【認証Q&A⑤】PSE、PSC、電波法技適など検査機関との付き合い方について
こんにちは。管理人の堀です。
認証の代行ビジネスを始めてしばらく経ちますが、その中で認証費用はいくら掛かるのか、そうした相場観が把握できないお客様が多くいらっしゃることをよく感じます。
それで当社にお問い合わせをいただいているので、大変ありがたいということを大前提としていますが、名前は挙げませんが、日本に存在している有名な検査機関にはやはり連絡しづらいのだろうと思います。
自分自身、最初の認証では自分で連絡するしかなく、当時は後に引けなかったのでそれこそなりふり構わず連絡しましたが、やはり心のハードルは高く感じました。
その時の感情を分析すると、
①料金が不明確過ぎるので怖い
②ホームページには丁寧に書いてあるが複雑すぎて欲しい情報になかなかたどり着けない
③同じ理由で、最初にすべての資料を揃える必要性があり、連絡するまでに行き着かない
となります。
こうなってしまう理由について、推測になりますが、こうした検査機関基本的に何回も認証をした経験のある大手・中堅以上企業をメインターゲットにしており、これから初めて認証をやってみようという企業は少し対象外としているのではないかと考えられます。
もちろん、連絡すればとても懇切に対応してくれること間違いないのですが、専門知識がそれほど高くない人にとって、ホームページだけで判断するとそのように感じてしまうこともあるのかもしれません。
少なくとも最初の私はそうでした。
当社としては、自分自信の経験を踏まえて、先程の①②③においてすべてを逆にした価値をお客様に提供しようと心がけています。
①については可能な限り料金を明示していますし、②は制度ありきの説明ではなくお客様が知りたいであろう情報を中心に書いています。
特に③ですが、認証に必要な資料を全部揃えて見積もりとなると、ハードルが高すぎます。
資料を用意する工場にも、商品をたくさん買ってくれるだろうといった期待を最初から与えてしまうことになり、事業者は初っ端から各種調整が大変になってきます。
もちろん、最終的に認証自体にはすべての資料が必要となりますが、見積もりくらいであれば最低限の資料で済ませたいです。
また、これまでの経験上、製品を見ただけで大体の見積り額がわかる場合もあります。
こうした点は当社のノウハウとなりますが、初めて認証をするけどいきなり検査機関に問い合わせするのはいろいろと敷居が高いと感じる方は、是非お問い合わせください。
それでは、今回もお客様からのご質問にお答えしていきたいと思います。
Contents
認証機関にとって得手・不得手の分野はあるものなのですか?
これは既に、それこそ何十回も認証を行ってきた某企業のベテランエンジニアさんからお聞きした話ですが、同じような製品でも、A機関とB機関では試験の質が違ったとのこと。
認証を終えると、基本的には「証明書」と「検査レポート」というものが発行されます。
ここで言う試験の質とは、「証明書」ではなく「検査レポート」の中身になります。
実際に経産省に申請するのは証明書のみとなり、検査レポートは各自保管となります。なので、検査レポートを読み込んでおかない事業者も多いのですが、万一、製品事故などが起きた時、真っ先に確認されるのが検査レポート内容です。
製品区分ごとに検査内容は決められているのですが、検査レポート自体に正式・共通フォーマットなどはなく、各検査機関で独自に定めています。
なので、もしかすると、その検査機関が間違った内容で検査をしている可能性も無きにしもあらずで、先程のエンジニアさんは、自ら検査機関の検査内容の不備に気付き、問い合わせをしたこともあったということです。
嘘のような話ですが本当であり、そうなると認証初心者の方は本当にご不安になられると思います。
そこでご質問内容に戻りますが、そもそものところとして、検査機関によって、家電製品が強い、電子部品が強い、一方でアメリカ製品に強いなど、それぞれ特色があるのです。
窓口ではどの製品も認証できるということになっていますが、そうした検査機関ごとの得手・不得手はあらかじめ把握しておく必要はあるかもしれません。
と言っても、それも難しいと思いますので、そうした点は当社にご相談いただければと思います。
検査項目についても長年の経験から熟知しており、検査機関の「検査レポート」内容もしっかり確認しておりますので、ご安心ください。
製品の発売タイミングが決まっているので、急いで認証をしてもらうことは可能ですか?
