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【知らないと危険!】AmazonなどEC販売事業者向け、PSE、PSC、電波法などに関する勘違いBest6

 2020/04/11 PSC PSE 認証の原理原則 電波法
この記事は約 9 分で読めます。 7,831 Views

こんにちは。管理人の堀です。

今まで認証の制度などに関するご質問ついて何度かお答えしていました。
ただそれは、これから認証取得に向けてやりながら少しずつ学んでいけばとよいという内容でした。

つまり、仮に現在知らなくてもビジネスに危険が及ぶものではありませんでした。

しかし、今回は、認証のルールの中で一般的に勘違いされていることが多く、その勘違いが致命的なミスにつながりかねない、また知らないと大変損をする内容を特に取り上げたいと思っています。

前回記事(企業の認証担当者向け、PSE、PSC、電波法など1Day事故事例解説)にあった、「当社事例のPSE製品回収事件」のような状態に陥る可能性は誰にでもあるのです。

断片的な耳学問的な情報はネット上でも沢山ありますが、実務に即した生きた情報になっていないと、結局のところ、ビジネスの最前線では使えないものばかりです。

正直なところ、グレーというか限りなくブラックな話もあり、そういうものは流石にここに書けませんが、一つでもお役に立つのであれば幸いです。

アリババで買ってみた商品にPSEマークが付いていたのでそのまま売れる?

結論から先に言うとアウト!です。

ただ、この考え方を論理立てて言及しているサイトを今まで一度も見かけたことがありません。書いている人はわかっていて書いていないのか、結局のところ何もわかっていないのではないか、何とも言えませんが、この場合はアウトです。

また、アウトになる明確な理由もあるので、ここでしっかり学んでおいてください。

誰も書いていないということは凄いノウハウである気がするのですが、公開させていただきます。

まず、PSEマークが付いているけど違法である製品の例がこちらです。

確かにPSEマークはありますが、あるものがありません。ここを見抜けるようになると、中国輸入をする際にでもPSE・PSCなどの製品を扱う際にグッと有利になります。

それでは経済産業省のページを引用しましょう。

引用:経済産業省_電気用品安全法_届出・手続きの流れ_表示例

製品にPSEマークを表示する銘板(ラベル)の例を示していますが、今回問題にしているのは、赤線部分(当社による)のところです。

PSE表示には経済産業省に届け出た日本法人(輸入事業者名)が必要です。

要は、PSEマーク自体はいくらでもコピーできますので、インチキしようと思えば、いくらでもインチキが出来てしまうのです。

PSEマークが不正でないかを確認する意味でも、PSEマークと一緒に輸入事業者名が表示されているかどうか見てみましょう。

そういう意味で、アリババなどの海外サイトで購入した製品にPSEマークが表示されていたとしても、それはほぼ100%偽物です。

偽物という言い方の他には、正式な手続きを踏んでいないPSEとも言えます。先ほども書いたように、輸入事業者名がなければ結局のところ不正なPSEなのです。

PSEマークが偽造されている場合があるから注意しましょうと促しているサイトを見かけることがありますが、この輸入事業者名のことを書けば一発で解決するのにその点に触れていないというのは、書いているライター自身もPSEのことをしっかり把握していないんだろうなと思ってしまいます。

なお、輸入事業者名の表示が必要なのはPSCでも同じです。

一方、総務省管轄の電波法では、電波法マークだけが表示されていればよく輸入事業者名の表示は必要ありません。但し、その番号自体が本物かどうかを確認するには、

電波法(技適)認証にお困りの方に、基礎知識や技適マーク表示に必要なことは?wifi、Bluetooth、4Gは電波法必須!_ 7 悪質な違法電波商品にご用心!電波法番号偽造などをする中国事業者がいます

を参考になさってください。

もう一度言いますと、アリババなどの海外サイトで買った商品にPSEマークがあったとしても、それはそのまま売れません。

しっかりと自らでPSE検査を行い、経済産業省に届け出た後、PSEマークと輸入事業者名を表示して販売しましょう。

なお、余談ですが、PSE特定電気用品(菱形PSE)対象品において、自らイチから検査を行わずとも、証明書の副本を入手してそれを申請すれば、正式な輸入事業者として販売が可能です。

しかし、その際には必ず原本の保管が必要となってきますので注意しましょう。

原本の保管がないと、同じく経済産業省の行政指導対象になります。

アリババで買ったみた商品にPSE・PSC・電波法マークは付いていなかったけど、普通に動作するのでそのまま売れる?

