大変なので、途方に暮れていることがわかりました。

もちろん、日本側からすると、そんなものは他部署と調整しろ、そもそも最初からそのように返事しろ、と思うかも知れませんが、それは日本人の日本国内での発想です。中国人には中国人なりの会社のルール、仕事の進め方があるのです。

また、そうした社内事情をペラペラ言うのは憚れるし、日本人へうまい伝え方も思いつかないこともあるのです。

結局、当社から提案したのは、変更する表示内容は最小にとどめるということでした。そして、その変更だけで日本での販売に問題ないかも、当社も確認しました。そうすれば、中国側も自部署内だけで話が済みましたし、依頼主も納得することが出来ました。

中国側から返事が来ないからと言って、すぐに騒ぎ立てずに、向こうで何か事情があるかも知れないと思うのは当然なのですが、なかなかそこまで思いが至らない日本人も多くいらっしゃいます。特に、認証商品は構造が複雑なため、一部書だけでの生産でない場合が多々あります。

工場検査の際に必要になる生産設備を把握していない

PSEの特定電気用品(通称:菱形PSE)やPSC認証では、サンプル検査の他に検査機関による生産工場の立ち入り検査が義務付けられています。

例えば、PSE特定電気用品については、製品によって何十通りも分けられる型式区分によって、それぞれ絶縁抵抗計、絶縁耐力試験機、電圧計、電力系、電流計などの検査設備が工場に設置されているか実際に確認されます。

それらの設備もただあればよいのではなく、PSEの規格準拠した製品であることが求められるので、実際にどの製品が必要になるかは相応な知識が不可欠です。また、設備は古い物では認められず、定期的に校正が行われていることが求められます。

PSEをやったことがない工場であれば、恐らく自分たちだけで揃えるのは難しいでしょう。ましてや、中国工場が日本の技術基準を知る由もないので、なおさら難しくあります。一方で、どんな設備が必要なのか正確に理解していれば、設備自体はAmazonで購入することも可能であったりします。

また、中には、日本の検査機関から日本人の検査員を工場に派遣することもあり、その場合、中国工場が日本語対応できないと、それだけで不合格になってしまいます。また、言語の問題は別としても、工場の職員がPSEもしくはPSCの技術基準について熟知している必要があり、検査員からの質問に答えられることも必須になってきます。

ハッキリ言って、経験したことがない事業者はこの問題をクリアするのは不可能に近いので、手前味噌ですが当社にご連絡ください。すべての問題をクリアいたします。

中国・蘇州の掃除機工場の風景。こうした現場の空気感がわかっていないと工場との交渉も進まない。

認証を工場に丸投げしている

発注する日本側も技術を理解すべきという論調で書かせて頂いていますが、そんなことを言っても、会社の仕事は認証を修了した後の販促や実際の販売業務全般に及んできます。それだけでも大変なのですから、細かい認証業務はすべて工場に丸投げしたいという気持ちもよくわかります。

認証自体は詳しくなろうと思えばいくらでも深掘りできますが、やはりそれは本来の仕事ではないかもしれません。費用を節約するためにかなりご自分で詳しくなっている方もいらっしゃいますが、そうするとその分、本業に影響があるのも事実です。

ここまで書いてきた話を全部ひっくり返すようですが、認証は工場に丸投げしても構いません。その分、認証費用を支払ったり、工場からそれなりの量の商品を購入するのですから。

ただ、認証にこれまで書いてきたようなプロセスが発生することくらいは頭に入れておきましょう。それを理解すると、同時に工場に丸投げしていては認証が進まないこともわかってくると思います。

そうしたら、あとはうちのような代行会社を使ってください。基本的には上記のプロセスに沿って進めさせていただきます。大まかなプロセスさえ理解されていれば、依頼人としても安心かと思います。

認証を丸投げできる体制を整えて、あと丸投げしてしまうというやり方が、仕事の効率上一番良いのではないか考えます。

その為にも、そもそもご自身が何の認証をするのかを理解することが大事になってきます。そうした場合も当社にご相談ください。

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