検査機関や対象製品によっては可能かもしれません。実際に、お客様から認証期間を半分にできないかというお問い合わせをいただいて確認したところ、追加費用を支払えば可能ということでした。
ただそれは中国の検査機関の話で、そもそも特例ということでした。ただ、お金さえ払えば対応してくれるというのは中国人らしくもありますね。
一方、日本の検査機関は確認してみないと分かりません。
ただ、認証というのは、認証そのものの正味期間と認証前のリード期間があります。
前者は言葉通りなのですが、後者について説明すると、実際に認証を開始するにあたって、検査機関に仕様書や回路図などの製品情報と、サンプルを提出する必要があります。
それは工場から提出してもらうのですが、書類は言えばすぐに出てくるものではなく、外に出すために上長など誰かの確認が必要であったり、工場で保管している内容で不足があれば追加で作成してもらう必要もあります。
また、サンプルについても、既存品をそのまま出せばよいということでなく、検査用に作り替える必要があったりします。
それらの準備だけでも結構な時間が掛かったりします。変な話、正味の認証期間よりも、準備期間の方が時間が掛かったりする場合もあるのです。
つまり、認証を急ぐということについて言うと、必ずしも認証期間を短縮させるだけではなく、工場に対して書類・サンプルの手配を急いでもらうように段取りすることも方策としてあることを覚えておいてください。
家庭用体重計の計量法認証をしたいのですが、どの検査機関を利用すればよいですか?
体重計の計量法認証については、あらためて1つの記事を書きますが、日本の一つの検査機関でクリアすることは難しく、複数の検査機関を利用することになります。
理由として、それぞれの検査機関で実施できる検査内容というものがあり、体重計認証の検査内容をすべて一か所で網羅している検査機関は日本にありません。
複数の検査機関を使うことにより費用も時間も大変に発生します。
その為、当社では中国の検査機関と提携し、必要な検査をすべて1か所で実施できるようにしております。
費用も時間も大幅に圧縮できますので、ご興味ある方はお問い合わせください。
ポータブル蓄電池とモバイルバッテリーは違うのですか?違う場合、どのように違うか教えてください。
英語の語源から考えると、
モバイル(Mobile)は、携帯性など、移動しながら利用できるという意味があり、一方、ポータブル(Portable)は、持ち運んだ後に固定的に設置して利用するという意味があります。
モバイルバッテリー
ポータブル蓄電池 (この商品は良いですよね!)
引用:ANKER 「PowerHouse」 Amazon販売ページより
モバイルバッテリーはPSEの特定電気用品以外(丸型PSE)に該当しますが、ポータブル蓄電池は出力容量によっては、丸型PSEではなく特定電気用品(菱形PSE)に該当します。
いずれにしてもPSEに該当することになりますが、丸型PSEか菱形PSEかは仕様書などを拝見しないと分かりません。
菱形PSEだと認証費用が高くなりそうだから嫌だという声もありますが、一方で、丸型PSEより有利に認証を進められる点もあります。詳しくはご説明いたしますので、まずはお問い合わせください。
いろいろ事情があって無線製品のモジュール(電波法認証済み)を変更した場合、新たに電波法認証は必要ですか?
それぞれの会社様のご事情はよくわからないのですが、既に電波法認証済みモジュールを活用した無線製品において、そのモジュールだけを変更したいというお問い合わせがあります。
結論から言うと、電波法認証は可能ですが、少し厄介なことも発生します。
モジュールだけを変更してあくまでその無線製品を使いたいということになると、製品回路図から変更を余儀なくされる場合があります。
これは結構大掛かりな認証です。
中にはモジュールだけを変える簡単な認証だと思われる方も多いのですが、実のところイチから認証する必要があるかもしれません。
当社としては、モジュールを変更した電波法認証以外に、そうした回路図作成のサポートもできますので、ご用命ある方はお問い合わせください。
直接認証自体とは関係ありませんが、貴社に問い合わせたら必ず認証しないといけないのですか?
もちろん必ず認証をしていただくことはありません。こちらから無理なお願いをすることもありません。
中には、お見積りやアドバイスを差し上げた後、数か月経ってからご依頼いただくケースもあります。
場合によっては、ご訪問させていただいて認証予定の商品を拝見したり、当社のスタンスや認証についてお話しさせていただいた後に、ご契約を頂くこともあります。
一方で、お見積内容が複雑である場合は、お見積り作成費用を一度頂くこともあります。その際、実際に認証をされる段階で、発注費用から差し引き返金をさせていただいております。
全てケースバイケースですので、まずはお問い合わせいただければと思います。
なお、いろいろお問い合わせくださいと書いており、もちろんその通りなのですが、単純に自身がお持ちの商品が認証に該当するかどうか、というご質問にはお答えしていませんのでご了承ください。
当社ホームページにもそのように記載してあります。
理由として、該当有無に関してはネットで調べればわかることですし、そうした該当有無が曖昧なものに関して、当社だけで判断することは難しくあります。また、単に情報収集としてお問い合わせされる方も少なからずいらっしゃいます。
当社では、あくまでもご自身で認証が必要だと判断されていることを前提として、サービス提供を行っています。
認証の該当有無から調べること大変時間が掛かりますので、そこに時間を費やすことは既存のお客様にご迷惑をおかけすることになってしまいます。
ただ、どうしても該当有無から確認して欲しいということであれば、有料となりますが見積り作成とセットでのご依頼でしたらお受けしています。そちらのご活用もご検討ください。
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