今さら言う必要もありませんが、あえて繰り返して言いますと、売れません。売ったら違法になるので注意しましょう。

こちらが普通に動作はするけど、PSCマークが表示されておらず日本では違法となるレーザーポインターです。

ユーザー目線から言うと、普通に使えて安いんだから、別にいいのでは?となりますが、販売する側としては、これを売っているのを経済産業省に発見されれば、行政指導が入ることは間違いありません。

ECサイトではモール側が気付かないのであればそのまま売れるかもしれませんが、ユーザーなどから通告があれば一発で販売停止になります。

また、リアル店舗などでは絶対に売れないでしょう。店舗側も認証関係は厳しく見てきます。

前項のPSEマークがあるけど輸入事業者名がない製品とも被る話ですが、では、表示が不正である製品が、しっかりとした表示がされている=PSEなどの試験に合格している製品と機能的・安全的に差があるかどうかという話になると、それはわかりません。

特に、中国工場ではヨーロッパのCE認証をクリアしているものも多く、それがそのまま日本に流れてきていることも多々あります。

確かに現在の中国工場の品質水準は上がってきています。

違法品を売っている中国事業者などは、性能は変わらないはずなんだから問題ない!と言い張ることが多々ありますが、問題は何かあった際の責任の所在です。

PSEの電化製品、PSCの危険製品ともに、規制があるのは製品事故の可能性があるからなのです。まずは、しっかりと日本の経済産業省が定めた技術基準を満たすこと。

そして、それでも万一事故が起きた際に、その製品を輸入している業者は誰なのかを特定するために、必要なマークと輸入事業者名の表記が必要になってきます。

特に機械ものを輸入して扱おうとする際は、それらに抵触する法律の有無を調べるようにしてみてください。

また、見慣れないマークが付いていたらそれが何を意味するものなのかまずは調べてみて、日本で販売するために必要な関連する法律ないか意識してみるようにしてください。

写真のような違法品を売ってしまうとかなり大変であることは覚えておいてください。

自主検査(レポート)って任意じゃないのですか?そもそもウチにはそうした体制はありません。

PSE、PSCの検査に合格しても、生産するたびにそれらの製品が決められた技術基準を満たしているかどうか検査して、その内容を記録(レポート)して保管しておく必要があります。

詳しくは、何度も登場していますが、「PSE、PSC、計量法、電波法技適などは認証が終わればすべて終了ではありません。認証後も自主検査などを求められ、関連省庁による試買テストもあります。」の「PSE、PSC自主検査とは」をご覧になってみてください。

確かに、この自主検査レポートは製品に問題なければ、基本的に経済産業省から開示を求められる可能性は低いかもしれません。

ただ、やはり何かあった折に開示を求められた際、ありませんでは済みません。それこそ、違法品を売っていた時と同様の罰則などが待っています。

中国の製品を輸入して販売する商社的な会社では、自社で自主検査レポートを作成するノウハウはないと思います。ましてや、そうした体制をイチから作ろうとしたら、それこそ人・時間・資金のコストが見合わなくなってきます。

ですので、基本的には生産した中国工場にすべてやらせるようにしてください。そうしたノウハウもありますので、不明な際はご連絡ください。

ただ決して、自主検査レポートの作成は任意であると勘違いしたままにはしないでくださいね。

違法品の販売を許しているAmazonなどの販売モールは違法ではないか?

自社で販売しているPSE・PSC・電波法などの商品で、違法であろう中国事業者のライバルが増えすぎて売れなくなり、困っている方は少なくないでしょう。

Amazonに連絡してもなかなか取り合ってくれない、という方も多く、違法品販売を許しているAmazonも同罪だと考えているようですが、現行法ではAmazonなどの販売モールには罪はありません。

あくまで罪があるのは販売事業者ですので、その辺は勘違いしない方が良いと思います。

ただ、せっかくコストをかけて認証取得したのに、違法ライバルのせいで思うように売れないことへの苛立ちは大変よくわかります。

問題は違法を誰に連絡するかです。Amazonは数多の部署があり、違う部署に連絡しても基本的には取り合ってくれません。

また、ちゃんと認証した商品であれば、単純にAmazon以外でも売れると思いますので、楽天やアスクルなど、他のモールでもどんどん売って行きましょう。

他の業者が認証無しで売っているので当社でも認証無しで売って大丈夫ですか?

当たり前の話ですが、売ってはいけません。認証無しで売っている業者もたまたま監視の目を潜り抜けているだけで、いずれ違法摘発されることは間違いありません。

認証が必要な商品を認証無しで売られているから、本当は認証が必要ないのでは?という勘違いはかなり危険ですので気を付けましょう。

逆に、そういう商品こそ先に認証をしてしまえば、後々有利にビジネスが展開できると思います。

海外事業者が違法品販売をしていても法律適用外なので罰することができない?

確かに罰することはできないでしょう。わざわざ、経済産業省や総務省・警察の人間が、海外(中国)まで出向いて工場の人間を逮捕するということはありえません。

また、現行法ではPSE・PSCなどは国内法ですので、違反をした場合に罰せられるのは国内事業者のみです。海外事業者は対象外となります。

そういうリスクがあるからこそ、日本法人のみが輸入事業者として国内販売する権利があるのです。

そうすると、違法をしている海外事業者は野放しなのかという議論になりますが、残念ながら事業者自体に罰則を与えることはできません。

しかし、製品の販売差し止めはできます一般事業者ができることはそのくらいまでですが、その分、正規の製品をしっかり販売して、ユーザーの安全に貢献していけるようにしましょう。

 

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